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赤壁に龍は踊る 二章 その4 戸惑いの夜明け
赤壁に龍は踊る 二章 その3 眠りをやぶるもの
赤壁に龍は踊る 二章 その2 出立を前に
赤壁に龍は踊る 二章 その1 孫権と孔明
赤壁に龍は踊る 一章 その20 暗い密談
赤壁に龍は踊る 一章 その19 楽しい宴
赤壁に龍は踊る 一章 その18 兄弟の再会
赤壁に龍は踊る 一章 その17 思いがけない来客
赤壁に龍は踊る 一章 その16 敵対の予感
オオアラセイトウ(大紫羅欄花)別名ムラサキハナナ(紫花菜 )
赤壁に龍は踊る 一章 その15 周瑜の思惑
赤壁に龍は踊る 一章 その14 小覇王の想い出 その3
赤壁に龍は踊る 一章 その13 小覇王の想い出 その2
赤壁に龍は踊る 一章 その12 小覇王の想い出 その1
赤壁に龍は踊る 一章 その11 響いた太鼓
『この機体。ゼクドーガどころか、ジェガンにも勝るかもしれん。パイロットもできる…。』 フェードラを駆るダグザと共に、ガエルは袖付きの新型機と思われる、ザクに似たMSを相手にしていた。 性能面では、シルヴァ・クロスやフェードラには劣る。 が、連邦の主力量産機であるジェガンに、決して劣らない。 むしろ、勝っている部分もあるように思える。 『それ以上に面倒なのは…。』 4機を指揮していると思…
「そう。協力を取り付けたのね。よくやってくれたわ。アルベルト。ティーンエイジの多感な子供相手では、交渉が纏まるかどうか。自信がなかったから、助かったわ。」 「で、条件の方は?」 「子供の安全程度、どうとでもなる。その気なら、カレッジへの推薦と学費を出す程度は、造作もない事よ。今のCOOはコーエンと比べて、物分かりが良いもの。」 数日後、アルベルトはマーサへの定期連絡で、ユニコーンを駆る事の出来…
ベルカナガンダム(成長の意味を持つルーン) 型式番号:RX-94 全高:21m 重量:30t 全備重量:61t ジェネレータ出力:3040kw スラスター推進力:162800㎏ センサー有効半径:18000m 装甲材:ガンダリウムεコンポジット 武装:ビームライフル(出力8.5MW) ビームジュッテ(出力:0.5MW) 280㎜フォールディングバズーカⅡ シールド内蔵型127㎜…
「ご当主。お二方も、お急ぎください。」 三人の部下を指揮してカーディアス達を守りながら、ガエルは戦いを続ける。 テロリストと思われる部隊は、動きに鋭さがあり、元連邦軍対テロ特殊部隊の精鋭だったガエルは、只のテロリストではないと確信していた。 敵を倒しながら徐々に後退し、エレベーターに入ると、すぐに扉を閉めて下行のボタンを押す。 「済まない。巻き込んでしまったな。賊の狙いはまだ解らんが、私の…
アドミラル・ワッケインのブリーフィングルームで、ブライト、アムロ、カミーユは、ネェル・アーガマのオットーから送られてきた、戦闘記録を見ていた。 「とりあえず、感想を聞きたい。と言っても、聞くまでもないか…。」 ブライトは、腕を組んで唸った。 「凄まじいの、一言だな。キャスバルからデータを受け取っていたが、実際に見た方がどれほど凄いかが解る。」 「思考をダイレクトに伝える為に、新技術のサイコフ…
「これは…。」 屋敷の中の一室。 そこには、6枚で一つになっている、壮大で美しいタペストリーがあった。 そして、グランドピアノがある。 「貴婦人と一角獣。旧世紀の16世紀半ばに、当時フランスと呼ばれていた国のフランドルっていう地方で織られたタペストリーだよ。」 「詳しいのね。こういうの、好きなの?」 こういった物は、美術を専門に学んでいる学生やマニアが知っているものと思っていたが、普通の…
「そうか…。フル・フロンタルと…。」 キャスバルは執務室のデスクにある通信端末で、ブライトと連絡を取っていた。 「久しぶりに、信じられないものを見たよ。あの2人が束になっても、勝てないとはね。」 一年戦争、グリプス戦役、ネオ・ジオン抗争とアムロとカミーユの戦いぶりを見てきただけに、アムロとカミーユの実力を誰よりもよく知る人間の1人がブライトである。 ネオ・ジオン抗争で、ハマーン、マシュマー…
