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短編小説よりさらに短いショートショートを発表してください。1,000文字から2,000文字以下で、1つのエントリーで完結して読めるようなものをお願いします。
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1,860件
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144人

ショートショートの記事

2019年08月 (1件〜50件)

  • #プチプラージュSETAGAYA
  • #自作小説
  • 2019/08/23 15:41
    キネったな

    おはようウルカ。 キネクルという物質がある。 キネクルは特定の金属を含んだ石を特殊な方法で発酵させることによって作られる。 この物質は人間の触覚、素手を通して体内に取り込む事が出来る。 体内に取り込まれと、大脳新皮質の働きを鈍くすることで、感情や衝動、食欲、性欲などの本能的な部分を司る大脳の古い皮質(旧皮質や辺縁系)の働きが活発になり、精神が高揚する。 摂取方法は簡単で、キネクルが含まれた物体を手で撫でればよい。 歴史は古く、紀元前4,000年頃にはメソポタミア地方のシュメール人が既に撫でていたといわれている。 日本には西暦694年頃に大陸から伝わったとされており、冰(ひょう)という和名で広く…

  • 2019/08/23 15:40
    ごっこ

    おはようウルカ。 どちらまで? おまかせします。 え? 行き先はおまかせします。 お客さん、こまりますよ、僕の仕事はお客さんの行きたい場所へ、お客さんを安全にお連れすることです。 行き先を言ってもらわなくては、出発できませんよ。 そうですか、それでは志野公園の滑り台までおねがいします。 かしこまりました。 シートベルトをおしめ下さい。 私はタクシーごっこが苦手だ。 満足気にハンドルを握るジェスチャーをするタカシは私と肩を並べて歩道を歩いている。 ランドセルの留め具が外れているのか、歩く度にカタカタと嫌な音がする。 タクシーごっこが苦手というよりも、タクシーごっこにおける客の役が苦手なのである。…

  • 2019/08/23 15:40
    ズレ、ささやか

    おはようウルカ。 ホームに電車が滑り込んできた。 俺は電車に乗り込む。 朝、誰もが先を急ぐ時間帯では、乗っている時間が倍となってしまう各駅停車電車を選ぶ人間は少ない。 ゲロ空きである。 俺はのんびりと席に座って、えっちらおっちらと進む鈍行列車が線路を踏む感触を楽しみに、出発を待っている。 俺は人気がなくて良いものが好きだな。 良いものは大抵人気がある。 皆が良いと思うからこそ、それは良いものとなる。 良いものであるからこそ、皆が良いと思う。 人気があるものは良いもの。 これは大変見分けやすい目印であり、手っ取り早く良いものに辿り着きたければ、人気を辿ればいい。 自分は他人とは違うなどと他人と同…

  • 2019/08/23 15:40
    馴染まないさがし

    こんにちはウルカ。 いつものように自転車で駅に向かう。 今日も暑くなりそうだ。 交差点で信号待ちをする。 角のたばこ屋のおばあちゃんは今日も和かだな。 軽く会釈をすると、おばあちゃんはにこにこと手に持ったスマートフォンを俺に見せた。 最近はお年寄りもスマートフォンを使っているのか、などと感心していると信号が青に変わった。 そういえば、あのたばこ屋、3年前に閉店したんじゃなかったっけ…覚え違いかな。 駅前のコンビニに寄ると、見かけたことのない店員がぎこちなく接客をしている。 トレーニング中かな。 いや、この前もあの店員だったかもしれない。 早く仕事に慣れるといいな。 頑張れ店員。 電車に乗り込む…

  • 2019/08/23 15:40
    イケダーヌ

    おはようウルカ。 ガラガラと室外機が不調をうったえている。 大抵、室外機の悲鳴は当の住人には届かず、隣人からの苦情として間接的に伝えられる。 僕はインターホンを押した。 応答はない。 室内には灯りがついており、歩き回る音も聞こえる。 控えめにドアをノックする。 夜分遅くにすみません、隣の佐々木です。 池田さん、いらっしゃいますか? もう一度インターホンを押してみる。 ガチャガチャとロックを外す音がして、乱雑にドアが開いた。 はい? 池田さんは40代前後の女性で、というか、おそらく本当は男性なのだが、表向きは女性ということにしているようなので、僕は僕のなかの素直な気持ちを麻痺させて、池田さんは女…

