y1017 何んだ、これは!
今考えると栄養状態は極度に悪く、凍死寸前の状態だったのです。 食べ物が欲しい・・。 着るものが欲しい・・。 誰か話し相手が欲しい・・。 頼る人が一人でもいてくれれば・・・ お金はみるみる底をついて行き、孤独、辛さに、このまま生き続けられるのだろうか? 不安のどん底に陥りました。 父が、やっとの思いで作ってくれたお金、周りの反対を黙って押し切ってくれた事、あの拗ね顔を思い出すと、おめおめと島へ戻る訳にもいかず、自分自身が情けなく、疲れ果てたある日、一人で天井を見つめ、孤独をかみしめながら、何気なく手を胸に当ててみました。 「何んだ、これは!」 思わず、声が出ました。 これだけ辛い思いをし、悲しんでいるはずなのに、鼓動は平常通り、何事もなく、すがすがしい響で脈を打っていたのです。 身も心も一心同体、体全体で苦しんでいるはずが、孤独、寂しさ、辛さは、精神だけの問題にすぎず、鼓動は平常通り淡々..