【小説】「パスク、あの場所で待っている」第47話
「……ちっ!」隙を見つけ斬りつけたが、かわされた。一息つけて、一度間合いを空けた。「思ったよりやるっちゃ……」なかなか決め所が見つからず、お互い呼吸が荒くなった。しかし、なにかしら見つけないと、持久戦になってしまう。そうなると、残りの体力がどちらにあるか、駆け引きでもある。できれば、それは避けたい。ここまで逃げ回るのに、体力を使っている。向こうはそれまでにどれだけ使っているか……。計算が出来ない。呼吸を整えると、右足を蹴り出す。クイファも合わせて動く。相変わらず、力が拮抗している。更に力を込めるが、状況は変わらない。手段を変えて、斬りかかる。しかし、また避けられてしまう。体勢を崩したところへ、カウンターを狙って踏み込んできた。『間に合うか……』必死に体を戻し、愛剣で受け止めるとギリギリ回避した。「危なかった……...【小説】「パスク、あの場所で待っている」第47話