「モノケロスの改修。こんな時にか…。」 「何というか、変なタイミングですね…。」 既に専用のガンダムの設計図が送られ、建造が始まっている。 今更する必要が、あるのだろうか? アムロとカミーユは、首を傾げる。 「何でも、二人の脳波サンプリングが大きな目的らしいですね。ほら、モノケロスはサイコミュ兵装を積んでいませんから。それぞれに、製造段階で可能な限り最適化することが、狙いのようです。まあ、…
月面都市フォン・ブラウン。 ダ・カールに代わって、地球連邦首都となった都市の一角にある、一人の議員の邸宅。 そこに、キャスバルは居を構えている。 既に、寝静まった深夜。 タブレットに表示されているのは、TOP SECRETと一角に表示されている、MSの設計図だった。 「目を、悪くしますわよ。」 「ああ。すまない。」 キャスバルが室内照明のスイッチを付けると、ナナイはマグカップを置く…
ジェネレーター試験型ジェガン 型式番号:RGM-089XG 全高:20.4m 重量:22t 全備重量:48t ジェネレータ出力:2400kw スラスター推進力:64000kg センサー有効半径:15000m 装甲材:チタン合金セラミック複合材 武装 ビームライフル(出力:6MW) ビームバヨネット(出力:0.6MW) クレイバズーカ ジャベリンシールド連装ポッド×2 ハンドグレネード×6 頭…
トーマス・フィリップのカタパルトに、2機のMSが並ぶ。 ジェガンではあるが、各部が違っていた。 RGM-089DFR ジェガン強行偵察仕様。 頭部とバックパックを新造しているが、装備換装能力に長けたジェガンD型のバージョンの一つである。 偵察用のジェガンのバージョンとしては、同じD型のバージョンの一つである、RGM-89DEW EWACジェガンがあるが、暗礁宙域の様により危険な宙域での…
「ちっ!!」 コロニーの残骸の中で、1機のMSが必死に逃げていた。 RMS-106 ハイザック。 一年戦争終了後、連邦軍再建計画でアナハイム社との共同開発で生産された、MSである。 が、性能面では中途半端さが残る結果となり、ジェネレーターの出力不足から、ビーム兵器の運用はライフルかサーベルのどちらかとなり、新しい主力MSというには技術陣からは不満が残る形になったが、操縦性と生産性の良さか…
Sタイプ(Special mission Type) 型式番号:RST-93 全高:12.5m 重量:11t 全備重量:17t ジェネレータ出力:950kw スラスター推進力:24850kg センサー有効半径:9500m 装甲材:チタン合金セラミック複合材 武装:203mm低反動キャノン砲×2 肩部兵装は選択装備 ジャベリン肩部6連装ポッド 肩部グレネードランチャー …
モビルソルジャー(MSD:Mobile Soldier Device) 一年戦争時のア・バオア・クーでの最終局面、対要塞戦闘における内部での白兵戦。エコーズでの小型MS運用を解析し、プチモビルスーツをベースに開発された。 ノーマルスーツ用に搭載されているプラズマジェットエンジンを、高推力化して搭載。 従来は装甲車両に搭載していた各種兵装を搭載して、要衝の内部制圧を図る為に運用される。作業用プチ…
軍には通常戦力のほかに、特殊部隊が存在する。 連邦においても、それは存在する。 ティターンズとは無関係だが、ジオン残党狩りを任務とするエコーズがそれである。 キャスバルを中心に、ジオン残党を投降させて、連邦市民に帰属させる法制度が存在しても、必ずしもそれを受け入れる者達ばかりではない。 その際に、エコーズが投入される。 そして、今は、ある兵器の試験運用が行われていた。 クラップ級…
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【本】江國香織『がらくた』~あなたを所有したい。存在も不在もすべて。~
