自作小説を紹介！！

　　シュウヘイはボンヤリと考え込みながら、「あの子は１００％純粋培養だから、だますとか出来るような子じゃない」と言い切った。すると受話器の向こうから、ため息が…

daisysacky

戦う骨無し女

気づいた時には空模様が変わっていた大粒のスコールが皮膚を撃ち風の手が鞭を振り回している熱と気圧の神話は今日も続き欲と力の闘争は明日も続く戦場は天にも地にもあった平安はいつか破られる予測もつかないエナジーが出口を探している破裂しそうに強く　そして熱く外と内はひとつの世界　ひとつの想念Outside Inside僕らは歴史の申し子忍従の盾を構え　敵の太刀筋に一瞬の反撃をくらわす世界に対して成したことが自己に対して成...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

　連載　 　ローズマリーの詩　 　36　母子像に刻まれた秘密破産して家の離れに間借りするおじと、出戻りの私。それぞれの愛の物語。子どもを産み、育てながら彼を待つのなら、部屋を提供すると言う千里さん。私は聡史とおじをその部屋におじは、そこで、あの母子像を見つけ

シランケン・重松シュタイン

「おとなの恋愛小説」倶楽部

「じゃあ…他に、何か知らない？」さらに裕太は、素知らぬふりをして、ジュンペイに聞く。「あっ？」クルリと振り返ると、ジュンペイは裕太を見る。「そんなこと知って……

daisysacky

戦う骨無し女

　　もちろんこれは、予想通りの展開だ。受話器の向こうで、自分よりも年若い幼なじみの女の子からまさかのお説教を食らうのだった。「だってさ…嫁入り前の女の子が、独…

daisysacky

戦う骨無し女

見る目が変わった？接する態度が変わった？しょせん人間のしていることだ裏切りなんかは当たり前ごらん　群れたがっている人は手のひらを返すから群れには群れの個性と人格があって自分のアイデンティティの隠れ蓑にしようったって何を着て、何を乗り、何を食べようがとんな態度で、とんな言葉を語ろうとも人は自分を変えることはしない自分が変わらないからこそ何かを欲し狂信的に外へ求めるそれが多分大まかな人間の歴史だよ歴史...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

「バカだなぁ」　相変わらず冷めた目付きで、ジュンペイは裕太の顔を見返す。「当たり前じゃないか！　明日までに直すんだから…色々とあるんだろ」ジュンペイはオジサン…

daisysacky

戦う骨無し女

「ねぇ、その人って、大丈夫？　美人局とか、結婚詐欺とか…まずい人じゃあないでしょうね？」と聞くので、そんなこと、チラリとも考えていなかったシュウヘイは、ちょっ…

daisysacky

戦う骨無し女

「やった！」　嬉しそうにジュンペイが歓声を上げる。「やっぱりオジサンは天才だ！　なんでも出来るんだもんなぁ」「ヨイショなんて、子供はしなくてもいい」大げさに騒…

daisysacky

戦う骨無し女

　　エラが寝ている間に、シュウヘイは彼女の寝顔を見下ろして、そっとスマホを取り出した。それから妹分でもある、幼なじみのカスミの番号を呼び出すと、椅子に腰をかけ…

daisysacky

戦う骨無し女

君には君の生と死があり僕には僕の生と死がある企業には企業の、国には国の興亡がある大陸には大陸の　島には島の　惑星には惑星のはじまりと終わり　合成と分解　そして愛と孤独がある僕らは重力の揺りかごに揺られる立てない赤子歩けない老人気持ちのみが未来へ向かい　いつか時間の断層へ飛びこむ過去の祝祭の時間へと呪われた未来の時間へと未来には老獪な死が待ち受け過去には無知な生誕が控えているその中間で僕らは道を探す...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何？」を、科学的、文学的、ときどき叙情的（？）に解き明かす恋愛論ブログです。

