34丁目の奇跡 ヴァレンタイン・/感想・レビュー
ここ五十年ほど、クリスマスのことでは頭を痛めてきたんですよ。 人間は、人を出し抜くことばかり考えている。 もっと早く、もっとかっこよく、もっと楽に。そういうことで頭がいっぱいだ。 おかげで、クリスマスもわたしも、どんどん影が薄くなり・・・ クリスマスはカレンダーの日付とは別のものです。 クリスマスは〈心〉ですよ。 と彼、この物語の主人公のクリス・クリングルが言います。 クリス・クリングルという老人は、白いひげに赤い頬、立派な胴まわり、と外見がサンタクロースにそっくりな上に、このクリス・クリングルという名前はサンタクロースの別名なのです。 今はメイプルウッド老人ホームで暮らしているのですが、その…