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短編小説よりさらに短いショートショートを発表してください。1,000文字から2,000文字以下で、1つのエントリーで完結して読めるようなものをお願いします。
テーマ投稿数
1,860件
参加メンバー
144人

ショートショートの記事

2019年09月 (1件〜50件)

  • #京都の朗読教室
  • #漫画コミック
  • 2019/09/29 16:05
    エレキギターの大きさの穴

    こんにちはウルカ。 湯呑みの茶が湯気を立てている。 テレビが不健康な光をばらまいている。 黄ばんだレースのカーテンが、青白い外光を透かしてシアン色に歪んでいる。 月に一度、田舎から届く段ボール箱は、封を開けられずに玄関の隅に積まれている。 段ボール箱の中には、塩からい干物や、時代遅れの菓子や、つまらない本や、僕の学業について心配する手紙が詰め込まれているのだろう。 もう半年以上学校へは行っていない。 家賃や光熱費は段ボールが届くのとほぼ同じタイミングで口座に振り込まれる。 僕は、食べる事だけなんとかすれば、死なないでいられる。 駅前の不潔な居酒屋でアルバイトをしている。 賄いを食べる気には到底…

  • 2019/09/26 16:56
    月のない夜はコーラの瓶を

    こんにちはウルカ。 月のない夜は、雲と空が反転してみえる事があるよ。 雨雲が空よりも黒いから。 そう言ってルクは、路上にある段差に座り、コーラの瓶にいれた井戸の水を飲んだ。 ルクは孤児で、正確な自分の年齢を知らない。 外見から、おそらく13才くらいだろう。 自分とは違う肌の色をした観光客に、ハシシや盗品、この地方の珍しいカメを売って、屋台でサモサを買う。 観光客たちは、珍しいカメをプリングルスの筒に隠して飛行機に乗るそうだ。 今日はハシシも、盗んだソニーも、珍しいカメも持っていなかったので、気まぐれでみすぼらしい日本人旅行者のガイドをしている。 夕食と引きかえに、一日街を案内する事で、メイク・…

  • 2019/09/25 16:28
    解放厳禁

    こんにちはウルカ。 昼から夜にスライドがはじまるころ。 オートバイで湾岸道路をはしっている。 ドルドルとエンジンが振動して、丈夫なゴム製のタイヤがアスファルトを蹴る。 空を映した青赤色の海面が遠くにみえる。 月曜から3日目の今日はよく晴れた。 風が少しつめたい。 型の古い銀色の外国車が、大量の白黒い煙をボンネットの隙間からふき出しながら走っている。 追い抜きざま、サングラスをかけたドライバーの男がみえた。 ステアリングにのせた指でリズムをとりながら、何かを歌っているようだった。 この道は海へつづいている。 サングラスの男もきっと海へ向かっているのだろう。 30キロメートル程はしると、波に削られ…

  • 2019/09/24 15:01
    僕は痴漢

    おはようウルカ。 僕は痴漢。 見知らぬ女性のお尻を触ると嬉しくなる。 痴漢チケットはインターネットで購入するよ。 駅に着くとスマートフォンに整理番号が表示される。 僕の整理番号は136番。 順番はきちんと守らなきゃ。 順番を守らない人は、ニッポン・痴漢・センター・ブラック・リスト(JMCBL)に登録されて、次から痴漢チケットを買えなくなってしまう。 痴漢の順番がやってくるまで、何往復も電車に乗り続けるよ。 136、136、136、 お昼頃、やっと僕の整理番号がスマートフォンで点滅した。 通勤ラッシュも落ち着いて、電車はガラガラ。 セクシーな女性なんて1人もいないよ。 今日もキャンセルかな… 当…