「艦隊。横列陣。ミサイル第一波。撃っ!戦闘ブリッジ開け。MS隊、第一波発進用意。」 旗艦であるアドミラル・ワッケインを中心に艦列を整えた、ロンド・ベル第一戦隊が、資源衛星「メサビ」に対し、ミサイルを一斉に発射する。 内部深くに掘り進めた空洞があり岩石その物を装甲としているので、そう簡単には攻略できない。 メサビの各所に仮設した、砲台の大半が破壊されていた。 攻撃の第一波は、成功する。 …
アムロ・レイ ロンド・ベル隊MS部隊隊長。31歳。 宇宙世紀0064年11月4日産まれ。 ネオジオン戦役での功績で、後に中佐に昇進。 ベルトーチカと結婚し、現在は5歳になる長男アロイスと3歳になる次男アレクシィの二児の父親。 連邦最強と誰もが認める、百戦錬磨のパイロット。 イニシャルを馬の意匠と組み合わせたパーソナルマークが描かれた、モノケロスを駆る。 カミーユ・ビダン ロンド・ベル隊MS…
ゼク・ドーガ 型式番号:AMS-126 全高:18.5m 重量:27t 全備重量:57.7t ジェネレータ出力:2140kw スラスター推進力:64800kg センサー有効半径:14000m 装甲材:チタン合金セラミック複合材 武装:グレネード一体型ビームマシンガン(出力:5MW) (モデル:HK416+M320) ハンドグレネード×2(モデル:M24投擲グレネード) シュツ…
アドミラル・ワッケイン級超弩級機動戦艦 全長:520m 全高:64m 全幅:220m 嘗ての第三艦隊司令である、W・ワッケイン司令の名を艦名とするアドミラル・ワッケイン級のネームシップ。 設計は、ヴィックウェリントン社とアナハイムエレクトロニクスフォン・ブラウン工場の艦船設計部門が共同で行い、建造ドックは拡張工事を終えたヴィックウェリントン社第4ドックを使用。 最新鋭MSと独自の行動権を与え…
モノケロス 型式番号:MSN-093X 全高:18.5m 重量:25.7 全備重量:55.7t ジェネレータ出力:2990kw スラスター推進力:92000kg センサー有効半径:18000m 装甲材:ガンダリウムコンポジット 武装 ビームライフル(出力:6MW) クレイバズーカⅡ 頭部57mmバルカン砲×2 腕部連装グレネードランチャー×2 ビームサーベル(出力:0.7MW)×2 シールド内…
サイド6とサイド7の中間にある、巨大な暗礁宙域。 通称アプス。 シュメール神話においては淡水の源であり、原初の混沌ともされていることから、この広大な暗礁宙域の名となった。 そのサイド6よりの地点で、小規模ながら、戦闘が行われていた。 片方は、袖付きの主力量産MSである、ゼクドーガ1個中隊。 が、細部は通常のゼクドーガとは違い、性能も向上している。 それを相手にしているからか、数も…
ロンデニオン。 サイド1の中でも最古参に入るコロニー周辺の宙域で、哨戒任務にあたる通常より小ぶりのMS、Zガンダムの系譜に連なると解るMS。 そして、見慣れないMSが一機行動していた。 小ぶりのMSは、RRT-94 Rタイプ。 海軍戦略研究所(S.N.R.I.: Strategic Naval Research Institute)。 通称サナリィの小型MS理論の実証機という側面があ…
いつの時代でも朝は来る。 幸せな時代。 不幸な時代。 変わりなく、公平に。 それをどう捉えるか。 それは、生きとし生けるものに委ねられる。 その日の朝は、どのような朝だっただろう? 老人は、ベッドから朝日を見てた。 その体には、数本のチューブから薬剤が点滴され。 その他に、医療機器らしい機械から、チューブやコードが伸びている。 老人の顔には、深い皴が刻まれていて、数十年を…
《 23 》「関谷さん。お休みのところすみません」右京を連れて再び三階に上がり、なんどか関谷夫妻の部屋をノックしてみたものの、応答はなかった。「やっぱり、もう眠っちゃったのかな……」困ったように右京を振り返ると、黙って部屋の中の様子を窺っていた右京、ふと何かに気づいたように無言のまま扉に手を伸ばした。「あ、待ってよ……」小次郎、あわてて右京を止めようとしたけれど「!」キイと音をたててあっけなく扉が開き、小...
