第十二話 贈りものと捧げもの(6) 家に帰り着いたのはもう夕方だった。陽花はずっと寝ているのかと思ったが、着替えて外出したらしい。俺とほぼ同じ時間に戻ってきた…
菜摘の前で、D公園は黙って佇んでいた。 小学校の校庭の半分ほどはありそうな広い公園なのだけど、その公園の中には人の姿は見えず、がらんとした空虚な空間が広がっている。平日の午後一時過ぎだと、まだ子供たちは学校に通っているのだろう。子供たちの姿はもちろん、散歩に来るであろう、老人たちの姿も見当たらなかった。中央の広場を取り囲むようにして、砂場、鉄棒、滑り台、ブランコといった遊具が並んでいる。そこにも人の姿は見つけることはできなかった。 菜摘は公園の入口に立ち、しばらくその空虚な空間を眺めていた。 肩から下げたショルダーバッグからスマホを取り出して時間を確認すると、スマホ画面には十三時十五分と表示さ…
みなさま、クリスマスは楽しく過ごされたでしょうか。今年は24、25日の両日とも平日なので、わたしは普通に勤務があり、しかも多忙。ご馳走やケーキを食べてプレゼ…
第十二話 贈りものと捧げもの(5) 「ただね」「え?」 さすがは豊島さんだと感じ入っていたら、憧憬を完膚なきまでに吹き飛ばす反作用が降って来た。「捧げものだけ…
トイレ男がどこで何をしているかというのは、別にどうということのない理由だった。材料の下造りをしていたに過ぎない。原木をサイズに切ったりローラーにかけて表面を磨いたり、つまりその手の機械が別棟にあったのだ。適当なところでまとめてこっちの棟に持ってきて組み立てる。それを山ちゃんが概ねひとりでやっていて大変だったから時折はあのしわくちゃ婆さんが手伝うのだが、これからは幸平がそれをするのだった。 といって幸平にカンナが使えるのでもなし、木の角を機械で落として角度を付けたり、そして徐々にはカンナも仕上げ以外の比較的簡単な部分では作業できるようになって、あんた、筋がいいじゃねえかと二人に言われて気を良くし…
Annie Lennox - God Rest Ye Merry Gentlemen
AnnieLennox-GodRestYeMerryGentlemen金延幸子「時にまかせて」SingleVersionOuttake(LyricVideo)Jungle-Let'sGoBackintheLiveLounge秦基博×リサ・ローブ「IntotheBlue」MusicVideo(RecordingDocumentary)大滝詠一さらばシベリア鉄道ライブBobDylan-MustBeSanta(OfficialVideo)「田中将大との差」が露骨に出たJ1神戸FW武藤嘉紀の残留https://www.msn.com/ja-jp/sports/other/%E7%94%B0%E4%B8%AD%E5%B0%86%E5%A4%A7%E3%81%A8%E3%81%AE%E5%B7%AE-%E3%81%8...AnnieLennox-GodRestYeMerryGentlemen
メリークリスマス、チャマ。イヴに横浜行かなくなって何年になるかなぁ?赤レンガ倉庫からの信号待ちで、きっと、周りは誰かしらといて、ひとりきりの影は、自分だけだっ…
海まであと少しAnnabelCultureClub-DoYouReallyWantToHurtMe(LiveinBirmingham,13thDec1984)スタジオレコーディング音源『今夜世界中が雨ならば』studiorecording『Ifitrainallovertheworldtonight』ー水谷黒(baby's)Yuna-ComeAsYouAre(OfficialVideo)エリック・マーティン(Mr.Big)「PRIDE」Official MVToniCornell-SunsetofYourLove【NHKRockFestival】カルメン・マキ&OZLiveatNHKHall1977空へ~閉ざされた町~26の時(スチャラカチャン)中学生2人殺傷平原容疑者が拡声器使って何かに怒る声も自宅は網...海まであと少しAnnabel
「そうなんだ」 「……うん」 「でも、真衣はもう亡くなっているんだし、高校の時のノートを返さなくても誰も何も言ってこないよ」 和美の口調は、どこか菜摘を突き放すような響きをその中に内包していた。面倒なことに関わり合いたくないと思っているのかもしれない。 「亡くなっているから……」 「え?」 「亡くなっているからこそ、借りていたノートを真衣の遺族に返したくて……」 和美はしばらく黙っていた。「分かった」とも言ってくれなかったし、「それは間違ってるよ」とも言ってくれなかった。菜摘は辛抱強く和美の返事を待つことしかできなかった。 「実は……もう、持ってない。井上先生からもらった真衣の住所が書かれたメ…
1週間を切っている。 恐ろしい……何もしないで一年が終わる。 3年前から体調変動がひどすぎて、さらには去年末にどっとどん底まで落ち込んで、嫌なことが重なりまくってさらに体調悪化して、やっと立ち直るきっかけが8月にできて、何とか今年一年を終わらせることが出来そうだけど、なんかここ数年そんな感じで過ぎて行ってるから、楽しいことがほとんどなくて結構しんどい。 人間関係で一区切りつけて前に進めたのは8月に会っ...
「和美」 菜摘が声をかけると、和美は公園の中から早足で歩いてくる菜摘に視線を向ける。そして、「やっぱり菜摘だったんだ」とぽつりと呟くように言った。 「どうしてブランコになんて、乗ってたの?」 「いや、久し振りにD公園に来てブランコを見て、小学生の頃を思い出して懐かしかったから。久々に乗ってみようと思って……」 「どうだった?」 「え?」 「ブランコに乗って、小学生の頃に戻れた?」 「……分からない」 「そう」 和美はどこか挑戦的な眼で菜摘を見ている。なぜ和美は久々に会った自分にこのようなことを訊くのだろう。不思議だった。 「私なんて、D公園は毎日散歩に来ているから、懐かしくもなんともない。そも…
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