  • 2019/09/24 15:01
    森が膨張したようだ

    おはようウルカ。 動物は隠れる事が好きだよな。 好きというよりも、酸素や水と同じ様に生きる上で必要な要素なのだろう。 隠れる事によって、雨、雪、雹、風、陽光、寒さ、暑さ、外敵、から身を守る。 更に人間はプライバシーや財産や1人の時間を守るためにドアに鍵をかけ、カーテンを吊す。 その点、植物は同じ生物だが、逃げ隠れしないね。 雨、雪、雹、風、陽光、寒さ、暑さ、外敵も全て受け入れている。 動物達の隠れ場となり、食料となる。 プライバシーや財産や1人の時間も分け与える。 なんて寛大なんだ! 列車の窓から薄暗くなった街を見ている。 人間の隠れ場が森を邪魔するように群立している。 それでも木々は今日も全…

  • 2019/09/24 15:01
    みっちゃん

    こんにちはウルカ。 話が途中だったな。 駅前の居酒屋。 ふと、店内の音楽が途切れる。 俺たちのすぐ後ろで、音がした。 ギィ、ギィギィ、ギィ、ギィギィ 振り返ると、女が、隣に座る同僚のタケに今にも触れそうなくらい顔を寄せて、剥き出した歯を軋ませている。 タケは気にする様子もなく、肴のマグロを食べてウメェェなこれ!なんて惚けている。 タケも、店内にいる人々も、この女の存在に気がついていない。 都市魍魎。 この女は、都市に棲む下級魍魎の類いで、たいした害はない。 一般の人間は気配すら感じないだろう。 俺は腰につけているタンバリンを手に取る。 ついでに説明すると、このタンバリンも一般の人間には見えない…

  • 2019/09/24 15:01
    ギィ、ギィ、ギィギィ

    こんにちはウルカ。 私は、「ポン酢にしばらく浮気していたけど、やっぱり醤油が最高ってことに気がついた」ってツイートした後、「変な女に尾けられてる、こわい」ってツイートした。 異様に首のまがった女が、追ってくる。 長く伸ばした前髪で顔ははっきりとは見えない。 白髪が目立つけど、肌のハリや身のこなしから、まだ若そう。 30代くらい? 今年29歳になる私とそれ程変わらないと思う。 会社帰り、駅のホームで電車を待っていると、すぐ後ろでギィ、ギィ、ギィギィって音がした。 何だろうって振り返ると、その女が触れそうなくらい私に顔を近づけて、凄く小刻みに身体を揺すっていた。 震えてるんじゃなくて、凄く小刻みに…

  • 2019/09/24 15:00
    ポロポロと善を流しました

    こんにちはウルカ。 さあ、わたくし、 慈善だの偽善だのと、善を生業としております。 善を金や食料や寝床に変える事は善なのか否か。 ここで禅問答を繰り広げるつもりは毛頭ございませんが、善を贈れば、七、八割方、善でかえってまいります。 それは感謝の言葉であったり、笑顔であったり、金であったり、握り飯であったりするのです。 それから、善は巡り巡りることがあります。 あのときの、見覚えのある善が、何年も経て彼方此方で善を増やしながらかえってくることがあるのです。 これには感慨深いものがありますね。 わたくしは善を贈ることで、飛行機に乗って海の外へ行きましたし、また船に乗って海の内へ帰ってきたりもいたし…

  • 2019/09/24 15:00
    私はヤクザの腹に刃物を突き刺した

    こんにちはウルカ。 オレはなあ、運動神経がグンバツだったから、ケンカも得意だったんだよ。 相手の拳や蹴りはよく見えたし、相手に拳や蹴りをあてるのは簡単だったぜ。 なにせ、運動神経がグンバツだったからなあ! 大人になるにつれて、拳が刃物になり、拳銃に変わっていったよ。 あのねえ、拳銃で撃たれたら、いくら運動神経がグンバツでも避けるのは難しいよ。 あたれば、簡単に死ぬ。 拳銃野郎ときたら、手加減する技術がないからね。 びびってんのさ。 下等な暴力手法よ。 オレはねえ、裏社会で長く生きてきた。 移動手段も充実している時代だったから、海外国との交流は刺激的だったよ。 国がやる戦争にはちゃんとしたルール…