  • 2019/08/21 17:00
    他人の気持ちがわかる全裸カップル

    おはようウルカ。 あなたの気持ちがわからないわ。 今では死語となったこのフレーズ。 フィーリング・コピー・アンド・ペースト・メーカー(FCAPM)を生後3週間以内に心に埋め込む施術を義務付けられている現代の人間は、他人の気持ちがわからない気持ちがわからない。 フィーリング・コピー・アンド・ペースト・メーカー(FCAPM)とは、他人の気持ちを自動でコピペして共有する人工読心機器である。 オフにする機構は無く、生命が停止するまで稼働を続ける。 この法案が施行された2033年以降、争いごとや犯罪は格段に減少した。 他人の気持ちを隅々まで知る事ができ、他人に気持ちを隅々まで見透かされるという状況に置か…

  • 2019/08/21 16:59
    スクラッチ・エンジェル

    おはようウルカ。 博士は研究に研究を重ねた。 人類はマッサージチェアーを発明した。 しかしまだやり残したことがある。 そう、スクラッチチェアーである。 人は身体のコリをほぐしたい欲求と同じくらいに、背中を掻いてもらいたい。 そう、背中が痒いねん。 孫の手などという商品があるが、あれでは本来の欲求を満たす事には到底届かない。 そう、孫の手では届かないのである。 先ず、他者に掻いてもらうという所が大切なポイントとなる。 自分で痒い所を掻くのでは、全く面白みも幸福感も得られない。 これは痒い部分を一切把握していない他者が当てずっぽうに掻き、それが偶然にもKスポット、要するに痒いスポットにヒットした時…

  • 2019/08/21 16:58
    アット・ザ・ドライヴイン

    おはようウルカ。 カルカッタの安宿でベッドに座っている。 南京虫がうろつくマットレスは、中綿が死にかけていて湿気を吸う体力も残っていない。 明るい青色に塗られた鉄格子型の窓は、歪な長方形をしている。 魔都と呼ばれるこの都市は、巨大なドブ川に逆さ向きで浸かっているような、幾らもがいても出口のない、暗い、闇が、いく層にも重なって、無尽蔵に堕ち続ける、屍骸や汚物を足場にして人間がのたうって、欲や、灰や、情や、廻をひろう。 沢山拾い集めた其々は、結局どれもヘドロとなって、身体に纏わりつくから、身動きが余計に苦しくなる。 息を止めれば悪臭や汚染を吸いこまずにすむけれど、結局呼吸しなければ息の根が止まって…

  • 2019/08/21 16:58
    黄色の床の男

    こんにちはウルカ。 君の足元のその床と、私の足元のこの床では、色が違うだろう。 君のは青色で、私のは黄色だね。 男はそう言うと、靴の先で黄色の床をトントンと打った。 これはね、文字通り立場の違いなのだよ。 青色の床の上に立っている君は、黄色の床に立っている私には到底およばない。 残念だがそれが君の立場だ。 君の青色の床、厳密に言えばB36だね。 僕の足元の青色の床には端に白い文字でB36とある。 そんな事は僕にだってわかっている。 この国では、屋内は勿論のこと、屋外においても全ての足元に床が整備されている。 この床はその上に立つ人間によって色を変える。 色はその人間の持つ総合的な能力で決まる。…

  • 2019/08/21 16:58
    お前、だれだよ

    おはようウルカ。 暴風雨の朝、全ての窓を開けてカーテンを狂っようにはためかせる。 雨を浴びたテレビがバチバチと調子が悪そうに青い天気図を映し出している。 雨風が暴れる部屋のソファに座ってトマトジュースを飲んでいると、スマートフォンが発光して着信を知らせた。 はい。 おれだ、マズイことになった、これから来られるか? お前、だれだよ。 おれだよ、おれ、会えばわかる。 通話は一方的に切れた。 電話の主に心当たりはない。 今年で89歳。 1度も結婚をしなかったオレには、身寄りも友人も1人として生き残ってはいなかった。 間違い電話か… 飲みかけのトマトジュースのグラスを台所に向かって放り投げると、グラス…

