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短編小説 THEME

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短編小説
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短編小説
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短編小説の記事

1件〜50件

  • 短篇小説「風が吹けば桶屋が儲かるチャレンジ route 1」
    2020/06/05 15:39
    短篇小説「風が吹けば桶屋が儲かるチャレンジ route 1」

    一陣の風が、吹いた。はたして桶屋は儲かるだろうか。 駅前の大通りを通り抜けた風が、路上に落ちていたコンビニ袋を舞い上げた。宙を舞ったコンビニ袋が、直進してきた八百屋の軽トラックのフロントガラスに貼りつき、その視界を奪う。八百屋の軽トラは急ブレーキを踏んだが、その急停止のせいで、後方から大型トラックに追突される。その衝撃で軽トラの荷台に積み込まれていたダンボールの蓋が次々と開き、大量のリンゴが路上へとばら撒かれた。 そこを通りかかった親切なお婆さんが、きんちゃく袋かららくらくホンを取り出しすぐに警察と救急車を呼んだ。お婆さんと集まってきた野次馬たちは、心配気に状況を見守りつつも、手持ち無沙汰から…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • 短篇小説「正論マン」
    2020/06/04 15:54
    短篇小説「正論マン」

    正論ばかり言う正論マンがセイロンティーを飲んでいる。これは駄洒落だが駄洒落こそが正論なのではと正論マンは最近思う。 たとえ言葉の響きだけであっても、一致している部分があるというのは間違いなく正しい。もしも正論マンがダージリンティーを飲んでいたら、「なぜセイロンティーじゃないんだ?」と言われてしまうことだろう。それは正論マンがセイロンティーを飲むのが正論だと皆が感じているからにほかならない。 正論マンは町のネジ工場に務めている。ある朝出社すると正論マンは部長に呼び出され、「いま開発中の新型ネジの進行状況はどうなってる?」と訊かれた。「僕はネジじゃないので、わかりません。ネジのことを知りたかったら…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • ショートショート「売らない師」
    2020/06/01 14:02
    ショートショート「売らない師」

    僕はその日も売らない師の店を訪れていた。 売らない師の店では、なんでも売っているがなんにも売っていない。食品もおもちゃも洋服もペットも電化製品も、その他なんだかわからないものまで扱っているが、この店で誰かがなにかを購入する場面を、僕はこれまで一度たりとも見たことがない。それどころか、買ったという話を聞いたことすらない。だからこそ彼女は、誰が呼んだか「売らない師」と呼ばれているのだ。 それでも僕がついつい売らない師の店に立ち寄ってしまうのは、もちろん置いてある商品がすこぶる魅力的であるから。この日も僕は、棚の隅っこにさりげなく置いてあった商品がどうしても欲しくなってしまった。丸っこくて柔らかくて…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • 小さなアパートで
    2020/05/31 13:14
    小さなアパートで

    挿話 D (Ⅱ) 山に囲まれた小さな町では、 職場のすぐ近くの 小さなアパートに引っ越した。 玄関を入ると、 すぐ台所。 台所の隅に、冷蔵庫。 その向かい側に洗濯機。 右手にユニットバス。 奥は8畳くらいの部屋がひとつ。 北向きの窓から、 職場が見えた。 机と椅子、本棚、 ...

    Minori

    輝く家路

  • 住宅の「庭」
    2020/05/31 13:14
    住宅の「庭」

    挿話 C (Ⅱ) 初任地の 海辺の小さな町の教員住宅には、 広い庭があった。 裏庭の真ん中には、 前任者が置いて行った 大きなコンポスト容器があり、 中から草が生えていた。 紫陽花の木がいくつか植えてあり、 季節には、たくさんの花が咲いた。 隅には茗荷が生えていた。 ガーデ...