  • 2019/09/24 15:00
    持ち物が持つ者

    こんばんはウルカ。 もう、じゅうじか。 うかうかしていると明日が始まっちまうな。 明日が始まってしまうまえに、持ち物が持つ者の話をしておこう。 硝子を運ぶ錆びたトラックが、慎重に振動している。 歩道では、アルペジオ専門のギターリストが、奏でては街の騒音にかき消されている。 ビルとビルの谷間に広場があって、街路樹たちの麓にベンチがいくつか並んでいる。 木洩れ日は涼しげな午後を演出していて、ベンチで休む人々はみな黒いシルエットで匿名者になりきっている。 俺は広場の端にあるベンチに居場所をみつけると、湯船に浸かる時のように、じんわりと腰をおろした。 ラガービールの缶以外の持ち物は、スマートフォンと腕…

  • ブログみる案件きた!ブログリーダー - くろのお金ブログ
  • 2019/09/24 15:00
    ナビゲーション・バー・オリジン

    おはようウルカ。 ナビゲーション・バー・オリジンは、駅から歩いて5分ほどの高架下にある。 私は常連という程ではないが、数ヶ月に一度のペースで訪れている。 雨が、降ることをやめた。 チラチラと街の灯りがともり始め、ゆきすぎる列車の四角い窓が、黄白く発光している。 革靴で踏むアスファルトはまだ少し濡れていて、黒い、鋭利な、洞窟の壁のようだ。 こんな夜は、オリジンへ行ってみようか。 湿気をかきわけて、オリジンに到着する。 ナビゲーション・バー・オリジン 橙色のライトに照らされた看板が、開店を主張している。 店のドアを開けると、バー・カウンターには疎らに先客があった。 私は空いているカウンター席に腰を…

  • 2019/09/10 16:38
    66.843KHzは幸せか

    ゴドロゴドロと大きくて重たいものを引き摺るような音で空が鳴っている。 外は悪天候のようだ。 この部屋は暖かい。 気温68度。 湿度12パーセント。 僕たちが快適に過ごせるように調整されている。 人間のオスを飼っている。 ケージのある部屋に入る時は、防寒スーツを着用する。 人間の名前は66.843KHz。 僕たちは振動を使ってコミュニケーションをする。 僕たちの言語は振動というわけ。 名前の66.843KHzは、人間の言語で表すとリラックスというような意味合いだ。 僕が人間に魅かれたのは、他のペットとなる生命体と比べると知能が結構高いこと、容姿が僕たちに少し似ていること、のんびり屋で優しい性格を…

  • 2019/09/10 16:38
    パプリカを囓る忍者

    ただいまウルカ。 今日は暑かったね。 夜は台風がやってくるそうだ。 嵐になる前に、家族の話でもしようか。 夏が盛りを終える頃。 パンク・ロック・ファッションに身を包んだ老女が、手押し車に凭れるように歩いている。 ぶつぶつと何かを呟いているが、行き交う人々に内容が聞こえるほどの声量ではない。 どのみち聞こえたところで、その言語を理解できる者は無いだろう。 老女は陽の光を避けるように陰の中をキィキィと手押し車を鳴らしながら進む。 僕は石畳の通りを歩いている。 アスファルトと石畳では、後者の方が硬い。 硬いが、温かみがある。 余計な事を考えないように、目立たないように、気配を消して、石畳の感触だけに…

  • 2019/09/10 16:38
    解答となる私

    こんにちはウルカ。 次の解答から問いを作成してください。 ・3 ・ヒトイキレ ・摩擦 ・Angular ・正子は青を選ぶ ・真鯛 ・36.529 ・檸檬または煙草 ・シルバーのライン ・石 ・C9H13NO3 解答だけが羅列された試験用紙。 私は採用筆記試験を受けている。 残り時間は6年。 応募ありがとうございます。 それでは、これから採用試験を受けていただきます。 履歴書をカバンに入れて、面接に訪れた私は、会議室のような場所に案内され、そう告げられた。 既に30人余りが席についていた。 職業安定所の求人広告で見つけた募集要項。 急募 日当48000円 ボタンを押すだけの簡単な仕事 性別年齢不…