シランケン・重松シュタイン

シランケンの不純愛講座

　　そうして願いを込めて、汚れをこそげるようにして、手を油まみれにしながら、裕太はせっせと磨き続けた。1分でも早く、ノルマを達成して…オジサンにどうにか、その…

daisysacky

戦う骨無し女

「くるまぁ～？」　エラが目を極限にまでまぁるくさせると、男性は何か勘違いをしたようで、「あ、飲酒運転と思ってない？　ないない！ボクはこの近くを通りがかっただけ…

daisysacky

戦う骨無し女

（あっ、さっきなんか、言ってたなぁ～）　オジサンの表情を見て、裕太はすぐに気が付いた。「そこはもしかしたら、何か関係があるのかもしれないなぁ」考え考えオジサン…

daisysacky

戦う骨無し女

　　それはいいけど、どうしよう…エラは不安そうに男性を見ｇ詰める。「とにかく、今晩はうちに来ればいい。　なぁに1人暮らしだからといって、高校生の女の子を襲うよ…

daisysacky

戦う骨無し女

　「真っ黒な海が見える…暗い空に赤い月が懸かっているのが見える…これは何…黒い無数の波が…渦を巻き、泡立ち、海ごと盛り上がる…泡ツミ…下には何かいる…無数の死者と子供、そしてあれは…なに？…岬に女の人がいる。女の人は海に向かって叫んでいる…あなたのお母さん？…まだ呼んだこともない名前、み・ち・る…みちる…と。…姿は見えない…これは…たぶん……あなたの弟？…その子が海を連れて来る。海のあれを連れて来る…海の力は増してい...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

　　なぜだかわからないけれど、ついスルリ…と、本当のことを口走ってしまう。「おい！」そこまで言ってもいいのか、とジュンペイは裕太の腕を引っ張る。「いいんだ」ま…

daisysacky

戦う骨無し女

　　すると案の定、男はキョトンとした顔になり「なに？レラ？」と言う。「エラ！」「ヘラ？」「エラ！」「ハラ？」「…シンデレラ！」　何回も聞き間違えられて、エラは…

daisysacky

戦う骨無し女

こんばんは！暇人です。今日は梅雨の中休み的な…曇り空の１日でした。陽がささないぶん、ムシムシしてる…新しい図書館へ行こうと、お昼にダンナ、私を下ろそうとしたけ…

daisysacky

戦う骨無し女

　まひる。心配かけてごめんね。わたしって自分がわからない。生きているじっかんもない。まるでうつせみかかげろう。まよかという個体をブラウン管で見ているみたい。あっ何だろうこの表現。書いてて不思議。変だわ。画面越しに自分を見ているよう。わたしはべつな時代からこのまよかの体をかりているのかな…ヘンだね。こんな感覚…なぜだか子どものままでこの世界を去る気がする。まひるは太陽をあびてきらきらしてる。生きること...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

　それだ！裕太は思わず手を打つ。やはり…その先生も、何か関係があるのか？裕太はものすごい勢いで、頭の中を整理して、何かを思い起こそうとしている。スドウという謎…

daisysacky

戦う骨無し女

　　エラはようやく気付く。ここはどうやら、知らない場所のようだ。どうやってここにたどり着いたのか、わからないけれど…少なくともエラの家は、このすぐ近くにはなさ…

daisysacky

戦う骨無し女

こんばんは！暇人です。４連休２日目、いかがお過ごしでしょうか？残念ながら…昨日から、天のご機嫌はあまり麗しくなく…今日はざっと降ったり止んだりの１日です。幸い…

daisysacky

戦う骨無し女

いまにもきえていきそうなひかりをくちにふくんだらつきもちかくにみえるでしょうくもはあしもとにあるでしょうちいさくなった地球がひとつソラに浮かんでさびしそにお日さま見つめメリーゴーランドが回っています来し方しらず行き方しらずめ紀　奇芽　希都羅　花一輪銀河は闇夜に咲きそろいとおく　とおく　重なって天上のいちめんのはるかな過去の花畑ちいさな胞子が飛んできてきみのむねに根づいて咲いたふりくるひかりをくちに...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