アニメ神の団体戦決勝の経緯からシスコとクミチョーのCP沼にどっぷりハマってしまいました。この二人、ちょいちょい絡んでいて、なかなかいいコンビ。もっとも、CPというより相棒・バディ感が強いのですが、そんな彼らの話を連載形式で書こうかなと。ほぼアニメに沿った内容で、第一話の今回はさほど腐っておりませんが、次からはもう少しCPっぽさを出したいと思いつつ…… 第一話 初めて得たもの シスコ・カーライルにとって、フリー・デラホーヤは常に「目前に立ちはだかる敵」だった。ライバルではない、敵だ。共に相手の実力を認め、切磋琢磨していく関係ではないからライバルとは呼ばない。フリーがこのクラブ・BCソルで、ライバ…
周囲が騒がしくなり、凍っていた時間がゆるやかに流れはじめる。「行きましょう。星子ちゃん……」春之介君がそっと声をかけたけれど、星子さんは圭一くんに寄り添ったまま、動こうとはしなかった。「私……まだ、ここにいたい」「星子ちゃん……。でもね」「圭一さんと、一緒にいたいの。これでもう会えなくなるなんて……そんなの嫌よ!」今まで、たくさんの事件に遭遇してきた星子さんだ、ここで離れれば、もう二度と圭一君と対面する機...
先に公開したSS・G-Ver.のシュウバルCP版、すなわちC-Ver.の第一話です。アニメ時々原作に沿った内容ですが【腐】要素が入り込んでの拡大解釈、いつの間にやらラブストーリーになっていますので御了承ください。今回の内容はアニメ無印の範囲で、第二話はアニメ神と続き、トータルでは中~長編の長さになる予定です。そんなに続けられるのか? 頑張ります…… G-Ver.は三人称で書きましたが、今回はシュウ視点の一人称にトライしました。じつは二次創作での一人称は初めてなんですよ。三人称よりも一人称で書かないと、シュウの心情を描き切るのは難しいと判断したからなんですが、果たしてどこまで描けるのか……こんな…
※ベイバ神の51話(最終話)後半に於いて、シュウの心情をもっと詳しく描写し、そこに原作45話(コミックス10巻収録)の話を絡めた内容、いわば自分が観たかったパターンの「脚本」のようなSSを書いてみました。要は原作とアニメを辿っただけのチンケな代物ですが、ゴールドアイは大会に参加していたので、代わりにシルバーアイを捏造しています。御了承ください。 蒼井バルトの劇的な優勝で幕を閉じたゴッドブレーダーズカップ、閉会式が終わっても人々の興奮は冷めやらず、敷地内のあちらこちらで延々とお祭り騒ぎが続いており、それは会場の隣の建物内に設けられた選手控え室でも同様だった。腕に怪我を負った自分を気遣い、その代わ…
*被害者は小綺麗なマンションの一室で息絶えていた。直接の死因は扼殺だが、被害者の身体には性的暴行の他にも無数の防御創や打撲が残り、おそらく絶命の瞬間まで意識を失うことさえ許されなかったのだろう……見開いたままの瞳には壮絶な恐怖が張り付いていた。「ひでぇな」本庁へ戻る車でひとりごちると、助手席からいつになく荒れた声が返ってきた。「ああ。完全に愉しんでやがる……」吐き棄てるような口調は、旅先でみせる陽気で...
