自作小説を紹介！！

おかえりなさい、シンデレラ 第11章 トンネルの向こうには…2

「ほら、何にもないだろう？」　エラの背後から、タクトの声が追いかけるように聞こえてくる。エラは黙って、トンネルの中に両足を踏み入れると、コツコツと足音だけが響…

ピンちゃん〈10〉 奪われた手袋

「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何？」を、科学的、文学的、ときどき叙情的（？）に解き明かす恋愛論ブログです。

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 118

　　だが確かに曲がりなりにも、教職についていた、ということは、教頭先生は、子供のことが好きなのではないか…と颯太は考える。でも裕太たちに対する態度が、他の子供…

おかえりなさい、シンデレラ 第11章 　トンネルの向こうには…１

「ほら、着いたよ！ここだ」　ずいぶん山の奥に入ったのか…向かいには、切り立ったガケが見えている。「ここ？」想像とは、ちょっと違うなぁ～とエラは思うけれども、あ…

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 117

「遊びの時間はもうおしまいだ。　君たちにはもう…用はないんだ」強い口調でそう言うと、老人は「すまない」と悲しそうな声を上げた。 　どうしてなんだ、なぜ？　裕太…

おかえりなさい、シンデレラ 第10章 運命の歯車が回り始める…11

　　この女…中々の食わせ者だぞ！　その謎の女を、うまく丸め込むのは、かなり難しい…と悟った男。チェッと舌打ちをすると、それを見て、女は思い切り顔をしかめる。「…

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 116

「おじいさんは、どうするんですか？」　そういえば…と颯太は老人の方を向くと、老人は静かに目を伏せて、「私はまだ少し…ここでやり残したことが、あるんだ」真面目な…

おかえりなさい、シンデレラ 第10章 運命の歯車が回り始める…10

「護衛の者を増やしましょうか？」　大臣の息子は、王子と信子の空気を察して、声をかける。彼はフェンシングの腕に、自信があったのだが…ここはもっと、人手が必要だ……

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 115

　　颯太の切実な声を聴くと…裕太の心がぐらぐらと揺れる。思わず「うん」と言いそうになる。そうして…自分は　子供だ。どうしようもなく、自分は子供なのだ…悲しいほ…

おかえりなさい、シンデレラ 第10章 運命の歯車が回り始める…９

　　あの賭けのあと、あらためて出直して、男のところへやって来た女に…今回の計画を聞かされたのだ。そのとんでもない企てに、さすがの男は、断ろうと思っていた。だが…

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 114

　　まさか岸本先生が、お宝を探していたなんて…あらためて気づくと、落ち込む裕太だ。その様子に気が付くと、「ちがうよ」と颯太。「そうじゃなくて…あくまでも交換条…

おかえりなさい、シンデレラ 第10章 運命の歯車が回り始める…８

「なんだぁ、この女はぁ！　うわばみじゃないかぁ～」　男たちの賭けにのって数分後、あっけなく勝負はついた。好色な目で、女を見ていた男が、まさかの先に酔いつぶれて…

選り抜きストーリー ある日の善行さん 227 突然の訪問者…嵐の前触れ？

こんばんは！暇人です。 今朝は晴れ間が見えていたのですが…やはり曇り空。気持ちのよい天気が恋しいなぁ～そんな空でした。今日はのんびり本を読み…行きつけの花屋さ…

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　113

　　老人はまだ、医師の上に座ったまま、「私か？私は…」少し言いよどんでいる。「私はもう少し、この島にいるつもりだ」そう言うと、「あっ、そうだ！」いきなり思いつ…

おかえりなさい、シンデレラ 第10章 運命の歯車が回り始める…7

　　ドン、と酒瓶を目の前に置くと、「あんた…中々　いい度胸をしているじゃないか．　気に入った！」と言うと、「ここは、オレのおごりだ」店主がそう言うと、洗い立て…

ピンちゃん〈9〉 友情という名の「勇気」

「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何？」を、科学的、文学的、ときどき叙情的（？）に解き明かす恋愛論ブログです。

ビンちゃん〈8〉 絡み合う指の束の間の乱舞

「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何？」を、科学的、文学的、ときどき叙情的（？）に解き明かす恋愛論ブログです。