  • ブログみる案件きた!ブログリーダー - くろのお金ブログ
  • 2019/08/09 13:33
    オツカレサマオヤスミマタアシタ

    おはようウルカ。 恐怖症というものがある。 高所恐怖症 閉所恐怖症 動物恐怖症 海洋恐怖症 対人恐怖症 血液恐怖症 広場恐怖症 風船恐怖症 集合恐怖症 挙げはじめるとキリがないほどの恐怖症が存在する。 私は恐怖症専門の臨床心理士として働いている。 本日はまた新たな症例として、対AI恐怖症患者を診察した。 対人間については全く問題ないのだが、対AIとなると途端にパニックに陥るそうだ。 AIに全てを分析され、心の奥底まで見透かされているような心的不安が要因となっているようだ。 飛躍的にAI技術が発達した現代、自動車やドライヤー、スプーンなどの食器に至るまで、殆どの人工物にAIが組み込まれており、A…

  • 2019/08/09 13:33
    まじゅつ

    こんばんはウルカ。 今日は少し遅くなってしまったな。 川崎部長は腕時計をみる。 使えない部下、吉田のミスのせいだ。 おどおどと謝るばかりの吉田の顔を思い出すと、また怒りがこみあげてきた。 気晴らしに一駅歩くか。 川崎部長は普段よりも一つ前の駅で降りると、街灯も疎らな川沿いの道を歩きはじめた。 夜風が気持ち良い。 高架下に、ぽつんと屋台がでている。 この辺りで屋台を見かけるのは初めてのことだ。 こんな場所に屋台をだして集客が見込めるのだろうか。 暖簾にはおでんやラーメンの文字はなく、「まじゅつ」とある。 何だろう。 まじゅつとは珍しいな。 ためしに寄って行くか。 川崎部長は暖簾をくぐる。 ひとり…

  • 2019/08/09 13:32
    みほちゃん

    こんにちはウルカ。 小石を蹴っている。 学校から家までの道のり。 小石を失くさずに蹴り続けられたらゴールだ。 強く蹴りすぎると溝に落ちたり、車道に飛んでいって救出不可能となってしまう。 曲がる予定の道を小石が越えてしまったら、曲がらず直進しなければならないという自己流ルールもある。 しかし安全牌ばかりでは全然面白くない。 時には思い切って蹴り出す事に石蹴りの醍醐味がある。 石蹴りは人生にそっくりだ。 夕暮れ時とはいえ、まだ昼間の暑さがじんじんと通りに残っている。 体操着の入った袋が小石を蹴るのに邪魔をする。 首から落ちる汗は、僕の要らないものを次々と捨ててくれているのかな。 必要なものまで捨て…

  • 2019/08/09 13:32
    シェルビー

    おはようウルカ。 俺は横断歩道を歩いている。 車道の半ばくらいまで来ただろうか。 路地から出てきた自動車が、クラクションを鳴らしながら猛スピードでこちらに向かってくる。 人が横断歩道を渡っている状況で、けたたましいクラクションとともに猛スピードで突っ込んでくる自動車が正常なわけがない。 俺と衝突するまでに2秒とかからないだろう。 俺はポケットに手を突っ込み、シェルビーを発動させる。 薄くバニラの匂いがした。 1.8秒後、俺は自動車と衝突し、約32メートル跳ね飛ばされ、児童公園の滑り台に激突し、親子がレジャシートを広げている隣、芝生の上に落下した。 自動車は僅かにスピードを緩めたが、何事もなかっ…

  • 2019/08/09 13:32
    ペースト状のような昼下がり

    おはようウルカ。 ペースト状のような昼下がり。 行き交うビジネスマンの首はどれも汗でぬれている。 風に揺れる樹の影は、樹の実体と同じ速さで動いているように見える。 しかし本当は少しだけずれている。 しゃにむに見ているばかりでは、解らない事がある。 俺は街路樹の下で携帯電話をひろげている。 影が少しだけながくなる。 反射光と直接光では影ののび方が違う。 男が異常に接近している事に気がついたのは、男の睫毛が俺の頰に触れたからだった。 男はこう言った。 私は最終形の悪魔です。 あなたはご自身の首を噛み切ることが出来ますか。 出来ないでしょう。 自身で自身の首を噛み切ることが出来ないのであれば、それは…

  • 2019/08/09 13:32
    自撮りダンサー

    こんにちはウルカ。 私は食器を洗っている。人間は声帯を使って話すことの他に、声帯以外、または声帯を使って文章として言葉を書き残す。書物は言葉の写真のようなものだ。何度も書き直された文章は合成写真のようで、真実味がうすくなる。毛細血管のように繊細な言葉がいりくむ非常に精巧な文章と、丸太を乱雑に縛りつなげたような非常に鈍足な文章は、互いを互いで羨む。ふとそんな考えが浮かんだ。独りの食事というものはとても気楽で、好きなだけ食べて良いし、好きなだけ食べなくて良い。好きな事を考えて良いし、スマートフォンを見続けて良い。カレーを箸で食べて良いし、蕎麦をフォークで食べて良い。この生活が非常に精巧な文章なのか…

