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オリジナル小説発表

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オリジナル小説発表
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ジャンル不問、オリジナル小説の発表場所です。オリジナル小説の記事を書いた時はぜひ、TBお願いします。 -------------- ご参加ありがとうございます! 当テーマに送信していただける記事の基準はこちらです。 【受付できる記事】 ○小説記事  ○小説の更新お知らせ記事、目次・解説記事 △性描写のある小説 → 目立つ所に性描写があることの断り書き、対象年齢表示あればOK 【お断りする記事】 ×小説以外(日記、評論など)がメインの記事 ×性描写があるのに何の断り書きもない小説 ×犯罪奨励、詐欺アダルト宗教、そのほか不法行為や勧誘に関わるブログの記事 ×二次小説 (二次小説とは…他人の創作物を使った小説のこと。古典のリメイクも不可)※オリジナルの歴史時代物は歓迎します うるさくてすいません。どうかご協力お願いします。 わからないことあれば管理人ブログ「ガイドライン」へ。
テーマ投稿数
34,755件
参加メンバー
894人

オリジナル小説発表の記事

2020年09月 (1件〜50件)

  • #アナログイラスト
  • #自然の美しさ
  • 2020/09/30 18:47
    KANATA 7

    彼が側にいる。 それは、彼を見送ってから、 これまでの私も、度々感じてきたことだった。 例えば、泣いている時や、寂しい時には、いつでも、彼の温もりに似たふわりとしたものが側にあった。 彼が最後に話してくれた言葉を反芻する。 あれは、やはり、彼だったのだろうか。 なんの根拠もないその気配に、 彼だという証拠を見つけることが出来ずにいたけれど、彼の言葉を思い返してみれば、 あの気配は、彼だということになるのではないか。 明日、それについて聞いてみようと決めて眠りに就いたけれど、翌日の話題は、別な方向へと流れてしまった。 『ねぇ、ところでさ、 どうして通話の最後に、 いつも、愛してるって言ってくれる…

  • 2020/09/30 15:25
    短篇小説「品書きのエモい料理店」

    誰もがグルメグルメとほざく昨今、私はいよいよ通常の美味いだけの料理では飽き足らなくなってしまった。料理とは、ただ物理的に美味いだけで良いのだろうか。演奏の上手いだけの音楽が味気ないように、美味いだけの料理というのもまた、文字どおり味気ないものだ。 私は心を揺さぶるエモーショナルな音楽が好きだ。ならば同じく感情に訴えかける、エモい料理というものがどこかにあるのではないか。そんな疑問を持ちはじめた矢先のことだった。近所に新しい料理店がオープンするというチラシが、ポストに投げ込まれていたのは。 私はオープン初日の開店時間に合わせて、その店を訪れた。なぜならばそのチラシには、「あなたの心に、届けたい料…

  • 2020/09/29 18:55
    KANATA 6

    『・・・うん。長い間、ひとりにして、悪かった。』 「え?急に、どうしたの?」 一緒に笑っていた彼は、急に真面目な顔をして、本当は、ずっと一緒にいたかったことや、この世を去らなければならない理由があったことを話してくれた。 『俺は、どう頑張っても、あの日が、最後の日だったんだ。なんて説明したらいいか分からないけれど、 お前が知ってる言葉で言うなら、運命だった。でも、ありがとう。 あの子を立派に育ててくれたんだね。』 彼が亡くなってから、自分が生きているのか、死んでいるのか、 分からない日々を過ごしたこともあった。 これまでのことを振り返りながら、 なんだか、涙が止まらないままに、私は、首を横に振…

  • 2020/09/28 23:03
  • 2020/09/28 20:25
    KANATA 5

    翌朝は、いつもよりも早くに目が覚めた。昨日のことを思い出す。あれは夢だったのだろうか。彼の、また明日の声が鮮明に蘇る。 「夢・・・だったの?」 慌てて飛び起きて、携帯電話の画面を確認してみると、 やはり、ロックを解除した右下には、【KANATA】のアプリが入っている。アプリの右上に1の数字がついている。アプリをタップしてみれば、メッセージが表示された。 『今夜、8時に話そう』 これは、彼からのメッセージだ。あれは、夢ではなかったのだ。何処か遠い場所にいる彼が、私にメッセージを送ってくれた。 「あなた・・・」 胸の奥が、ほんの少し擽ったくて、 なんだかニヤけてしまうような、こんな気持ちを、なんて…

