個人的に読みたいこともあって、ホラーに関する記事を募集! 小説などの創作物、実話の語り、怪談、都市伝説、事故物件についてなど、ホラーに関することなら、なんでもOK! よろしくお願いします(^^)/
まずは、物事の始まりから7-2
まずは、物事の始まりから7-1
ファイナルファンタジーXIV Cクマと猫娘の大冒険 FF11コラボレイド第1弾「ジュノ:ザ・ファーストウォーク」で床ペロ祭り♪ 前編 °˖☆◝(⁰ω⁰)◜☆˖°
詩集に第29話「優しい世界」を公開しました
スイッチとかワニとか8
まずは、物事の始まりから6-2
詩集に第28話「俯瞰して見る」を公開しました
楽描き
詩集第27話「イチョウ並木道」を公開しました
まずは、物事の始まりから6-1
スイッチとかワニとか7
まずは、物事の始まりから5-3
詩集に第26話「シャッターチャンス」を公開しました
まずは、物事の始まりから5-2
粘土で人形作りです 9(造形用のスカルピー粘土で制作 ベアトリクス・アメルハウザーさん 前編)★ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~★ +α追加
白髪頭の監督は、お辞儀をするように下を向き、その顔を両手で隠した。 体が前へ傾いたことで、彼の座っていたパイプ椅子が、キィ……と小さな音を立てた。 静まり返った広い部屋に、その音だけが通って聞こえた。 数秒後に、ピタピタ、と、裸足の足音が近寄ってきた。 自分のすぐ正面で止まるのを、監督は闇の中で感じ取った。 両手をそっと顔から下ろして、目を開くと、白くて細い足が二本、きれいに揃っているのが見えた...
←前話 一本ダタラと兄妹二人で歩いていたはずなのに、森の奥に進むにつれて、ぽつりぽつりと数が増えてく。 赤く揺れる不定形の狐火たちが、どこからともなく飛んできて、君たちの後ろに続
高架下の水面(みなも)に、街灯の明かりが落ちて揺れていた。 淡いオレンジ色の光と、薄暗い夜の青さが入り混じる。 俯いた顔に冷たい風が吹きつける。 ほんのりと、潮の香りを運んでくる。 車のライトが背中で輝き、速いスピードで過ぎ去った。 毎日見ている。 足を止めて、橋の上から。 そこは、道路を仕切る白線の中。 深夜になると、交通も少ない。 誰にも入ってきてほしくないの。 ただ一人で、私は海を眺める...
大学の研究室で教授を務めていたしゅういちは、漢字で「周一」と書く。 同僚や教え子たちは、親しみを込めて「いち」を伸ばす発音にし、「シュー教授」と呼ぶことにしていた。 歳は四十過ぎ。毛量は多いけれど、白髪を染めないので老けて見える。 しかし性格は明るく、人当たりも優しかった。 生徒の勉強を、その子が解かるまで親身になって指導していた。 親身になり過ぎたのかもしれない……。 あとになって、シュー教授...
←前話 踏み込んだのは、分厚く枯れ葉が積もる道。 所々に積もった雪が、暗い世界に少しだけ光を贈ってきてくれる。それでも、この先深い森の道、重たい闇が滞ってた。 今の季節は冬の始まり。 終わ
フェリーに乗って30分、本土から16キロと、さほど離れていないその島は、観光地として人気があった。 島、といっても南の楽園ではなくて、船が上陸する港には、たしょう砂浜がある程度で、島を支える地面には、そのほとんどに硬い石畳が敷き詰められていた。 上に建つのは、中世の面影を残した建物。 太い木枠が入り交じり、みな同じような朱色の屋根に、白い壁。 花を飾った出窓に揺れる、レースのカーテン。 ドアには飾...