  • 2019/08/09 13:32
    左半身浴

    おはようウルカ。 ワンピースという服装がある。 俺の認識では上から下まで繋がったやつ。 男で言えばツナギというやつ。 日本に古くからある着物という服装はワンピースの類なのだろうか。 ワンピース。 ひとかけら。 名前が良いね。 日本では是非、ヒトカケラと呼んで欲しいものだ。 上から下まで繋がったやつの利点は何だろう。 というより、上と下を分ける理由は何だろう。 右と左で分ける服装があっても面白そうだな。 店員「何かお探しですか?」 客 「ヒダリを探しています。そんなに派手では無いものが良いのですが。」 店員「こちらのヒダリなどどうでしょう。シンプルですが、素材にこだわっています。柄物のミギとあわ…

  • 2019/08/09 13:32
    どうも、幽霊です

    こんにちはウルカ。 どうも、幽霊です。 幽霊といいますと、墓場や廃病院、劇場やトンネル、池や柳の木の下周辺での地縛霊、または人間の背後に憑依している死霊や生霊などが一般的な在り方ですね。 元来より、人間の強い想い、怨念や未練、執着などといったものが、私たち幽霊をつくりだす材料となっております。 そこに、スーパー・ナチュラル・フリクション、要するに超常現象的な摩擦が加わる事で、私たちはこの世に誕生するわけです。 あの世や死などというものには全く興味がありませんね。 私たちはこの世で超常現象のひとつとして存在しつづける所存です。 それにしても、時代は移り変わるものですね。 私たち幽霊をつくりだす材…

  • 2019/08/09 13:32
    オバチャン草

    おはようウルカ。 オバチャン草を育てている。 夏、種を蒔いてから3週間ほどで色とりどりのオバチャンが開花する。 今年は3週間と1日、パープルヘアーのオバチャンが咲いた。 ゾウ型のジョウロで水をかけると、ぶぶぶぶぶぅと唇を震わせて白目になったあと、ウィンクをしたので、気持ちが良いという事だろう。 濡れたパープルヘアーが、ラメをふりかけたようにキラキラとした。 日に1度、スポイトでルイボスティー又は醤油を数滴飲ませると健康に育つようだ。 開花してから6日ほどで、オウム返し程度に言葉を発声する。 ラジオかテレビから覚えたのか、「ふぐり、ギリギリガールズ」とドスのきいた低音で連呼するようになった。 開…

  • 2019/08/09 13:32
    冷やした鉄球は大きな葡萄の実にみえる

    おはようウルカ。 昨夜未明、無差別に洗車をされるという事件が起きた。 住宅街において車庫や月極駐車場に置かれた自動車を狙った犯行。 カーシャンプーから鉄粉取り、コーティング、足回り、車内清掃まで非常に丁寧に仕上げられている。 一切破損させる事なくカーセキュリティをかいくぐって車内に侵入している事から、高い技術を持った外国人犯罪組織の関与が浮上している。 警視庁が発表した情報によると、深夜に月極駐車場内で白っぽい大きな袋を持った目だし帽姿の大柄な不審者が目撃されている。 性別、年齢、国籍などは不明である。 被害にあった都内に住む男性会社員(42)は、朝方に駐車場へ行くと、7ヶ月以上洗車をしていな…

  • 2019/08/09 13:32
    欺く者

    こんにちはウルカ。 雲は元々極彩色であったのではないか。 そう思わせるような劇的な曇天が、サーキット場を覆っている。 極限までスピードを求めた構造のレースマシンが、スタート位置に並んでいる。 赤や黄色など、強い原色で塗装されたマシンは、灰色のアスファルトの上でスタートの合図を待ちきれず、野獣のような唸りを上げ膨張をはじめている。 熱狂する観客。 私はヘルメットのバイザーを閉じる。 6年間、トップを走り続けてきた。 今回も上手くやらなくては。 スタートを知らせる青いランプが点灯する。 絶妙のタイミングでクラッチを繋ぐと、相棒は鋭く咆哮して暴力的な加速をはじめる。 私は両手でステアリングを握り、時…

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