  • 2020/09/28 13:34
    不思議の穴のアリス〈7〉 最後の穴の白い誘惑

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

  • 2020/09/27 19:09
    KANATA 4

    「え?」 画面を凝視したまま、動くことが出来なかったのは、 これが写真ではないと分かったからだ。 何故なら、彼の背景に映るものが、動いている。 見たこともない花が揺れ、彼の後ろを、 ゆっくりと馬が歩いて行ったのが見えた。 瞬きをすることも忘れて、食い入るように画面を見つめていると、彼は、柔らかく微笑み、こちらに手を振った。 そうして、画面の向こう側から、私の名前を呼ぶ声が聞こえた。 開いた口が塞がらない。とは、このことだろう。 あまりの驚きに、返事も出来ないでいると、画面の向こう側から、更に声が聞こえた。『元気だった?』 「・・・あなた・・・」漸く、それだけを呟くと、その後に続いたのは、涙だっ…

  • 2020/09/27 10:36
    避難用シェルター

      お金持ちのゴールドさんは、いざという時のために、避難用シェルターを購入しておこうと思いました。 どんな災害が起こっても、命を守れる、性能のよいものです。 そこで、シェルターや地下室など開発している会社へ直々に向かいました。 若い営業マンがスーツを着て、商品の展示室へ案内してくれました。 そこには数々の長方形のハコが置いてありました。 研究員らしき白衣の男がゴールドさんに近づいて、ハコについて教...

  • 2020/09/26 23:00
    KANATA 3

    翌日も、いつも通りに、目が覚めた。 「おはよう。」まずは、夫の遺影に、朝の挨拶をするのは、 あの頃から、ずっと何年も欠かしたことのない私の朝の習慣だ。 それから、お化粧をして、身なりを整える。これも、若い頃から変わらない私の習慣。 年を重ねれば、老化はするが、努力を怠ってはならない。夫の年齢を超えた頃から、この想いが強くなったのは、年を取らなくなってしまった夫への、私なりの愛情表現なのかも知れない。 その割には、例えば立ち上がる時には、どっこいしょなどと、いつの頃からか、 こんな言葉が口をついて出るようになってしまった。 近所の友人4人で、お茶を飲んだのは、昨日のことだ。 どっこいしょよっこい…

  • 2020/09/26 09:33
    最短記録

     「お集まりの皆様、こんにちは。今回は、全世界の各代表者が、お互い競い合うシステムで賞金を勝ち取る、というルールでございます」 司会者のような男が、一本のマイクを持って告げた。 彼を囲むように、世界中から集まった、さまざまな人種の者たちが、輪になって座っていた。「まずは、日本からお越しのタロウさん」 と司会者が言って、タロウと呼ばれた男にマイクを渡した。 タロウは椅子から立ち上がり、マイクで話し始...

  • ブログみる案件きた!ブログリーダー - くろのお金ブログ
  • 2020/09/25 23:50
    【小説】「パスク、あの場所で待っている」第41話

    「お前の負けだよ」剣先をタトリーニに向けて言い放った。「くそっ……」背後に刺さる己の剣を見て、気を落としていた。「師匠がアレだから、勝てると思ったが……」「アレと一緒にするな!」最後になっても、嫌なことをいうやつだ。「しかし、今回は調子がいいという、噂は聞くがな」オレにとってはどうでもいい情報。会う気も無いから、当たらないように避けている。タトリーニは、自身の剣を取りに起き上がった。ふらつきながらも拾い上げる様を見届けると、オレも鞘にしまった。「じゃあな。もう会わないかも知れないが」「……ああ」こちらに手を振ると、よほどショックだったのか、そのまま森の奥へ消えていった。勝ったのに思い出したくないアレの話題を出され、苛立ちが募り、気分が悪かった。タトリーニもいなくなったので、改めて自分専用の湯治場へ向かった。荒ら...【小説】「パスク、あの場所で待っている」第41話

  • 2020/09/24 12:08
    KANATA 2

    亡き夫に手紙を書き始めてから、もう、何年が経っただろう。 夫が亡くなってから、2年が経とうとする頃から、数十年、私はこうして、 夫への手紙を書いては、インターネットに掲載し続けてきた。 きっと、空の彼方にいる夫の元へ、この手紙が届きますように。そんな願いを込めて。 夫が亡くなったのは、あの子・・・夫との間に生まれた息子が、 中学1年生に上がった最初の夏休みのことだった。 あれから、大変なことも、苦労したことも、たくさんあったけれど、あの子が成長していく姿を見守るのは、本当に楽しかった。 いつの頃からか、夢を持ったあの子は、 そこへ真っ直ぐに向かって歩むようになり、自分の夢を叶え、今では、夫の年…

  • 2020/09/24 11:27
    事実は小説より奇なり 第12話「ゴキブリの水中脱出マジック」(笑)

