姫神の巫女二次創作小説「さくらんぼキッスは尊い」(四)
ここは一歩踏み入れれば、敵地であって戦場であって、負けることはできぬ場所。そう、断固として気を許してはならない。相手の懐に入ったら、油断させるのはこちらなのだ、しかし、だが、しかし…――。媛子のマイルームに招かれたときから、ずっとずっと媛子のターン。千華音はもうすでに媛子のペースに乗せられ放しなのだった。ここには、あまりにも媛子の生活の匂いがあふれている。ソファにも、布団にも、ぬいぐるみにも、タオルにも、借りた下着にも。さきほどの、のぼせあがる一時間にわたるバスタイムも。甘い少女の気配に酔いつぶれ、すぐに退きたくなるはずがあろうはずもない。浴室から出た千華音は、やはりと言えばやはり、脱がされたのと同じく、着つけもされたのだった。寝間着は着脱しやすいのか、浴衣みたいなものを着せてくれた。絣で通気性がいい。無地に近...姫神の巫女二次創作小説「さくらんぼキッスは尊い」(四)