綱淵謙錠『斬』

綱淵謙錠『斬』

1972年第67回直木賞受賞作。世襲の試刀師であり処刑人でもあった山田浅右衛門の物語。幕末の動乱が終息し、日本が西洋化を推し進めていく明治初期を時代背景にしています。武士の時代が終わり、試刀師という職人が不要となっていく近代日本。人道的な理由から斬首が絞首刑に代わり、人胆の生成も禁止されたため、山田浅右衛門の250年の家業に終止符を打たねばならないときがやってきます。本作品は、山田浅右衛門吉利(七世)と、吉豊(八世)、在吉、吉亮、真吉 親子の