    特撮で有名な円谷プロの元スタッフのブログです。面白くてためになる「小説」や「お話」「詩」をお届けします。【通常ブログ画面】 からお入り下さい。

  • 2020/09/23 19:36
    KANATA 1

    あなたへ あなたを見送ってから、 これまでの日々のことを振り返っていました。 あの日から、私の歩むスピードは、随分と、ゆっくりでしたが、幸せのカケラを、ひとつ、ひとつ拾い集めながら、自分のペースで歩んできました。 あなたが此処にいてくれたら そんなふうに、たくさん泣いたけれど、楽しかった時間も、笑った時間も、たくさんありました。 あの頃、12歳だったあの子も、今は、立派に大人になり、夢を叶え、自分の居場所を見つけました。 時々、顔を出してくれるあの子は、いつでも幸せそうで、あの子の笑顔を見る度に、私まで、幸せな気持ちになります。あの子が幸せで、本当に良かった。 先日、あの子は、おじいちゃんにな…

  • 2020/09/23 01:46
  • 2020/09/22 23:05
    不思議の穴のアリス〈6〉 姉のバイト

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

  • 2020/09/22 10:29
    医者のしたこと

      宇宙飛行士たちはスペースシャトルに、この世で最も優秀な医師を、ともに連れてゆくことにした。 どんな病気も治せるという、知識の深い医者だ。 そこで、候補の中から選び抜かれた一人の医師がいた。 若いし体も丈夫な男だった。 この男はまず、宇宙の環境に耐えぬく訓練を受けた。 そしてそれ以外にも、通信の手段や、さまざまなシャトル内の対応方法を学んだ。 宇宙飛行士たちは、彼となら、と安心して宇宙へ飛び立つ...

  • 2020/09/22 09:56
  • 2020/09/21 09:18
    地底探索団

     「わー!」「うわーいたい」「重い、足踏んでるよ!」「あ、ごめん」「いったい何が起こったんだ? 突然真っ暗になるなんて」「どうやら、地面が落っこちたらしい」「そんなぁ。ここはオレたちの敷地内だぞ」「そうだけど、もしかしたら他のグループも、この陣地に攻め込んできているかもしれないっていうことだ」「こんな立派な落とし穴作って!」「オレたちより腕は上だ。油断するな」「よし、こんなところにいてもしょうがな...

  • 2020/09/21 09:14
    ダイヤモンドマン

      大富豪の自己満足で、全身ダイヤでできた人形が作られました。 身長1メートルほどです。 ダイヤモンドマンと呼ばれ、大富豪は常に持ち歩きました。 ダイヤモンドマンは精妙に作られていて、心を持ち合わせていましたので、自分を大切にしてくれる大富豪のことを大好きになりました。 ある時、ダイヤモンドマンが自分があまりにも輝いていて眩しいので、大富豪の側でご主人の顔を見つめておりますと、大富豪はそれに気づい...

  • 2020/09/20 19:19
    小説 新宿仮面舞踏会 リニューアルしました

     世間は連休に入っておりますが、皆様に置かれましてはいかがお過ごしでしょうか。  さて、私のサイト「想像者の書庫」に掲載していた小説「新宿仮面舞踏会」ですが、小説家になろうサイトに場所を変えまして、「白と灰色(ブラン・エ・グリ)~新宿仮面舞踏会」という名前でリニューアル掲載致しました。  何しろ初めてサイトにアップしたのが10年以上も前ですから、読み返してみるとあちこち文章や設定が稚拙なのが見…

  • 2020/09/20 12:10
    ローズマリーの詩〈37〉 若い旅立ちと老いた再会

     連載   ローズマリーの詩   37 小さな宴の陰で…破産して家の離れに間借りするおじと、出戻りの私。それぞれの愛の物語。エジプトに赴任が決まった聡史と私は、結婚式を挙げ、小さな宴を挙げることになった。聡史が赴任中、私は、千里さんの部屋で子育てしながら彼の

  • 2020/09/20 09:15
    最有力候補

     「今回、全世界中で、お米に合うものは何か、という議論が起きました。最も自分が合うと立候補される皆さんは、前へ進み出てください」 裁判官のような、低い声が言いました。 するとすぐあとから「それはわたしだ」とか「いや、おれだ」という勢いのある声が飛び交いました。「まぁ、静粛に」 と裁判官は落ち着いて言います。「まず、一人ずつ、自信がある者から前へどうぞ」「ではわたくしが」 真っ赤な顔のうめぼしでした...