その時、少年はまだ言葉も知らぬ赤ちゃんだった。 母と、ベビーカーに乗せられて、連れ出された散歩の途中で、少年はあるものに目が釘付けとなった。 ベビーカーから見上げたその先に、くるくると回る円盤があった。 なぜ円盤があるのか、なぜくるくると回っているのか、しかし少年は0歳だったので、母親に尋ねようとしても、ただ「あー!」としか言えないのであった。 円盤は回る。 ただくるくると、その場で回り続ける...
「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。
「千華音ちゃん、あのね。わたしのこれまでのわがままなお願い、聞いてくれてありがとね」ううん、わがままなんて、そんな…。千華音が首を振る。そんな今更、お別れみたいなことを切り出すなんて。これまでのお付き合いの想い出をまとめて、片付けるような、そんな言葉を言わないで。私たちにはまだあるの、まだひと月はあるの。想い出はまだ生まれて、花ひらいて、また続いていくの。なのに――悲哀の帯びた目つきをしてしまう千華音。媛子は、先ほどから握りしめた巻貝を見せてくれたのだった。「巻貝ってね、種にもよるけれど、ほとんどが右巻きなんだよ。左右が鏡像でどちらも等しくあるって思われていたけれど、そうじゃないんだって。でね、千華音ちゃんがくれたのは、左巻きの貝。すごく珍しいものなんだよ」「そうなの…?媛子の髪の色に似てるから、きれいだと思っ...姫神の巫女二次創作小説「さくらんぼキッスは尊い」(十二)
ある日の放課後、わたる君は横断歩道の向こうから、一人のおじさんが歩いてきて、話しかけられた。「やぁ、やっと会えたな」「おじさんだれ?」 わたる君はおじさんの顔を見た。 どこか自分と似たような目をしている。「親戚の人?」「とりあえず止まって話さないか?」「えっ、横断歩道だよ。信号が赤に変わっちゃうよ」 わたる君が足を進めようとするが、おじさんはわたる君の腕を、がっしり掴んで放さなかった。「助けて...
かつてはこの国にも省略の美学というものがあった。 たとえば俳句。に限らず会話や文章、そして商品のネーミングに至るまで、語られていない行間にこそ価値がある。そこに粋を感じる悠長な時代がたしかにあったのだ。いやあったらしい。私はそんな時代は知らない。物心ついたときからすでに、省略は不誠実と見なされ罰せられる、何もかもが説明過多な時代がすっかり完成していたのだから。 もちろん説明過多というのは過去と比較しての話だ。この時代に生きる私たちはそれを説明過多と感じることはない。なぜならば目にするものも会話も文章も、すべてが常時説明過多であるからだ。 つまりそれはデフォルトであり標準仕様であって多いも少ない…
←前話 手を差し出されて握ってみたけど、感触は、紛うことなく骨のそれ。 ぎくしゃくと動く首の関節、風が抜けてく空洞の胸、目も鼻もない丸い顔。どんなに怖い骸骨だって、お兄さんとわかれば怖くな
美術部のあいちゃんは、ある日先生から、有名な画家の絵を見せられた。「この人はきみたちと同い年の青年だ。なのに、こんなにリアルな絵を描いている。参考にしなさい」 その画家の名前は、こうくんといった。 特に、人物画がうまかった。 今、個展を開いていて、世界中を回っているらしい。 もうすぐ日本にも来日する予定だった。 あいちゃんも会いに行こうと決めた。 ある日、TVの取材で、こうくんの新作が発表され...