「おつかれさん」資料室に入ると、聞き慣れた、けれど少しだけ懐かしい声がオレを出迎えた。資料室のモニターを占拠して、借りだしてきた大量の東京駅の監視カメラの映像を眺めている人物に返事を返す。「あんたもな。今日はもういいんじゃないのか。休暇中だろ」それもはるばるニューヨークからの一時帰国だ。「さっさと星子さん誘ってデートでもどこでも行ってろよ」「誘いましたとも。でも本日は残念ながらリツコさんと先約があ...
A5ou6heuresdusoirkenshi―周太24歳3月末第86話建巳act.8another,sidestory「陽はまた昇る」桜の窓かすかに甘い、ほろ苦い。午後、陽だまり明るい僕の部屋。「は…」息ついて、肩の力そっと消える。脱いだスーツかすかな風ゆらす、カーテン揺らせて春が匂う。もう3月が終わる、そうして酣になる春の窓辺、周太は微笑んだ。「春だね…」カーテンゆらす窓、ガラスひらいて桜ほころぶ。紅い葉やわらかな山桜、この桜を父は愛していた。『紅い葉と白い花が清々しいだろ?山だともっときれいで…春の山はきれいなんだ、』幼い日、口ずさむような幸せな声。想うだけで幸せだと瞳は微笑んでいた、あの眼差しが愛した場所に自分も行く。「山はひとりだと僕には難しいけど…ね、お父さん?」山桜に微笑んで、窓かちり錠を閉じる。...第86話建巳act.8another,sidestory「陽はまた昇る」
*「ゆっくりあたたまれた?」「え、ええ……」部屋付きの半露天風呂から……そんなものがあるのなら、最初から二人でそっちに入ればよかったじゃないかって?……それをOKしてくれる星子さんなら苦労はしてないんだっつうの!トホッ。ま、それはともかく。上がってきた星子さんは、まだどことなく居心地悪そうにソファの端っこに腰をおろした。「無事で良かった。それにしても星子さんも無鉄砲だよなぁ。あんな暗い山道で出くわすのが三...
*ああ、まったく!あのじゃじゃ馬ムスメめ!僕は湯上がりの浴衣に丹前を引っかけると、あわててスイートルームを飛び出した。久しぶりにとれた連休中の休暇、(案の定)ひとり旅に出ようとしていた星子さんを、このところ話題の彗星観賞に誘って八ヶ岳のホテルまでやってきたところまでは良かったんだ。彗星が空に昇ってくるのは明け方近くということで、まずはゆっくり温泉にでも入ろうとふたりで男女別の大浴場に出掛けることにし...
『だから言っただろ、おまえにはオレが必要なのさ。オレが欲しくてたまらないんだ、離れられるわけがない』 くわえタバコのまま、勝ち誇ったようなその顔が、わかったふうな、上から目線な物言いがいちいち癇に障る。ブン殴ってやりたいが、腕力では負けるのがオチなので『口撃』で対抗だ。 『うるせーよ! おまえなんかいなくたってな、オレにはバスケがあるんだ。オレの前からとっとと消え失せろ』 『ほう。はたしてそうかな?』 『ンだとコラァ、鉄男! てめぇ……ぇぇっ?』 ふと気づくと暗がりの中、寝惚けまなこに映るのは黄緑色にぼんやりと光る数字。 「はあ、四時半だと? 何だよ、まだ二時間もあるじゃねえか。ったく、こんな…
タカオさんへ あなたにとって何度目かの母の日がやってきましたね。今年もお花をありがとう。 あなたたち兄弟は二人とも私の期待以上に、立派に成長してくれました。私がいなくても、と思うと少し寂しい気もしますが、喜ぶべきなんでしょうね。 でも本当は……入学式も、遠足や運動会のお弁当作りも、音楽会のビデオ録画も、もうすぐ迎える卒業式も、何ひとつ出来なくて。これから先に控える受験にも力になれない身が悔しくて悲しい。あなたの合格を、卒業を、就職、結婚、すべてを一緒にお祝いしたかった。本当はあなたの傍で、ずっとずっと、あなたを見守っていたかった。 タカオさん、また世界チャンピオンを目指しているようですね。どん…