  • 2020/09/19 09:42
    おまめのぼうけん

      おまめは大きな木の下で生まれました。 まだ芽が出ないうちに、もっと景色のいいところへ根付くことに決めましたので、転がりながら移動をし始めました。 草むらに入ったところで、水溜りにはまりました。「ああ、もう風が吹くまで出られないぞ」 とおまめはしくしく泣きました。 そよ風じゃおまめの体を転がせません。 もっと強い突風でもない限りは。 さて、おまめは水溜りの中でしばらく泣いて待っておりますと、水溜...

  • 2020/09/18 14:58
    「盆かか=交歓」の夜、妙に何が起こったのか?

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

  • #SF小説
  • 2020/09/18 10:29
    ぺんぺんとらっかせい

     「やあ! ペンギン」「あぁ、らっかせいくんか」「きみ、ペンギンのぺんぺんくんでしょー?」「そうだよ。ぼくはぺんぺんくんだよ。きみは?」「ぼくは、らっかせいのらっかせいさ」「うん、そうだね。ところで、何か用なの?」「ううん。もうさむくなったから、きみが現れると思ってね。待ってただけさ」「そう、ぼく、さむくなったら出番がくるんだよ。それまでは、氷のあるところにいるんだけどね」「もう出ていいんだろ? ...

  • 2020/09/17 21:07
    子供の惑星

    流れ着いた小さな島、椰子の木がぽつんと塩風にそよいでいる。 砂浜は陶器のように白く、そしてどこか温かい色を持つ。 辺りは海に囲まれていて、それ以外はなにもない、あってはならない。 私が目を覚ました時、まず海の香りが鼻に付いた。 ずぶ濡れの体を起こすと、空は夏のように青く、海はどこまでも続いている。 ここに私一人、立ち尽くす。世間や社会から離れて、私はどこへ来たのだろうか。 そよ風が体を包む、揺れる椰子の葉。 陽射しを見上げると、陽光を透過する私の体。 雲一つ持たない空に漂う、誰かの願いが灯る鳥。 黄金のラムネを売る、無人の屋台。 冷えたラムネを手に取り、火照った体を潤す炭酸。 汗が頬を伝わる、…

  • 2020/09/14 13:24
    不思議の穴のアリス〈5〉 彼女を指名する客

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

  • 2020/09/11 22:10
  • 2020/09/08 23:25
    不思議の穴のアリス〈4〉 穴越しの口の愛撫

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

  • 2020/09/05 22:33
    私がいない世界 【1】

    ご臨終です その言葉を合図に 彼らは たくさんの涙を流した まだ温もりが残っているであろう手を握り まだ血色の良い頬に触れ まるで その感覚を体に刻みつけるかのように 彼らは私の肉体から手を離そうとはしなかった そんな2人の側で 私はただ 彼らを見つめた ここは 私がいなくなった世界 //

  • 2020/09/04 23:55
    【小説】「パスク、あの場所で待っている」第40話

    剣が交わると、再び打ち合いとなる。「そのうち、楽に終わらせてやる」「その自信が過信だったことを、思い知らせてやるよ」平坦な場所に移ってからは、攻勢を強めてきたタトリーニ。「さっきは、よくも恥ざらしにしたな!」ああ、風呂での一件か。滑稽で楽しめたがな。一気に間合いを詰められ、息もつかせぬ攻撃が続く。オレも対応するが、さっきより早い。「やっぱり抑えていたか……」「ああ、お前を確実に捉えるためだ!」斜面の時より一段と増してきている。相当、恨んでやがる。尚も手を休めることなく、攻勢を強めて意気揚々となってきた。むかつくほどに。「パスク、お前の弱点は分かっている」「ああ?どういう意味だよ」「焦らなくても、今に教えてやる」タトリーニは更なるギア上げをして、スピードが増してきた。荒波のスピードで、確かにこれは早い。一瞬のスキ...【小説】「パスク、あの場所で待っている」第40話

  • 2020/09/04 14:45
  • 2020/09/02 23:09
    不思議の穴のアリス〈3〉 新人・カエデのせつないあえぎ

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

  • 2020/09/01 23:44
    古の砲弾

    かつてこの地で、かの惑星による大戦があったらしい。 ぼくは今、火星の荒野に立ち尽くしている。赤く焦げ茶の大地には、ごろりと石が転がり、目の前には大きく城壁のような砦が構えている。その城壁を囲むように配置されている、見たこともない大きな戦車。その有様は、「グスタフ」といわれている巨大列車砲のようだ。そいつが幾つもあり、どれも破壊されている。見るもの全てが大きく、ぼくは圧倒されている。 あの城壁の向こうになにがあるのかは、誰も見たことがないらしい。いわゆる「世界の秘密がある」という人もいるけれど、ぼくはもっと単純的なものだと思う。ぼくの仲間は全員、この地に眠っている。指揮官を看取る時、一枚のメモを…

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