    Minori

    輝く家路

  • 初めて訪れた日に
    2020/05/31 13:13
    初めて訪れた日に

    挿話 D(Ⅰ) 雪国の早春。 山々に囲まれた小さな町の中心を流れる川の面は、 乳白色の霧に包まれていた。 この町に引っ越して来て、最初の日曜日。 地図を片手に訪ねた教会は、 歴史を感じさせる、小さな木造の建物だった。 その年は、常駐の牧師が不在だったが、 その日は、1か月に...

    Minori

    輝く家路

  • 初任の地
    2020/05/31 13:13
    初任の地

    挿話 C(Ⅰ) 特急の右手の窓に、 寒々とした翡翠色の海が見え始めた。 私は22歳になったばかり。 紺色のスーツの上に、 紺色のオーバーコートを着て、 名前は知っているけれど、 まだ訪れたことはない 県境の町へと向かっていた。 その3日ほど前に、 学校長から電話があり、 初...

    Minori

    輝く家路

  • もしも、時計が左回りを始めたら?〈8〉 待ち伏せの放課後
    2020/05/30 21:11
    もしも、時計が左回りを始めたら?〈8〉 待ち伏せの放課後

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

    長住哲雄

    不純愛講座 by 長住哲雄

  • 短篇小説「机の上の空論城」
    2020/05/27 19:23
    短篇小説「机の上の空論城」

    いよいよ私はたどり着いた。旅の最終目的地である、この大いなる「空論城」へと。 門前から見上げると、「空論城」は四本の太い木の柱に支えられた巨大な板の上に、そう、まるで机の上に建っているように見えた。さすがはかの有名な言葉「机上の空論」の語源となった城である。それは土台となる机の上にその底面を接しているようでありながら、そこからやや浮遊しているような不安定さをも孕んでいた。 思えば長い旅路であった。そのはじまりには、私を呼び出した王様との口論があった。 たしかに世は乱れ、平和などすっかり遠い昔の夢物語のようであった。だが前回の凄惨な大戦からの教訓としてもたらされた非暴力の思想は、なおも崩れてはい…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第13話
    2020/05/25 22:15
  • もしも、時計が左回りを始めたら?〈7〉 その男、過去からの使者
    2020/05/24 15:29
    もしも、時計が左回りを始めたら?〈7〉 その男、過去からの使者

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

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  • 短篇小説「電動アシスト式告白機」
    2020/05/23 15:19
    短篇小説「電動アシスト式告白機」

    たいした脚力も必要なく坂道をすいすい登れる電動アシスト式自転車に驚いていたのも、今は昔。近ごろではすっかり、何から何まで電動の力を借りるようになった。箸の上げ下げに至るまで、今や電動アシストなしには考えられない。もはや人類そのものが、すでに「電動」であるといっても過言ではないのかもしれない。 電動アシスト式スニーカー、電動アシスト式マフラー、電動アシスト式カツラ、電動アシスト式たて笛、電動アシスト式入れ歯――人間のあらゆる部位に電動アシスト機能は役立っているが、ここへ来て人間の「部位」ではなく「行動」を、いわゆる「もの」ではなく「こと」をアシストする電動システムが発売される段階に至ったのは、進…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • 短篇小説「よろずサポートセンター」
    2020/05/20 18:12
    短篇小説「よろずサポートセンター」

    私は何か困ったことがあると、必ず「よろずサポートセンター」に相談することにしている。みんなもそうするといい。電話に出た「よろずサポーター」が、なんでも解決してくれる。本当に最高のサービスがここにある。その手段さえ問わなければ。 仕事から帰ってきて部屋の電球が切れていることに気づいたときも、私は即座に「よろずサポートセンター」に電話をかけた。すると電話に出たよろずサポーターの指示により、三十分もしないうちに一流テレビ局の照明スタッフ数名が駆けつけ、様々な角度から、夜が明けるまで私を激しく照らし続けてくれた。 おかげで私は一睡もできなかったが、初めて俳優のような気分を味わうことができた。替えの電球…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第12話
    2020/05/18 22:56
  • もしも、時計が左回りを始めたら?〈6〉 目の前の「開かずの扉」
    2020/05/16 23:11
    もしも、時計が左回りを始めたら?〈6〉 目の前の「開かずの扉」