※今回の投稿においての書き下ろし作です。原作(RISING)の現在の展開を元にしていますが、途中の記述にアニメGレボが混在しています。御承知おきください。 第二回ベイブレード世界選手権(G・B・CⅡ)開催記念 ― ぱぁーっと騒ごうぜ! オレたちの前夜祭 ― G・B・CⅡのファーストステージがいよいよ開幕、各地区の予選を勝ち抜いてきたブレーダーたちがロシア連邦モスクワの地に集結した。 今日の予定は開会式のみ、それも終了したとあって緊張している者はそれほどおらず、関係者に用意された宿泊先のひとつである、モスクワでも高級とされるホテルのロビーに於いては久しぶりの再会に、旧交を温める場面がそこかしこに…
※ドラマCDを収録するカイタカ、Twitterに投稿したSSとイラストです。 発売元:火渡エンタープライズメディア統括部 個人的な範囲(〇〇るなど)を超える使用目的で複製すること及びネットワーク等を通じてこのCDに収録された音を送信できる状態にすることは著作権法で禁じられています。 爆ベイ版BLドラマCD 「激ラブ♥RISING」収録風景―都内某スタジオ―木ノ宮タカオ(T)「……何この、なめくさったタイトル。どういうドラマ?」ディレクター(D)「えー、それではお二人とも、スタンバイよろしくお願いしまーす」T「えっ、もう始めるの? この台本、さっき渡されたばっかりなんだけど……あの、下読みっつー…
《 22 》割れた窓に板を打ち付け、飛び散ったガラスや小枝を物置に運び終えてロビーに戻ってきた小次郎、首をかしげた。……あれ?みんな、どこいっちゃったんだ……?それぞれの客室をノックしたり、地下室もひととおり探してみたが、宙太やタケルをはじめ、星子や早乙女先生の姿も見えない。さっきまであれだけ大騒ぎだったのに、全員が全員、すでにお部屋でぐっすり、というのも考えづらい。そういえば、マサル兄ィがいないっていっ...
DANCING IN THE DARK いつもの街角を曲がると、薄ぼんやりした光景の中にブロンズ色の扉が浮かび上がる。バー、『CORCOVADO』は今夜も静かに佇んでいた。 オレンジ色に照らされた店内、低く流れるジャズは愛を歌い上げる男性ヴォーカルのナンバーだ。一度でいいからそんなふうに言ってもらいたかったと思いつつジャケットを脱ぎ、ネクタイも外して指定席に座る。 カクテルを注文するより先に、馴染みのバーテンダーが「今日はお誕生日だそうですね、おめでとうございます」と話しかけてきた。 そうだ、今日、三月二十一日は自身の誕生日じゃないか。忙し過ぎて、そんなことも忘れていたのかと苦笑する。「でも、…
※この作品は「織姫と彦星」というお題をいただいてTwitter上にUPしたショートストーリーです。 — 催涙雨 — 「星、キレイだなぁ~」 遠くの山々を臨む大きな窓から夜空を見上げ、唐突に呟く木ノ宮タカオに、火渡カイは「また始まった」とばかりに、肩をすくめた。 ベイブレード世界大会も歴史を積み重ね、参加者の増加と年齢層の幅が広がるにつれて、これまでのジュニアクラスだけでなくシニアクラスや、ジュニアから細分化したティーンズクラスという大会も催されるようになった。対象者は十五歳から二十歳まで。つまり高校生から大学生ぐらいの年齢の者に参加資格がある。 かつてのジュニア大会の覇者も高校に進学したが、そ…