  • 2019/09/10 16:38
    アンフェアな勿論

    こんにちはウルカ。 ハンドル部分を作っている。 革やプラスチック、樹脂、金属、石、植物繊維、化学繊維。 様々な素材のハンドル部分がある。 私はハンドル部分、つまり手で持つ部分を作る職人だ。 鞄、手すり、列車の座席の耳、自動車、オートバイ、吊革、手綱、分娩台、ロケットなど、その種類は多岐にわたる。 全て手作業で行う為、時間がかかり、大量に生産する事は出来ない。 割高であることから、汎用品ではない特別なものの製作依頼が多い。 工業製品化する為のプロトタイプ製作を請負うこともあるが、これはあまり好きな仕事ではない。 良いハンドルは、ものを扱いやすくしたり、少ない力で持ち上げたり運んだりすることができ…

  • 2019/09/04 14:43
    破片のような食事

    こんばんはウルカ。 ページをめくっている。 沢山の文字が印刷されたページは、全くと言っても良いほどの同じ大きさの紙が重なっていて、本というメディアを形成している。 一冊の文字データ容量は5メガバイト程度。 人間が文字から情報を読み込むスピードは非常に遅く、5メガバイトの情報を読み込むのに数時間、途中のフリーズを計算に入れると数日を要する場合もある。 コンピュータが5メガバイトを読み込むスピードは0.01秒を要さない。 人工知能は、読み込みとほぼ同じスピードで内容を理解する。 読み込んだデータは半永久的に保管可能で、必要なときに読み出す事ができる。 人間のデータを読み込む能力は創生期のコンピュー…

  • 2019/09/04 14:43
    みんなさようなら

    おはようウルカ。 線路に遺棄された自転車が雨に濡れている。 空調がギリギリと音を立てている。 子供達はブンブンと夏を振りまわして、夏が消耗してなくなってしまう事を恐れない。 腕時計を見る。 深いグリーンのサブ・マリーナーは、かつて恋人から贈られたものだ。 よく使い、よく傷のついた硬質のステンレスは、鞣革のように滑らかで。 時刻は午前。 時間は朝、昼、夕、夜、深夜、夜明けの6つくらいで十分だ。 時針も分針も秒針もいらない。 朝、昼、夕、夜、深夜、夜明けで文字盤の色が変わる機械式腕時計が欲しいな。 列車の進行方向とは逆方向に座席と座席の間の通路を走る。 これは地球の自転とは逆方向に移動する事によく…

  • 2019/09/04 14:43
    カナリア

    こんばんはウルカ。 今日はえらく忙しかったので、こんな時間になってしまったよ。 今日が終わってしまう前に、カナリアの話でもしようか。 カナリアが囀っている。 朝露が草を湿らせて生命を強調している。 カナリアは、海を越えた遠い国々ではその美しい容姿と官能的な歌声で、ペットとして人気があるそうだ。 この土地でのカナリアといえば、怪鳥として恐れられている。 あれをペットとして可愛がるなど到底信じる事が出来ない。 確かに小鳥の時期は可愛らしい姿をしており、囀りの音彩は上等な笛のようだ。 しかし成鳥となったカナリアは、ゾウの悲鳴のような鳴き声で、硫酸を吐き、人を喰らう。 おそらく海を越えた遠い国々では、…