媛子と千華音にあの運命の儀式が迫る!神無月の巫女のスピンオフ漫画版「姫神の巫女」『電撃マオウ』誌にて連載中!********姫神の巫女二次創作小説「さくらんぼキッスは尊い」第十二話:わたしはあなたの貝になりたいを更新しました。「貝殻ってね、耳に当てると懐かしい音がするの。たぶんね、言えなかった言葉を封じておくためのおまじないの道具なんだよ。ほら、聞こえない…?」――どんな運命にだって、神さまにだって負けっこない。ふたりのこころは繋がっているから。今度うまれかわったら、ただ、おなじものを笑って、泣いて、ありふれた時間を過ごすだけのふたりでいたいよ――。********御霊鎮めの儀を前に、お泊り経験もした媛子と千華音に訪れた、とあるささやかな異変。直筆サイン色紙応募を機に書いた、姫神の巫女二次創作小説第一弾。※二次...★姫神の巫女二次創作小説「さくらんぼキッスは尊い」第十二話更新(了)★
クリスの嬉しそうな声がする。 『ふふふっ、今日は特別にカナダから出れるぅ』 『え、そうなの?』 すると、クリスはとんでもない事を言ってきた。 『マサ。君の護衛として、我が国の国境隊が1個大隊護衛する』 『はあっ?』 『で、私も一緒にニューヨークへ行く』 すると、二人の疲れた声が聞こえてきた。 『もう、ほんとに大変だったんだから』と、デイブだ。 『クリスはね、本当にサド王様だよ...
今日も劇場の楽屋は誰得師匠のおかげでてんやわんやである。楽屋口から出たり入ったりしながら、トイレへ行った一瞬の隙に連れてきた鳩がいなくなったと誰得師匠が騒いでいる。担当の新人マネージャーを呼びつけては鳩の生態を語って聴かせ、劇場の女性スタッフを捕まえては鳩の餌代がいかに高くつくかを熱弁する。 三十分ほどスタッフ総出で探索させたのち、楽屋でのんびり煙草を吹かしている誰得師匠にマネージャーがおそるおそる声をかける。「すいません、まだ見つかってなくて……」 新人が怒鳴られるのを覚悟してほとんど目をつぶりながらそう言うと、誰得師匠は驚くべき返答をしれっと口にした。「ああ、鳩ならここにあったよ」 そして…
男が自転車を立ち漕ぎしている。 文字通り、サドルの上に立って。ペダルまでの距離は遠いが、いまは下り坂なので問題はない。上り坂が来ないことを祈るばかりだ。 やがてサドルの上に立って進む立ち漕ぎ男の脇を、座り漕ぎ男が追い抜いてゆく。座り漕ぎ男もまた文字通り、地面に座ったまま自転車を漕いでいる。もちろん尻は熱い。 と思いきや、ボトムスの尻部分には二個のローラーがついているので熱くない。なので正確に言えば二輪車ではなく四輪車と言うべきだ。尻ローラーがうなりを上げる。 そうなると次に現れるのはもちろん寝漕ぎ男だ。寝漕ぎ男は前輪と後輪のあいだに、あお向けに寝そべってペダルを漕いでいる。なので寝漕ぎ用自転車…
世間では時短ハラスメント、略して「ジタハラ」というものが流行っているようだが、わたしの職場では「ジダハラ」にすっかり迷惑している。 ジダハラの原因は、わたしと同じ職場で働く壇田踏彦という男である。踏彦はことあるごとに地団駄を踏む。その足音が、周囲をジリジリと苛つかせるのである。すでにおわかりだとは思うが、ジダハラとは「地団駄ハラスメント」の略である。 厄介なのは、われわれ地団駄を踏み慣れていない人間にとって、いまだ地団駄という行為が未知の領域であるということだ。地団駄とは本来、怒りや悔しさから踏むものと思われている。だが踏彦の様子を観察した結果、わたしを含む周囲の同僚らの見解では、それは地団駄…
「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。
写真に言葉を乗せた記事を書きたかったんだけど、外に出ても雪しか写せないのさ。もうね、降りすぎ。 今週はまだマシらしいけど、年末年始は再び寒波に襲ってくるんだそう。 これ以上降ったら、潰れる家
これはやばい。 今の内に、まだ理性が保っている間に行動しないと。 そう思った嘉男はベッドから降りながら声を掛けてくる。 「朝飯は簡単なのでも良いか?」 「は、はい、良いです」 え、作ってくれるのか、この人が? ぎゅるるるるる……。 またもや聞こえる、盛大な音が。 その音が聞こえたのだろう、今度はさっきよりも盛大な笑い声が聞こえてくる。 「わはははっ……。はいはい、そう急かすな。すぐ作って...