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

    長住哲雄

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  • 短篇小説「抽選の多い料理店」
    2020/05/15 18:34
    短篇小説「抽選の多い料理店」

    近ごろ、美食家兼ギャンブル好きのあいだで評判のレストランがあるという。その店は、「抽選の多い料理店」と呼ばれている。「抽選の多い料理店」を訪れるには、まず抽選に当たらなければならない。なにしろ「抽選の多い料理店」なのだから、当然の話である。しかしこの入店権を得るまでの道のりも、やはりひと筋縄ではいかない。 この店の噂を耳にした人間は最初、必ずやインターネットの検索窓に「抽選の多い料理店」と入力して店のことを調べる。驚くべきことに、この段階で早くも抽選が行われているとも知らずに。 そこで表示された検索結果一覧に店側の用意した抽選ページが表示される人は、ごく少数に限られている。同じワードを入力した…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第11話
    2020/05/15 12:27
    ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第11話

    ジャンケンに負けた三四郎は…

    Tidax

    地獄の生活

  • 「Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ」パロディーSS 宮本英明様作
    2020/05/14 19:40
    「Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ」パロディーSS 宮本英明様作

    創作 オリジナル SS ショートショート 短編 パロディー キャラクター 小説 物語 短編小説 男の子 女の子 少年 少女 ノベル

    kao._.

    *創作の庭*

  • 短篇小説「親切な訪問者」
    2020/05/14 13:00
    短篇小説「親切な訪問者」

    とある休日の昼下がり、私は自宅で時間指定の宅配便を待っていた。指定した時刻は十四時~十六時。そしてラジオの時報が十四時を知らせた瞬間、早くも部屋のインターホンが鳴った。 こんなことは珍しい。こういうのはたいがい中途半端な、最も来られては都合の悪いタイミングで来ると相場が決まっている。たとえばちょうど開始時刻から四十分ほど過ぎてトイレに行きたくなり、さらにそこから十五分ほど我慢していま行くべきかまだ待つべきか大いに迷った挙げ句、我慢の限界が来て用を足しはじめたところで鳴ったりするものだ。 排便を途中で切りあげるほど難しいことはない。小ならば残尿感、大ならば残便感さらには拭き残しを抱えたまま玄関に…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第10話
    2020/05/12 22:07
  • 短篇小説「過言禁止法」〈改稿〉
    2020/05/12 01:19
    短篇小説「過言禁止法」〈改稿〉

    SNSの流行により日本語は乱れに乱れた。どう乱れたかといえば端的に言って万事表現がオーバーになった。 短文の中で自己表現をするとなれば、自然と過激な言葉に頼るようになる。さらには、ただ一方的に表現するだけでなく互いのリプライによる相乗効果も働くとなれば、言葉がなおさら過激化するのは必然であった。そこで日本語教育の行く末を憂う文科省が中心となり政府が打ち出した政策が、2020年夏より施行された「過言禁止法」である。 この法律により禁止されるのは、「事実とは異なる過剰な表現」ということになっている。なぜならば政府によれば、「言い過ぎている表現=過言」こそが人心を乱すデマの源泉であると目されているか…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • もしも、時計が左回りを始めたら?〈5〉 「過去」を運ぶタクシー
    2020/05/10 23:49
    もしも、時計が左回りを始めたら?〈5〉 「過去」を運ぶタクシー

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

    長住哲雄

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  • ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第9話
    2020/05/10 16:28
  • 短篇小説「桃太郎そのあとに〈童話後日譚〉」
    2020/05/09 13:46
    短篇小説「桃太郎そのあとに〈童話後日譚〉」

