爆ベイ 小説① 蒼い夜❷
第二章 灰色の雲の切れ間に、わずかに白い空がのぞく明け方、誰もいない静まり返った繁華街の舗道を足早に歩く二人組がいた。「……まったく人騒がせなんだから」 唇を尖らせる少女の、ジャンパーの背中にはBBAの文字が躍っている。彼女の歩調に遅れまいと必死で歩く小柄な少年は苦笑いしつつ、弁明した。「まあ、いろいろありましたから。さすがのタカオも今回ばかりはヘコんでましたし」 小柄な少年、BBAチームの一員であり、マネージャー的存在でもあるキョウジュはいつも持ち歩いているノートパソコンを開くと、画面に表示された地図を確認した。「ああ、あれだ。あのホテルですよ」「けっこう立派な建物じゃない。アタシたちの泊ま…