第四章 火渡邸での豪勢な生活は庶民出身のタカオにとって驚きの連続だったが、それにも慣れてくると今度は暇を持て余すようになった。 お屋敷あるあるの倣いで、火渡家も何名もの使用人を抱えているため、料理、洗濯、掃除——家事と呼ばれる作業のほとんどは彼ら、彼女らの手で行われる。主婦業をやる機会がないから、専業主婦ですらない。 当初は物珍しさも手伝って、オーディオルームで映画を鑑賞したが、ガラではないのですぐに飽きた。あとはトレーニングルームでストレッチしてみたり、そこに設置されたスタジアムでベイを回したりする以外に建物内での暇潰しの手段がなく、買い物にも興味がないので外出といえば、たまにキョウジュとラ…
第三章 六月、大安吉日。 梅雨入りしてはいるが、今日は気持ちのいい快晴である。オレの行いがいいお陰だと、タカオは自慢げに言った。 数時間後、ホテルのチャペルで、挙式は厳かに進行していた。そこには気難しい表情の火渡宗一郎の姿もあったが、美咲がどうやって義父を説得したのかは、定かではない。妻の隣で進は始終笑顔だった。 タカオをエスコートするのは、この日のために帰国した父・木ノ宮龍也で、感慨深げな顔をしている。花嫁の晴れ姿を天国の母親にも見せてやりたかったと思っているのだろう。紋付袴姿の龍之介は早くも号泣し、仁に宥められていた。「永遠の愛を誓いますか?」——ドラマの中でしか見たことのない場面に今、自…
第二章 なかなか寝付けず、その反動で朝寝坊をしてしまったタカオは仁に揺り起こされて、ようやく目を覚ました。「タカオ、カイから電話が入ったぞ」「えっ?」「何度メッセージを送っても返事がこないからって、固定の方にかけたらしいけど」 慌ててスマホを見る。今日の午後一時頃に、こちらに来るという内容だった。「一時って……げっ、あと三十分!」 急いで身支度を済ませようとするが、クローゼットを開けて、さて何を着ていけばいいのかと迷う自分に、タカオは戸惑った。 外へ出かける時、大抵はいつものTシャツにいつものベスト、あるいは赤いGジャンとジーンズ、ファッションに気を遣った試しなどなかったのに、新しいシャツを着…
第一章 三月。金曜日の昼下がり。 帰宅した木ノ宮タカオはストライプ柄のネクタイを緩めると、祖父が営む剣道道場の縁側にドサッと倒れ込んだ。菜種梅雨には早いが、気温はすっかり春のようだ。「……っくしょー、ちくしょー!」 またしても「お祈り」されてしまった。いや、正式な「お祈りメール」は届いていないけれど、あの様子では不採用に決まっている。 やっとの思いで、幹部との三次面接までこぎ着けたのに、最後の最後でダメ出しを食らうなんて。考えただけでも腹が立つ、ここまでに費やした時間を返して欲しい。「振り出しに戻るかよ、クソッ。もう、やってらんねーよ」 訪問した会社への愚痴を呪文のように唱えていると、「おやお…
第三章「怪我はもういいのか?」「ああ。リハビリも昨日で終わった」「それじゃあ、思いっきりバトルできるな。よかった、よかった」 そう言って微笑みかけると、カイはわずかに照れたような素振りで、草叢に身体を預けた。並んで座っていたタカオも同じように、その場に寝転がる。 見上げた空はどこまでも青く、雲はのんびりと浮かんでいる。数ヶ月ほど前には街が壊滅状態にあったなんて信じられないほどに平和だ。 河原に建てられた、戦後のバラック小屋のようなBBA本部前ではマックスたちが子供らにベイの指導をしているが、その場をこっそりと抜けて、ここの丘までやって来た。二人きりになりたかったからだ。「全治三週間だっけ? え…
第二章 決勝戦が始まった。Fサングレを下したBBA対ネオボーグ、因縁の対決だと、あらゆるメディアや人々が騒ぐ中、タカオの心は不思議なほどに静まり返っていた。「いよいよ、だな」 少し前の自分なら、心のどこかにわだかまりをくすぶらせていたかもしれないけれど、今はもう、何の迷いもない。己のすべてをこの時に賭けるだけだ。 ユーリ対大地の第一試合が引き分けになり、勝負は第二試合で決まることになった。 スタジアムの前にゆっくりと進む。目の前に現れたのは傷だらけになったカイだった。既に一試合終えたタカオと同じ条件にしたいと、彼はネオボーグのチームメイト、セルゲイ・ボリス両名とのバトルをこなしていた。そこまで…