    かつてない鬼退治の大成功により、その中心人物である桃太郎の人気は爆発した。 民衆に甚大な被害をもたらしていることを認識していたにもかかわらず、その事実を隠蔽して鬼を放置し続けてきた時の政権はにわかに求心力を失い、鬼に苦しめられてきた人民の誰もが桃太郎政権の誕生を望んだ。それは民衆の自然な心の動きであった。 どこへ行っても街を歩けば行列ができるほどの握手攻めに遭い、その人気にすっかり気を良くした桃太郎は、やがて全国各地で一斉蜂起した民衆らの一揆勢力に担ぎあげられる形で、反政府運動の象徴となった。 各種動物をも戦力としてまとめあげたその無類のカリスマ性により、一般市民は武器の貧弱さをも乗り越える圧…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • 0コンマ4秒の線香花火
    2020/05/07 11:19
    0コンマ4秒の線香花火

    Blue あなたとわたしの本 235 「線香花火の国」に行ったことがあります。もう30年以上まえの話です。 それはただの線香花火ではなく、その花火たちは、0コンマ4秒しか発火することができないのです。そんな「線香花火の国」でした。 フード付きの白いマントの男性と並び、ガラスでできた高みにある部屋から僕は外を見ていた。僕たち以外、ほかには誰もいません。 純白の広大な敷地に、無数の線香花火が生えていました。火玉が上を向いたかたちです。閃光が確かにひらめいているのですが、0コンマ4秒のことです。見えるか見えないかの一瞬で燃え尽きてしまいます。火が消えてしまうとそれが下がり、同じ場所からまた伸びてきま…

    智(とも)

    Blue あなたとわたしの本

  • 短篇小説「豚に真珠そのあとに〈ことわざ後日譚〉」
    2020/05/06 18:26
    短篇小説「豚に真珠そのあとに〈ことわざ後日譚〉」

    豚は戸惑っていた。今朝、飼い主である王様から突然に、真珠の首飾りをかけられたからである。それはとてもキラキラと輝いていたが、残念ながら美味しそうには見えなかった。きっと口には入れないほうがいいだろう。 豚は最初、一部の凶暴な動物たちのように、いよいよ自分にも首輪をつけられたのかと考えた。しかし豚は王様に飼われている他の動物らと比べても、特に素行不良なところはないと自負していたし、なによりその首飾りは、頑丈というよりは繊細と表現すべき代物であるように見えた。豚の足でつけはずしなどしようものなら、一発ですべての真珠が四方八方へと弾け飛んでしまいそうだ。 しかし豚は王様に逆らうことに身の危険を感じて…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第8話
    2020/05/05 18:22
  • ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第7話
    2020/05/03 14:28
  • もしも時計が左回りを始めたら?〈4〉 会うはずのない人と
    2020/05/02 21:27
    もしも時計が左回りを始めたら?〈4〉 会うはずのない人と

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

    長住哲雄

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  • 短篇小説「犬も歩けば棒に当たる」〈ことものわざがたり〉
    2020/05/02 09:34
    短篇小説「犬も歩けば棒に当たる」〈ことものわざがたり〉

    これは紆余曲折を経て、最終的に犬が歩いて棒に当たるまでの話である。 犬が、歩いていた。あるいは、歩いている犬がいた。場所はどこにしようか。とりあえず街中にしてみようか。 犬の前にまず、電柱が現れる。これは棒と言えるだろうか。かなり長くて大きいが、棒とは言えるだろう。犬は後ろ右足を上げて、電柱に小便をひっかけた。 いつもそうしているのだから、これは当たる用の棒ではなく、小便をかける用の棒だ。もちろん犬にとっては、電気を各家庭へ供給するための棒などではない。もしも電柱に当たる犬がいるとしたら、すでに意識が朦朧としているか犬ではないかのどちらかだと思われる。 次に犬の前に現れるのは、道路側からの侵入…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第6話
    2020/04/30 21:58
  • 短篇小説「かつぎ屋」
    2020/04/30 18:31
    短篇小説「かつぎ屋」