　　あからさまに落胆するジュンペイをよそに、裕太は一応確認のためとばかりに、「それは、誰なんですか？」と聞いた。オジサンは「おっ」と嬉しそうに声を上げると、フ…

daisysacky

戦う骨無し女

「これじゃあ、まんま、ローマの休日だな」「ローマの休日って、なんですか？」　ローマの休日ってなんだ？エラは聞きなれない言葉に、素直に聞き返す。「おまえ、知らな…

daisysacky

戦う骨無し女

君は歩いている時の道を歩いている想い出の孤独の道を一人歩いている僕の中ではさまよえる道を歩いている　誰かと歩いている好きな人とも歩いたのだろうか君の雨上がりの道は…僕と歩いた下校の道は石の散策と草の道でいつも遠回りの迂回路で縄文の土器や化石を探して歩いた見つけた時間に思考を飛ばし僕らは体験を今日の時間にした今日の時刻を未来に飛ばして未明の時空を組み立てようと夢を透明な水彩で描いたアスファルトの道は...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

「子供の頃は、この目のせいで、よくいじめられたもんだ」　オジサンは穏やかな顔で裕太に向かって微笑む。「化け物だって…　だから中学を卒業したらすぐに、この島を出…

daisysacky

戦う骨無し女

「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何？」を、科学的、文学的、ときどき叙情的（？）に解き明かす恋愛論ブログです。

シランケン・重松シュタイン

シランケンの不純愛講座

「まるで、天然記念物だなぁ」　それにはエラも、さすがに嫌味だと気付いて、顔を真っ赤にすると（失礼な！）と思うけれど…精一杯知ったかぶりをして、「それって、馬車…

daisysacky

戦う骨無し女

北風のオーボエが教会の鐘を鳴らし凍った川の上を親子の鹿が渡る彼らは木をかじり、わたしは日々糸を通す青白い月の下でも、休むことなく、記憶を辿り幻の時間を追って指は動く縦と横のタペストリーに文字を絡ませて今日は遠い夢昨日は明日につながる夢春は丘の向こう、向こうの町を花畑色に染めている鳩の舞う空の下で夜のとばりの凍てつきが木々を裂き薄氷の上には鳥も近づかない彼らはピラカンサの実をついばみ、わたしは麦をこ...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

「武蔵が好きなんだ。だから、僕とつきあってほしい」　まさか七海から恋心を告白される日がくるなんて、夢にも思わなかった。　武蔵にとって彼女は恩人の娘である。その恩人が自分のせいで亡くなったことに責任を感じ、天涯孤独となった彼女と一年半ほど一緒に暮らしたが、そのときはまだプレティーンの子供だったのだ。　あれから三年半が過ぎ、再会した彼女は十六歳の女子高生になっていた。見た目はそれなりに女性らしく成長し...

瑞原唯子

虚空碧海 - オリジナル恋愛小説

　　そんな個人的なことを、話してくれるとは思っていなかったので、先ほどからジュンペイはポカンとした顔で、その場に固まったまま、オジサンを見ている…（知らなかっ…

daisysacky

戦う骨無し女

「それにしても…ひどい格好だ。　キミ…ＤＶかストーカー被害にでも、あってるんじゃあないか？」しつこいくらいに、その男はエラに聞いて来る。「何のことですか？」ま…

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戦う骨無し女

暗くなった部屋のスイッチを探しても誰かが点けた明かりなら誰かによって消されるきみは光を求めていたのかもしれないしかし、奪い合いの中にまきこまれる数ある道の中から歩むべき道を探しても誰かが歩いた道は誰もが歩く道きみは協調や友情を求めたのかもしれないしかし、いつしか競争にのみこまれるきみは愛する者を求めていたとしてもその人がきみを愛するとはかぎらないでも、きみの愛が所有でなかったならばきみは誰をも愛す...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

