KANATA 1
あなたへ あなたを見送ってから、 これまでの日々のことを振り返っていました。 あの日から、私の歩むスピードは、随分と、ゆっくりでしたが、幸せのカケラを、ひとつ、ひとつ拾い集めながら、自分のペースで歩んできました。 あなたが此処にいてくれたら そんなふうに、たくさん泣いたけれど、楽しかった時間も、笑った時間も、たくさんありました。 あの頃、12歳だったあの子も、今は、立派に大人になり、夢を叶え、自分の居場所を見つけました。 時々、顔を出してくれるあの子は、いつでも幸せそうで、あの子の笑顔を見る度に、私まで、幸せな気持ちになります。あの子が幸せで、本当に良かった。 先日、あの子は、おじいちゃんにな…