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 112

「そうだねぇ、あの子の犬の牙が１本、ここに入っているんだ」　愛おしむように、老人はその白い容器をそぅっと撫でた。もしかして…この人が本当は、この女の子の父親な…

おかえりなさい、シンデレラ 第10章 運命の歯車が回り始める…6

「あ、ちょっとあんた！何をするんだ」　いきなり自分の酒を飲まれて、男はカァッと顔を赤く染めて、怒鳴りつける。すると女は、まったく悪びれる様子もなく、胸をぐぃっ…

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 111

　　裕太はじぃっと、老人から返されたものをじぃっと見つめる。「これが何なのか…わかっているのですか？」とてもあっさりと差し出された２つの物に、裕太は手を伸ばし…

おかえりなさい、シンデレラ 第10章 運命の歯車が回り始める…5

（悪運の強い娘だ）　先ほどは…あの娘の近くまで、接近した　というのに…邪魔が入って接触に失敗した、と　その男は悔しそうな顔をした。（このままだと、こちらも危な…

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 110

　　裕太が差し出したものを、手に取ると「そう、見つけたの」　穏やかな顔つきで、老人はじぃっと見つめる。「これを埋めた時…滝本は、もしかしたらこうなることを、予…

おかえりなさい、シンデレラ 第10章 運命の歯車が回り始める…４

「だれ？」　思わず大臣の息子が、すかさず飛び出していくけれど…あっという間に、その姿が　視界から見えなくなってしまう。「どうしたの？」　誰かに邪魔されたようで…

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 109

（ろくに知らない人を、そんな風に信用してもいいのか？）　心配そうに、颯太が見守っている。だけどそれには気付かぬフリをして、裕太は無邪気な顔付きで、いそいそとそ…

おかえりなさい、シンデレラ 第10章 運命の歯車が回り始める…3

 　　なんだかひどく心配そうな顔をして、王子は信子を見つめる。「いえ…なんで？」あわてて信子が顔を上げると「何だかとても、思いつめた顔をしているから…」と言う…

第20話　ともに時を刻みたい

「十六歳の誕生日おめでとう」　あらたまって口にするのはすこし照れくさいが、それでも創真はしっかりと目を合わせてそう告げて、洋菓子店のロゴが描かれた白い紙袋を差し出す。「ありがとう」　翼は小さく笑いながら心得たように受け取り、創真を招き入れた。　翼の誕生日は、今日、四月一日である。　小学生のころから、それぞれの誕生日に一緒にケーキを食べることが恒例行事となっている。今日もそのために来たのだ。このパー...