  • 2019/09/04 14:43
    ボタンを押すだけの簡単な仕事です

    こんにちはウルカ。 喧騒が太陽に反射して、空気を揺らす。 やんわりと揺れる街路樹が、それを宥める。 その動きは母親が眠っている子にあおぐ団扇のようだね。 街でガラスの欠片を拾っては、裸の電球にはりつけている。 ひと月ほどかけて完成させた電球を、街で売っている。 この電球も、いつかガラスの欠片となって私に戻ってくるだろう。 やがて出鱈目な光と色を滲ませる電球は、著名な芸術家の目にとまり、作品と呼ばれ、人々に持て囃された。 世界的なアート・オークションに出品され、高額で落札されたそうだ。 私は芸術家とよばれ、作品にタイトルを求められた。 作品にタイトルをつけるということは困難を極めた。 私は文章に…

  • 2019/09/04 14:43
    テクノロジーに変顔

    おはようウルカ。 俺の住んでいる町にはまだ、野草が生えるくらいの余地がある。 通りを歩いていると、あちらこちらに野草が勝手に生えている。 俺はタンポポですら、花が咲いていなければ見分ける事が出来ない、野草しらずだ。 野草に詳しい人は凄いね。 野草を摘んできては、ハイクラスなレストランに卸すことで収入を得ている人間も在るようだ。 メジャーな野草として、桑(クワ)というのがある。 桑は、スーパーフードと呼ばれる実がなるらしいが、葉の栄養素もずば抜けている。 この桑の葉を摘んで、うちにいる草食系の動物に与えたい。 調べると、花や葉にスマートフォンのカメラをかざすと植物の種類や特徴がわかるアプリがある…

  • 2019/09/04 14:43
    明るい奴隷

    こんにちはウルカ。 鐘と鈴のちょうど中間のくらいの音が、機械的ではない等間隔で鳴っている。 作業の終了を告げているのだ。 僕は奴隷。 今日も奴隷仲間達と笑い合い、大きな岩を沢山運んだ。 足首には人間の頭蓋ほどの大きさの鉄球が鎖で繋がれており、走ることはできない。 牢獄のような鉄格子のある奴隷棟へと向かう。 監視役の男がヘッドホンでヒップ・ホップ・ミュージックを聴きながらフーセンガムをふくらませている。 僕はノリノリの監視役の男とハイタッチをかわすと、叩きつけるような放水で乱暴に身体を洗われるため、洗体場に入る。 仲間達とキャッキャッと騒ぎながら高圧で水を浴びせられる。 昼間にムチで打たれた僕の…

  • 2019/09/04 14:43
    自在な俺

    こんにちはウルカ。 街鳥が雲に埋まるように飛んでいる。 自動車や室外機から吐き出される排気体が、膝の高さでわだかまっている。 商店街のくじ引きで一等が当たった。 景品は石っころ1つ。 宝石の原石だそうで、時価5億円だと八百屋のおっちゃんが言った。 俺はポケットに石っころを放りこむと、脇に停めてあったオートバイに跨る。 キック3回目で単気筒の500CCエンジンが目覚めた。 大通りに出るとアクセルを全開にする。 つけられている。 ミラー越しに、2人乗りのカワサキがぴったりと俺のヤマハに張り付いている。 十中八九、狙いは俺のポケットの中身だろう。 カワサキは猛スピードで俺のヤマハに並ぶ。 運転者は黒…

  • 2019/09/04 14:43
    極悪がベースの微笑

    こんにちはウルカ。 三丁目に感情ショップが開店したね。 天然感情と養殖感情では、やはり天然物の方が高価なようだ。 パーマの天然物は大して重宝されないのにな。 テイクアウトで「愉快」と「恍惚」と「平穏」を買っていこう。 本当は店内の高級なソファに深々と座って、ゆったりと感情を堪能したいのだが、これから仕事がある。 「愉快」と「恍惚」と「平穏」は帰宅後の楽しみとしよう。 私は犯罪者専門のカメラマン。 フリーランス。 犯罪者をいかに犯罪者らしく撮影できるかが重視される。 異常で、狂人で、病的で、悪意に満ちた表情をおさえる。 護送車のウィンドウごし、警察官に脇を抱えられて歩く、または容疑が確定する前夜…

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