番外編 公爵家の騎士団長は新妻のいとこを牽制したい

番外編 公爵家の騎士団長は新妻のいとこを牽制したい

 それは、休日の朝に響いた呼び鈴から始まった。 常識的にいって来客にはすこし早い時間だ。約束もなかったので、執事に対応を任せて妻のシャーロットとゆっくりダイニングを出ると、そのとき玄関のほうがやけに騒がしいことに気がついた。「さっきの来客か……君はここにいて」「はい」 シャーロットを残し、いささか緊張しながら玄関の様子を見に向かう。よほどの馬鹿でもないかぎり、正面きって公爵家に殴り込みには来ないだろ...