　　淡々とした口調で、オジサンが言うと、じぃっと光る眼で裕太を見つめる。その目の奥が笑ってはいなくて、暗緑色の闇を抱いている。その瞳の奥を見ていると、このオジ…

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戦う骨無し女

　　ようやく頭がハッキリとしてくると…どうやらここは、夢の中ではないらしい、と気づく。そうしてエラは、辺りを見回した。ここは森の中どころか…何だか大きな広場み…

daisysacky

戦う骨無し女

小川はチロチロと赤ん坊のように泣くのよトンボが飛んでいたわそして蝶々も川の中のお魚たちと川上の方へ　飛んでいったわ森の音(ね)さらさらとそよぐ緑の舞踏服カタツムリがいたわそしてカッコウ鳥も森の精は誰も無口で小鳥と風の　お喋りが聞けたわReading・Reeling・Drawing・Drawling狂ったお茶会はどこかしらReading・Reeling・Drawing・Drawling森は川をさかのぼり月は森に鎮座してティーポットにティーカップ月の宮の宴の時...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

　　オジサンは裕太から、ツイと視線をそらすと「ボクは何も知らん。　だが…違うかもしれないが、１つだけ、思い当たるフシがある」ボソリと低い声でそう言った。「えっ…

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戦う骨無し女

「もしもし、どうされましたか？」　とてう前、どこからか声が聞えてきた。一体どのくらい、こうしていたのか…ふと我に返り、エラはようやく自分が気を失っていたのを気…

daisysacky

戦う骨無し女

　列車は一路北へ向かっていく。Ｎ県Ｙ市までは乗り継いで三時間余り。出発前には村岡珠理が一緒にやって来た。珠理は不安げな顔をした。「あ～あ、変人同士か…。舘石が女だったらな。心配しないのに…」「珠理。隼世は心配いらないよ。ナイーブさは紳士だから」「引きこもりのジェントルマンって…まあ、かな…」「何勝手に言ってんだよ」「悪い気しないでしょ。珠理も認めてくれたよ」「そういう夏音もちょっかい出さないでよ。舘石...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

「はっ？」　一体オジサンは、何を言っているんだ？と眉をしかめる。この人はこう見えても、なぞかけとか、ハッキリとしないことが、大嫌いなのだ。「何を言ってるのか、…

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戦う骨無し女

　　それは夢のような光景で…むしろ、夢としか思えない景色だった。目の前には、七色の光を放つ、不思議な空間が広がり…エラは一瞬、これがあの世の世界なのでは、と思…

daisysacky

戦う骨無し女

　遠野真夜歌が亡くなった後のこと。そして従姉の横澤夕夏に会う少し前、比古村亮は例のアカアカアカについて調べていた。本当かウソかはわからないがアカアカアカは死人花だと真夜歌はいった。それが見える者は死が近いのだと。ヒコは少ない情報の中、ひきこもりとは思えぬ行動にでた。近所に死が近い者がいると聞けば花を探しに家に向かった。図書館にも資料を求めた。空襲があって焼けたことから資料も多く残ってはいない。しか...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

「あのぉ…」言いにくそうに、裕太は口を開く。そういえば、オジサンのことを、何と呼べばいいのか、わからないことに気が付いた。「なに？」何かもの言いたげな裕太に気…

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戦う骨無し女

　　一方エラは、かぼちゃの馬車から放り出され、途方に暮れていた。12時の鐘は、さすがにとっくに鳴り終わり…辺りを静寂で包まれる。身体は痛いし、腰も痛いし、それ…

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戦う骨無し女

　　おもむろに足元に置いてある部品を１つ、手に取ると「この、なんでもない部品でも…何が出来るんだろうと考えるのが、とっても楽しいんだ」オジサンはニコニコしなが…

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戦う骨無し女

「なるほどね」と大臣の息子。「お金と権力に弱い、ということなのですな」皮肉っぽく言い、1人納得したようにうなづく。「違うだろ」いかにも納得がいかない、と頭を振…

daisysacky

戦う骨無し女

こんばんは！暇人です。今日は久しぶりに梅雨の晴れ間で…朝は曇りがちの空でしたが、午後からスッキリと晴れました。今日は朝からヘルパーさんが来る日で、大量の洗濯物…

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戦う骨無し女