いつも同じ夢を見る。 女の子が話しかける。「あなたの寿命の一年を、私にくれると約束したら、好きなものをあなたにあげるわ」「あげるさ」 と、その男は言う。 どうせ夢の中の話だ。 現実には関係のないこと……。 翌日、男は好きなものを手に入れる。 そしてまた夢を見る。「今度は何くれる?」 男は女の子に、寿命を一年分ずつ渡しながら、欲しいものを手にする。 そのうち、夢の中の女の子が成長し、大きくなる。「...
工場の真ん中にテーブルがある。テーブルの端で男Aがキュウリに泥を塗っている。 その隣の男Bがたっぷり泥のついたキュウリを受け取ると、シンクへと走りそれを丁寧に洗う。男Bはそのキュウリを、シンク脇に引っかけてある泥まみれの布巾で拭く。キュウリは再びドロドロになるが、このドロドロは男Aがもたらしたドロドロとは何かが違う。何が違うのかは誰にもわからない。 ドロドロのキュウリを預かりに男Cがやってくる。男Cは男Aのいたテーブルに向かい、そこでやはりたっぷり泥を塗ってから、ドライヤーでカラカラに乾かしてゆく。最初は熱風、仕上げは冷風。乾ききった泥キュウリは、すっかり違う表情を見せる。 そこへ下駄を鳴らし…
シャツは、「自分はどうしてこんな人に着られているんだろう」と、納得がいきませんでした。 シャツは、ショーウィンドーのマネキンに着られているのが、一番でした。 華やいだ人通りから、たくさんの視線を集めていたのですから。 今、シャツは試着室にいます。 おばさんに着られて、鏡と向き合わされているのです。 ちょっと太いおばさんは、シャツのボタンを引きちぎりそうです。 シャツは、ショーウィンドーに早く帰...
張り込み刑事が今日も現場に張り込んでいる。 張り込み刑事は文字どおりの張り込み刑事であるから、張り込む以外の仕事は何もしないし教わってもいない。手錠の掛けかたすら知らないし、そもそもそんなもの所持してもいない。銃なんてもってのほかだ。それぞれ手錠刑事と発砲刑事に任せれば良い。 張り込み刑事は小腹が空いてきたので、差し入れ刑事に差し入れをお願いすることにした。差し入れ刑事はアンパン刑事からアンパンを、牛乳刑事から牛乳を独自ルートで入手し、電柱の陰から向かいのビルを見つめている張り込み刑事に渡す。 張り込み刑事はそれをいったん後輩の毒味刑事に食べさせ、念入りに無事を確認してから口にする。アンパンや…
恐竜の島に会いに行こう 宝の島続々編 第4章 ここから始まる…13
ジョーカーはどこだ?~よみがえる幻の城と魔界の使者…562
勤労、ご苦労様!お姫様とハッピーデート!キミをさがして…第4章 秘密のかくれんぼ…56
旅に行ってきました 備北エリア
恐竜の島に会いに行こう 宝の島続々編 第4章 ここから始まる…12
バスのケーキ屋さん
ジョーカーはどこだ?~よみがえる幻の城と魔界の使者…561
とりつかれちゃった?魔法の扉 第3章 信じる者は救われる?…16
恐竜の島に会いに行こう 宝の島続々編 第4章 ここから始まる…11
ジョーカーはどこだ?~よみがえる幻の城と魔界の使者…560
紅葉はこれからかな?御手洗さんのいうことには…187
河が走る街