第一章 その日、あいつは突然やって来た── 一昨年、初めて行なわれたベイブレードの世界大会最終決戦、ロシアでの対ボーグ戦を終えて日本に戻ってから、音信不通になっていた火渡カイが何の連絡もなしに突然、木ノ宮タカオの元を訪れたのは、いつもより汗ばむ陽気の初夏だった。「おまえのバカ面が懐かしくなってな」 日頃は無口で無愛想だが、たまに辛辣な言葉をサラリと口にする。そんな物言いにもすっかり慣れたタカオは腹を立てるよりも久しぶりに会えた嬉しさが先に立ち、先程彼を自宅に招き入れたのだ。「あれから何していたんだよ? そうそう、オレらはさぁ……」 どこかの国の民族衣裳のような服を纏った少年・オズマに出会ったこ…
*「蛍沢温泉?」電話の向こうから、ゲンジロウの怪訝そうな声が伝わってきた。「あのおんぼろ温泉やろ?コンダクターやってたときにすんごい廃墟温泉があるいうて行ったことあるけどな……少し前、とうとう廃業したて聞いたような……」「は?……だってお前、ついこの間、あそこのボロ宿屋でバイトしてただろ?」「いや……実はワイ、この一年くらいミナミのレストランでシェフやらせてもろててん。お陰さんでなかなか繁盛しててな、この...
お久しぶりの肝だめし温泉。例によってあんなところでw長く空いてしまったので、最後までアップしました。 7 * 「なにす………っ………!」 宙太が意外に着痩せするタイプなのは知っていたけれど、目の前で交差する宙太の腕は、予想以上にがっしりとして逞しい。 背中にピッタリと密着する宙太の胸の筋肉だけでもドキドキが止まらないのに、はち切れそうな上腕を顔を挟むように前に回されると抗議どころか呼吸も忘れてしまいそうになる。...
第四章 G・B・C大会が始まって6日目、第3回戦。この国でもベイブレード人気は高く、試合会場は既にたくさんの観客で埋まっている。 各チームに個別に与えられている選手控室から会場への細い通路を行く、レイ率いるバイフーチームの前に、シャレたスーツ姿に黒いサングラスをかけた男が立っていた。「コン・レイさんですね?」 突然声をかけられて戸惑うレイ、返事ができないままの彼を見て、男はおもむろにサングラスをはずして言った。「ボクですよ、憶えていらっしゃいませんか?」「お、おまえは……ゼオ?」 緑の長い髪は以前と同じだが、すっかり大人びて、美少年ぶりにますます磨きをかけた彼に、レイは目を丸くして、相手を穴の…
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親鸞
▽思いを綴りました▽ 「真っ白な。。。花は。。。」 あらすじ この季節が あれから10年 この季節だけは想い出そう #東日本大震災 #NHK/リスペクト #花は咲くプロジェクト/リスペクト 『真っ白な。。。花は。。。』 あれから10年忘れてる毎日思い浮かび考えた泣いた水電気ガスは止まった真っ暗なコンビニで初めて見る光景に言葉がつまった →続く 続き→ https://t.co/6c8gVgn6fT https://t.co/GWBujSemwN #小説 #日記 #連載 #短編
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「奇跡」を司るのが「神」 時間・空間・物質に「奇跡」が起きた。 生命は「奇跡」の連続 「大いなる意思」は「神の愛」 人間は皆、「神の子」です。
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