    その日の私は、とてもかつぎたい気分だった。舌先三寸で難攻不落の某大手企業を口説き落とさなければならないという、かつてない大仕事が翌日に控えていたからだ。我が社の命運をかけた新商品のプレゼンを、私は任されていた。こんなときは何かしらかつがないことには、とてもやっていられない。誰だってそうだろう。 翌朝のプレゼン準備を完璧に整えた私は、しかしいまだ不安が拭えぬまま、仕事帰りに行きつけのかつぎ屋へと向かった。今日はいったい何をかつがせてくれるのだろうか。適切なものさえかつがせてもらえれば、何がどうなろうと次の日のプレゼンは上手くいくような気がした。逆に何もかつがないままでは、何をやってもうまくいかな…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第5話
    2020/04/27 22:06
  • 短篇小説「逆接さん」
    2020/04/27 18:06
    短篇小説「逆接さん」

    その魅力を語るには、どうしても逆接を用いずして表現できない女、それが「逆接さん」である。 逆接さんは魅力的な女性ではあるが美人ではない。身長は高くないが実際の身長を聞いてみると、それよりはだいぶ高いなと誰もが思う。性格は温厚だが激しい。時に温厚だったり時に激しかったりというのではなく、常時温厚で常時激しいのだからそうとしか言いようがない。梅干しは嫌いだが梅ガムを好んで食べる。 学生時代の逆接さんは、バレーボール部に所属していたがバレーボールが好きではなかった。しかしバレーボールは好きではないが、練習は好きだった。練習が好きなのにもかかわらず、雨で部活が中止になると誰よりも喜んだ。体育館の天井に…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • もしも時計が左回りを始めたら?〈3〉 ボクの手首の金色の輝き
    2020/04/26 14:43
    もしも時計が左回りを始めたら?〈3〉 ボクの手首の金色の輝き

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

    長住哲雄

    不純愛講座 by 長住哲雄

  • 短篇小説「桃太郎ネガ」
    2020/04/26 01:28
    短篇小説「桃太郎ネガ」

    むかしむかし、ある暗雲たちこめる鬱蒼とした僻地に、中二病のお爺さんと、実年齢よりもはるかに老けて見えるお婆さんがいました。 ある日、お爺さんは自殺の名所として有名な山へ柴刈りに、お婆さんは上流にある工場排水で汚染された川へ洗濯に行きました。 お婆さんが「どういうわけか、洗えば洗うほど、服が汚れていくような気がするねぇ」と思いながら洗濯をしていると、川上から「どんぶらこ、どんぶらこ」と、地獄の釜が煮えたぎるような音をたてて、大きな桃が流れてきました。「あんらまぁ、信じらんねぇくらい大きな桃だけんども、なんだかあちこち黒ずんどるわ。八百屋の店先で、だいぶいろんなお客さんに指で押されたのかねぇ」 お…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • ローズマリーの詩〈33〉 「七つの水仙」をもう一度
    2020/04/25 23:31
    ローズマリーの詩〈33〉 「七つの水仙」をもう一度

     連載   ローズマリーの詩   34 おじと聡史と私と彼女破産して家の離れに間借りするおじと、出戻りの私。それぞれの愛の物語。聡史との結婚を決意した私と家を出る決意を固めたおじ。しかし、結婚に反対する母は、なかなか聡史と会おうとしない。私は聡史を連れて、「

    TETSUO 長住

    「おとなの恋愛小説」倶楽部

  • 歴史チップス2019年11月号金品味
    2020/04/25 11:04
    歴史チップス2019年11月号金品味

    ━━━┃━┃━┃━━━━━━━━━━━━┃━┃━┃━━━★◇☆☆★◇☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆◇☆◇★◇☆☆◇★◇☆  〜 月刊・歴史チ...