恐竜の島に会いに行こう 宝の島続々編 第4章 ここから始まる…10
ジョーカーはどこだ?~よみがえる幻の城と魔界の使者…559
髪は女の命です?キミをさがして…第4章 秘密のかくれんぼ…55
この村ではなにもかもが無料である。一見そのように見える。本当にそうなのかもしれない。本当はそうなのかもしれない。ということは、そうじゃないのかもしれない。 朝から公園を散歩していた私は、喉が渇いてきたので自販機でジュースを購入しようと考える。ここでつい「購入」などと言ってしまうのは、前時代的な貨幣経済に毒された旧人類たる私の悪い癖だ。 ここではなにもかもが当たり前のように無料であり、自販機に並んだ十数個のボタンは、いずれも最初からここ押せワンワンとばかりにまばゆい光を放っている。そもそもコインの投入口など、どこにもありはしない。 早くも疲れを感じていた私は、選び放題の中から栄養ドリンクのボタン…
「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。
高度な文明の発達した星から、3人の宇宙人が地球に来た。 地球人は友好をはかるため、手厚くもてなすことにした。 まず、長旅で疲れていると思ったので、マッサージを受けさせた。 すると宇宙人はこう言った。「なんてことだ、凶暴な地球人め。こんなに体をつねられて、憤慨だ!」 今まで高度な星にいて、重力も軽いせいか、体が凝ることもなかったのだ。 次に、仕方がないのでお灸士に来てもらい、お灸で和んでもらおう...
「失礼しま~す!」 今日も失礼くんが、元気よく知らない家に上がりこんでゆく。もしもあなたが彼に失礼されたくないのなら、この時点で「失礼しないでください!」と即座に返答しなければならない。さもなくば、失礼くんはこのひとことが受け入れられたことによって、以後すべての失礼を許されたと解釈し、失礼の限りを尽くすことになる。この日も特に返事は聞こえなかった。 失礼くんは失礼な人なので、もちろんインターホンなど鳴らさないしノックなどするはずもない。とはいえ玄関の鍵さえ閉めておけば勝手に上がりこまれる心配もない……と言いたいところだが、失礼くんが上がりこむ家は、決まって玄関の鍵を掛ける習慣のない家と相場が決…
新人の宇宙警察官は、一台の宇宙船に乗って、宇宙をパトロール中だった。 彼はまだ新人なので、早く手柄を取りたいと常々思っていた。 近々昇級試験があると聞いていたが、いつのことになるか、まだ未定だった。 だから日頃から手を抜かずに、訓練しておかなければならない。 今日も自ら宇宙船に乗り込んで、危険な異物などないか、パトロールに精を出していたのだ。 宇宙には、地球から出たさまざまなゴミが漂っている。...
週が変わった翌週の火曜日の午後。 俺はスーツを着て履歴書を持参して、あるスポーツジムに入っていく。 人事担当と面接をして入社試験なるものも受けて、その場で即決された。 4月からの正社員としての雇用となった。 3月末までには住む所を決めて、4月には教えるようにと言われた。 夕方近くになり、スポーツジムの所長は人事担当者から報告を受けた。 「中高大では水泳バカと名が付くほどの有名人で、自分も知...