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 108

　　いきなり裕太が話しかけるので、老人は少し驚いたようだったけれども、「なんだい？」すぐに、顔をゆるめて、微笑みながら裕太の方を向く。そうして促しているようだ…

おかえりなさい、シンデレラ 第10章 運命の歯車が回り始める…2

　　心配そうに、王子が顔をのぞき込んでくる。それがあまりにじぃっと見つめられると、恥ずかしい…と信子はさらに顔を赤くする。目を開けると、思わず辺りを見回した。…

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 107

「じゃあ、１つだけ！　あの地下室で、おじいさんの代わりに亡くなっていたのは…」　どうしても気になるのか、颯太は言葉を選ぶようにして、老人の方を向く。すると老人…

”おかえりなさい、シンデレラ 第10章 運命の歯車が回り始める…１

　　いつの間にか、霧が立ち込めて…その中にポツンと１人、立ち尽くしている…何とか霧から逃れようと、その出口を探しているようだ。　ここは　どこ？　なんで私は、こ…

選り抜きストーリー ある日の善行さん 226 商店街にヒーローが現る？

こんばんは！暇人です。 今日は昨日よりも、ヒンヤリとした１日でした。一瞬雲が広がるけれど、雨にはならず…のんびりとした１日。今朝の空もきれい。やはり陽射しが暖…

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 106

「えっ、どういうこと？」　　またもわけがわからなくなり、頭が混乱してくる裕太だ。そんな裕太を見るなり、瞳の奥をのぞき込むようにして、「そうだよなぁ～ややこしい…

おかえりなさい、シンデレラ 第9章 失った時を探して…4

「ねぇ～、この先　何があるの？」　せめてエラに、ヒントを与えようと、ユリカさんがじれたように、タクトに向かって聞く。「そうだなぁ～この先はダムがあるくらいかな…

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 105

「彼は島を出て、都会の大学を卒業後、ある社長令嬢と仲良くなったんだ…　滝本は、その１人娘をうまく取り込むと、そのまま婿養子となり、滝本と　名乗るようになったん…

おかえりなさい、シンデレラ 第9章 失った時を探して…3

　　さらにほかの女の子を…自分の代わりに、あの世界に送り込んだ…などとは、今ここで、とても言えないなぁ～エラはそう思っている。なぜ見も知らぬ自分のことを、そこ…

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 104

「滝本は梢ちゃんが亡くなった時に、私にある提案をしたんだ」　思い切った口調で、老人は言う。「それは　なんですか？」真剣な面持ちで裕太は聞く。老人はじぃっと裕太…

おかえりなさい、シンデレラ 第9章 失った時を探して…2

　　もちろんエラには…おとぎ話の世界に、まだ未練があるわけではない。だが…このまま一生、ここで過ごすにしても…まだ十分な覚悟があるわけではないのだ。　何の準備…

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 103

　　老人は「うん」とうなづくと、「おそらくは　あの人は、滝本のことをひどくうらやんでいたんだと思うよ」そう言いながらも、なぜだかひどく疲れたような顔をした。「…

おかえりなさい、シンデレラ 第9章 　失った時を探して…１

「でも、本当に何にもないトコだよ」　　ダメ押しのように、タクトは言う。「いいから、ちゃっちゃと連れてってよ」渋るタクトに、たしなめるように、ユリカさんが言う。…

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 102

　　滝本のサクセスストーリーを放す間も、老人はさしてうらやむでもなく、また恨む様子もなく、ただ懐かしんでいるように見えた…さらには、自慢しているようでもあった…

ローズマリーの詩〈31〉 口をつぐんだ罪

　連載　 　ローズマリーの詩　 　31　口をつぐんだ罪破産して家の離れに間借りするおじと、出戻りの私。それぞれの愛の物語。アフリカに赴任する聡史の子を宿してしまった。迷った私は、千里さんの店を訪ねた。私の迷いを見抜いた千里さんが「変なこと考えてないでしょうね

おかえりなさい、シンデレラ 第8章 私を探して…15

「えっ？」　もう1度目を開けると、キコキコと、ブランコだけが揺れている。「えっ？えっ？」目を丸くして、、あわてて信子が首を動かして、先ほどまで乗っていた人の姿…

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 101

「いや、私も…スドーではないんだ」「えっ、どういうこと？」思わず裕太が、素っ頓狂な声を上げる。かくいう颯太だって、すべてを飲み込めたわけではないのだ。老人は「…

おかえりなさい、シンデレラ 第8章 私を探して…14

　　ということは…やはり（トンネルですれ違った）あの女の子が、シンデレラだったのか…もはや顔も覚えてはいない、謎の女の子のことを思い出すのだ。「あなたねぇ…い…

ピンちゃん〈7〉 金賞の報酬

「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何？」を、科学的、文学的、ときどき叙情的（？）に解き明かす恋愛論ブログです。

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 100

「でも…教頭先生のことは、知っていたんですか？」　不思議に思い、裕太は聞く。あの先生と老人では、あまりにも違い過ぎて、接点がなさそうなものだが、と意外に思う。…

おかえりなさい、シンデレラ 第8章 私を探して…13

　　その家には　白いポーチがあり、庭には　ブランコが木の幹にくくりつけられていた。小さな花壇には、バラの花やハーブが植わっている。信子は花が好きなので、花壇を…

宝の島を探しに行こう！（仮題）第8部　 99

（まさか　この人が…死神じゃあないよな？）　怯えた目で、颯太を横目で見ると、颯太は落ち着いた顔つきで、裕太を見返す。「まさか…」急に颯太は、何かひらめいたかの…

おかえりなさい、シンデレラ 第8章 私を探して…12

　　とはいえ、シンデレラに魔法をかけた張本人だとは、さすがに王子は知らない。そんなことはかまわずに、魔法使いのおばあさんは、ニコニコしながら近づいて、「あなた…

選り抜きストーリー ある日の善行さん 225 善行、一躍ヒーローに？

 こんばんは！暇人です。今日もとても気持ちのよい天気で…風は冷たいけれども、暖かい…そんな１日でした。三連休の初日。ダンナは機嫌がいい買い物に行く途中、灯油の…