    桜田史弥

    歴史チップス新聞「REXXXXXI(れきっっっっしー)」

  • ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第4話
    2020/04/24 20:36
  • 短篇小説「喩え刑事」
    2020/04/23 15:12
    短篇小説「喩え刑事」

    管轄内で立てこもり事件が発生したとの通報を受け、喩え刑事がパトカーで現場へ急行した。五十代の男が、別れた妻とその娘を人質に立てこもっているという。 喩え刑事は、助手席に乗るゆるふわパーマの新米刑事に言うでもなく呟いた。「いま俺たちは、まるで矢のように現場へ向かっているな」 新米刑事は、パトカーの形はそんなに矢のように尖っているわけでもないな、と思ったので何も考えずに生返事で済ませた。しかし喩え刑事は、「だろ?」と満足気な様子でアクセルを踏み込んだ。 二人の刑事は、まもなく住宅街の中心部にある現場に到着した。すでに盾を持った警官隊が、古ぼけた一戸建てをすっかり包囲していた。「ずいぶんと大袈裟だね…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • もしも時計が左回りを始めたら?〈2〉 時計職人の暗示
    2020/04/21 23:37
    もしも時計が左回りを始めたら?〈2〉 時計職人の暗示

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

    長住哲雄

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  • ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第3話
    2020/04/21 20:40
  • 短篇小説「人望くん」
    2020/04/21 16:26
    短篇小説「人望くん」

    どこの世界にも、いったいその人がなぜそんなに評価されているのか、その要因がどうにも思いあたらない人物というのがいる。イケメンでも演技派でもない大御所俳優。美人でも巨乳でもないグラビア女王。失言まみれ汚職まみれの大物政治家――。 挙げればキリがないが、考えてみれば小学生のころからそういう奴はいた。私は彼のことを、羨望と揶揄の念を込めて「人望くん」と呼んでいた。 人望くんは、とにかく先生に怒られなかった。私たち男子が休み時間のドッヂボールに夢中になりすぎて、校庭から教室に戻るのが遅れたときもそうだった。担任の中年男性教師は、教室の前扉の前に仁王立ちして僕らを待ち構え、遅れてきた生徒に次々と容赦ない…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第2話
    2020/04/19 18:36
  • ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第1話
    2020/04/18 17:39
  • ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~構想編
    2020/04/18 08:41
  • 短篇小説「某気茶屋」
    2020/04/15 19:11
    短篇小説「某気茶屋」

    そう、ここは繁華街にある居酒屋『某気茶屋』。今日も我が店は、あらゆる「気」にあふれている。 その原動力となっているのが、各店員がそれぞれに放っている「気分」である。我が店ではスタッフの個性を重視して、各人の胸の名札に、苗字とともに「その日はどんな気分であるか」を表記している。その日の気分によって、挨拶も必然的に変わる。 ここがもしも『やるき茶屋』であるならば、店員の気分にかかわらず、注文を承った際の挨拶は「はい、よろこんで~!」と相場が決まっている。しかし我が店のモットーは「正直接客」であり、店員の気持ちに嘘をつきたくはない。 店員だって人間である以上、やる気のないときだってあるし、好きでもな…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • もしも時計が左回りを始めたら?〈1〉 時間が反逆を始めた
    2020/04/14 23:08
    もしも時計が左回りを始めたら?〈1〉 時間が反逆を始めた

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

    長住哲雄

    不純愛講座 by 長住哲雄

  • 短篇小説「い・ら・な・いオートマティック」
    2020/04/13 20:30
    短篇小説「い・ら・な・いオートマティック」

    二十二世紀に入り、この世のあらゆるものが自動になったが、どこを自動化するかは個々人のセンス次第だ。 僕は毎朝八時に目を覚ます。もしも寝ぼけてスマホのアラームを止めてしまったとしても、まったく問題はない。五分後に再びアラームが鳴ったときには、スマホの時刻表示のほうが八時ちょうどに合わせてくれるからである。 もちろん世界の標準時までが僕に合わせてくれるわけではないので遅刻はするが、会社に到着するまで遅刻に気づかなくて済むというのは、無駄なドキドキがなくて良いものだ。 ようやくアラームに反応して目を開けると、その動きに連動して自動的にまつげが立ち上がる。同じく鼻毛も真っすぐに屹立して、僕は戦闘態勢に…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • 次の物語構想。案とか色々ー!
    2020/04/12 22:34
    次の物語構想。案とか色々ー!

    まだ諦めない創作活動!

    Tidax

    地獄の生活

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