拓朗は少年で、少年は拓朗だった。テレビのニュースを観て犯罪に憧れた拓朗少年は、家の前でアイドリング中の見知らぬ車の助手席に乗り込むと、運転手にナイフを突きつけて言った。「おい、東京駅まで行け! 言う通りにしろ!」 不意の乗客に運転手は、思いのほか慣れた口調で言った。「あ、もちろん言う通りにしますよ。これ、見ての通りタクシーですから」 拓朗が影響を受けたニュースとは、バスジャック事件であった。本来は別の目的地に向かっているはずのものを、自分の思い通りの場所に向かわせる。こんなに格好いいことがあるだろうか。拓朗はそう思って、決死の行動に踏み切ったのだった。ところが運転手は、すんなり言う通りに連れて…
「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。
「今日も私は精一杯、力の限りハズけていたのだろうか? あるいは楽をして、中途半端に七割方ハズいたあたりで、満足してしまっていやしないだろうか?」 近ごろ私は、仕事を終えた帰りの電車内で、毎日そう考えている。それはもちろん、私が最近ハズキルーペを購入したからである。 しかしハズキルーペを所持しているからといって、何事をもハズけるとは限らない。無論ハズける確率はいくらか上がるのだが、やはり努力なしに何かをハズくことなどできやしない。 そもそもハズくということが、果たして良いことなのかどうか。そのレベルから考えぬ限り、ハズくという行為は命取りにすらなるのである。 私の中に「ハズく」という感覚が芽生え…
「とにかく儀式はきちんと進めてくれたまえ。勝つ者がいて、負ける者がいる。それが変わらない真実。勝って嬉しいのか、負けても素直にうけいれるのか、それは君ら次第。だけどね、島にはあの秘儀はなくてはならない。舞台の役者が臆病風に吹かれて逃げたんじゃ、観客は困るのさ。うるさい長老衆にせっつかれて困っているからね」スマホの画面をちらつかせながら、脅迫めかした口調で、御観留め役は念を押す。「御意」と手短に、渋みを利かした声で答える千華音。「謹んで、ご忠告痛み入ります」と、やや透き通った声でかしこまった媛子。両名ともしおらしくしているのは、このふたりだけの時間を壊されたくはないからだった。私たちには、あとひと月しかない。一秒だって惜しい、誰にも入り込まれたくはない。近江和双磨は、千華音が媛子の家へ親友面で出入りしているのを島...姫神の巫女二次創作小説「さくらんぼキッスは尊い」(十)
今日は晴れて我が校の卒業式であった。それはこのたび、晴れて卒業を迎えた私にとって忘れられぬ卒業式となった。忘れるほうが難しい、といったほうが正確かもしれない。 我が校の卒業式は、廃線となったかつての最寄り駅のホームを貸し切りにして行われる。だからといって、鉄道関係の専門学校というわけではない。すでになんの役にも立たない駅が依然として取り壊されず保存されているのは、我が校の卒業式のためであるという説もある。 ホームの端から端まで、パイプ椅子を二列にずらりと並べて卒業生が着席する。それを送る在校生のほうは、ホーム下の両脇を走る線路上から、ホームを見上げる形でのオールスタンディング形式となっており、…
いつもの道を、歩いていた。天井裏かもしれない。天井裏だとしたら、頭がつっかえるはずだがそんなことはなかった。ならばそれは駅へと向かういつもの道だ。 だけどねずみを見かけたような気がする。ねずみは天井裏にいるべきだ。いやどぶの中という可能性もある。なにしろどぶねずみというくらいだから。 じゃあどぶねずみ以外のねずみはいったいどこにいるのか。天井裏ねずみというのは聞いたことがない。必ずしも名前に住んでいるエリアを明記する必要もない。ねずみの話をしたいわけではない。むしろまったく興味はない。路傍にもねずみはいる。ならばやはりいつもの道か。 駅へと続く道。なぜ行き先を駅と言いきれるのか。山かもしれない…
おれは大きく息を吸い込み、潜った。 これはおれ自身の戦いだ。 もうこれ以上潜れないところまで、潜った。 こんなに潜ったのは初めてだ。 息が苦しい。 肺が圧迫され、頭に血の気が回ってくる。 く、くるしい……。 しかしやらねばならんのだ。 おれは負けない。 負けないぞ! このままの状態を維持することに、全神経を集中させた。 何秒耐えれるか、数を数える。 おお! 新記録だ!! ついにやった。 おれはや...
休日の朝、のっそりと起き出して「中身の乏しい冷蔵庫」を確認した「思い込みの激しい悦郎」は、とりあえず遅めの朝食をとるため、駅の向こうにある「注文の多い料理店」の「シェフの気まぐれが激しいランチ」をいただきに向かうことにした。 しかしいざ「遮断機の鋭利な踏切」を渡り、「注文の多い料理店」があるはずの一角へとたどり着いてみると、何度か訪れたことのある「注文の多い料理店」はどこにも見当たらなかった。「思い込みの激しい悦郎」は、どうやら勝手に店の場所を駅の向こうにあると思い込んでいたのである。 賢明にもそのことに気づいた「思い込みの激しい悦郎」は、再び「遮断機の鋭利な踏切」をスレスレのところで渡り、1…
ここは天国と地獄の狭間。 死んだ人間が天国へ行くか地獄へ行くか、生前の行いの善し悪しで、審判人に判断されるのだ。 どうやら俺は死んだらしい。 56歳という若さで死ぬなんて、俺にはまだやり残した仕事があるというのに、病気には勝てなかったか。 俺はある大きな企業の社長で、信用も厚かった。 しかしその分、多大な責任と負担がそこにはあった。 俺は皆のために、そして家族のために、必死で働いた。 無理をしす...
「おやおや、何を今更。怒るのはお門違いだよ。御観留め役は大蛇神さまの『目』だからね。御神巫女たちがお務めを果たすのかどうか監視するのは当然だよ。それとも、見られちゃマズいことでもあるのかなぁ?」そうだ、こいつは島から派遣された正式な監視者にして、儀式の執行役のひとり。見張っているのはおかしくはない。やめてくれとも言えない。しかし、こいつは今までふたりして一緒のときには、ついぞ現れることなどなかった。なぜ、今になって?まさか――予定が早まったのか?!「いつまで、おままごとを続けるつもりなのかと思ってね。どうせ、皇月の御神巫女は、そこの日乃宮の、少しでもその笑顔を見ていたいから、興味のあるふりをしていただけなのに」「それは、私たちふたりが取り決めたこと。御神巫女の儀式さえつつがなく行えば、それまでどう過ごすかは、個...姫神の巫女二次創作小説「さくらんぼキッスは尊い」(九)
とある休日の昼下がり、私は自宅で時間指定の宅配便を待っていた。指定した時刻は十四時~十六時。そしてラジオの時報が十四時を知らせた瞬間、早くも部屋のインターホンが鳴った。 こんなことは珍しい。こういうのはたいがい中途半端な、最も来られては都合の悪いタイミングで来ると相場が決まっている。たとえばちょうど開始時刻から四十分ほど過ぎてトイレに行きたくなり、さらにそこから十五分ほど我慢していま行くべきかまだ待つべきか大いに迷った挙げ句、我慢の限界が来て用を足しはじめたところで鳴ったりするものだ。 排便を途中で切りあげるほど難しいことはない。小ならば残尿感、大ならば残便感さらには拭き残しを抱えたまま玄関に…
大学受験当日の朝、満員電車から予定通りスムーズに脱出した嶋次郎は、受験会場である志望校へと続く坂道を歩いていた。右へ左へうねりながら延々と続くその登り坂は、まるでこの一年間の道のりのようだなと思いながら。 だが嶋次郎がこの道を辿るのは初めてではない。それは彼が浪人しているという意味ではなく、彼は何度もこの道を実際に通ったことがあるということだ。 嶋次郎は予行演習と称して、受験前に何度も志望校への道をその足で確認していた。もちろん当日と同じ時間帯の同じ電車に乗り、同じ道のりを歩いて。それが勉強をサボるちょうどいい理由になっていたことも否めないが、そこは「息抜き」と心の中で都合よく言い換えてみたり…
湖の女神が言った。 「あなたが湖に落としたのはこの金のオノですか? それとも銀のオノですか?」「金のオノです」「あなた、嘘をつきましたね。没収です」「けっ、このブース、バーカ」投稿者:クロノイチ...
国会に向かう総理大臣にマスコミが殺到した。「総理、このたびの一連の不祥事についてどう思われますか?」 総理大臣は無言で歩を進める。「総理には任命責任があるはずですが? 総理、何かおっしゃってください」「……」「自分が任命した大臣が収賄をやらかしたのに、ダンマリはないだろ。あんた、それでも総理か!」 総理大臣は立ち止まって言った。投稿者:クロノイチ...
近所のおじさんが散歩している姿を最近よく見かけるようになった。 平日の日中に出会ったこともある。 仕事、やめたんだろうか。 近所の事情通のおばさんに訊ねてみた。「あの人、会社クビになったわよ」「ええ! いい人なのに」「そう?」 どうやら見解に相違があるようだ。投稿者:クロノイチ...
今日は弟の高校の入学式だ。 講堂の保護者席は、あたしと一回り以上も歳の離れたオジサンやオバさんでぎっしりである。 まあ、高校生の親である以上、どんなに若くても三十歳は確実に越えているはずだから、当然といえば当然だ。 あたしのように姉が参列することなんて滅多にないだろう。 一応、あたしも薄いピンクのスーツとそれなりのメイクで、多少は大人っぽくなっているのだが、周囲から浮きまくっているのは間違いない。...
「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。
←前編 天の鳴動。 晴天から巨大で凜々しい龍が生まれる。力強い姿を視認した瞬間、私の相棒になるのだと直感した。 龍と目が合った。 「!」 頭の中に膨大な情報が注ぎ込まれてくる。 空
天災人災事件事故、何もかも自分が未然に防いだと言い張る彼女のことを、人は「未然ちゃん」と呼ぶ。ひょっとすると、世界は未然ちゃんのおかげでなんとかまわっているだけなのかもしれない。 三月の未然ちゃんは、とある高校の掲示板の前にいた。その日は入学試験の合格発表の日だった。未然ちゃんはまだ小学生であり、お兄さんもお姉さんもいない。 誰もが貼り出された番号の群れを見て一喜一憂していた。そんな中、手元の受験票と掲示板を七度見八度見しながら、涙を浮かべている少年がいた。誰が見ても落ちているのがわかる、痛々しい光景だった。 未然ちゃんは、少年のそばへつかつかと歩み寄り、上司のようにポンポンと少年の肩を叩いて…
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新世紀エヴァンゲリオンのLAS小説に関する記事をまとめたテーマです。 #LAS #ラブラブアスカシンジ #惣流・アスカ・ラングレー #式波・アスカ・ラングレー
シンガーソングライター伊東歌詞太郎さん関連のブログ。新曲、歌ってみた、歌い手、ロックスター、小説、エッセイ、イベント、ライブレポなどなど何でもOK
親鸞
▽思いを綴りました▽ 「真っ白な。。。花は。。。」 あらすじ この季節が あれから10年 この季節だけは想い出そう #東日本大震災 #NHK/リスペクト #花は咲くプロジェクト/リスペクト 『真っ白な。。。花は。。。』 あれから10年忘れてる毎日思い浮かび考えた泣いた水電気ガスは止まった真っ暗なコンビニで初めて見る光景に言葉がつまった →続く 続き→ https://t.co/6c8gVgn6fT https://t.co/GWBujSemwN #小説 #日記 #連載 #短編
▽思いを綴りました▽ 「真っ白な。。。花は。。。」 あらすじ この季節が あれから10年 この季節だけは想い出そう #東日本大震災 #NHK/リスペクト #花は咲くプロジェクト/リスペクト 『真っ白な。。。花は。。。』 あれから10年忘れてる毎日思い浮かび考えた泣いた水電気ガスは止まった真っ暗なコンビニで初めて見る光景に言葉がつまった →続く 続き→ https://t.co/6c8gVgn6fT https://t.co/GWBujSemwN #小説 #日記 #連載 #短編
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薄桜鬼の二次小説(BL、百合ネタは除く) 夢小説もどうぞです(*´ ∇`*)
「奇跡」を司るのが「神」 時間・空間・物質に「奇跡」が起きた。 生命は「奇跡」の連続 「大いなる意思」は「神の愛」 人間は皆、「神の子」です。
まどかが、今 夢中になっているドラマ・音楽番組。 そして、今 読んでいる小説などを 熱く語ります!