自作小説を紹介！！

「決まってるだろ？釣りの仕掛けだよぉ」他にあるか、とオジサンは半ば呆れた声で、裕太を見る。「あっ、そういうことかぁ～」ようやく裕太は納得する。安心したように、…

daisysacky

戦う骨無し女

「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何？」を、科学的、文学的、ときどき叙情的（？）に解き明かす恋愛論ブログです。

シランケン・重松シュタイン

シランケンの不純愛講座

「あの女性…何者だったのですか？」　王子の側近が近付いて来て聞く。「さぁ？」やはり相手は生きている人間だ。思い通りに事が運ぶわけもなく…花嫁奪還作戦は失敗に終…

daisysacky

戦う骨無し女

こんばんは！暇人です。今日はですね、降ったり止んだりの１日でした。空は１日どんよりとした鉛色…まぁ、まだ梅雨明けしていませんからね。仕方がないかぁ～などと思っ…

daisysacky

戦う骨無し女

　　すっかり廃材置き場と化している、自転車屋の店裏は、納屋に入りきれないくらいの木の箱やコンテナが、ズラリと積み重なっている。もちろん自転車の部品…商売道具も…

daisysacky

戦う骨無し女

　あわててエラが駆け寄って行くと、「おそい！」ねずみの御者が、キーキー声を上げて、文句を言う。エラはまだ、息を弾ませながら、「ごめんなさい」と言うと、「あら、…

daisysacky

戦う骨無し女

　　オジサンは見た目にもよらず、思ったよりも身軽な人らしい。今までは、自分以外の人のことを…まったく関心を持たない様子だったけれども、今は裕太たちの動向がとて…

daisysacky

戦う骨無し女

　　一方エラはといえば、12時の鐘が鳴り終わるまでに、帰らないといけないのだ。さもなると、どうなるのか、わからない…こうしている間にも、時の鐘が無情にも鳴り響…

daisysacky

戦う骨無し女

例えば選択の始め、その岐路から始められるとして僕は思い通りの結果が導き出せただろうかそれとも同じ過ちを繰り返すだけだろうか同じ迷いと、同じ選択と、同じ罪を変わらぬ僕はきっと同じ過ちに躓きここにこうして立ち止まり今日のように自問自答する同じ明日を呪いながらフーリエ　僕らは小さな宿舎で過ごし魔法の言葉を学んだすべてを御心のままに、と社会は僕らの選択を待たずに動き、また時代は過ぎる僕らは取り残されたのか...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

「ホント？何かいるものある？」思わず飛び跳ねるようにして、ジュンペイは元気よく駆け寄ると「いやぁ～何とか、なりそうだ」安心させるように、オジサンはニッコリと笑…

daisysacky

戦う骨無し女

（いい加減、気づいてよ！）　思わず叫びたい気持ちを押し殺して…それでもエラは、そんなこと言っている場合じゃない、とがんばっていると・・・「せめて、お名前を！」…

daisysacky

戦う骨無し女

ぼくにはモルヒネは必要なんだやさしい　モルヒネがね今も人間はどこかで戦争をしている戦争がなくとも殺人は日々起こるし暴力に至っては日常茶飯事だ痛みが想像できないほど人は無感覚になったのか他人の痛みでようやく自分の痛みが消せるのか他人の嘆きでようやく自分の気持ちが落ち着くのかぼくにはモルヒネが必要なんだ痛みが体中を転移している何事にも無感覚になれるような強くて　やさしい　モルヒネがね国内では一日約五千...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

「なんでも出来るわけじゃあ、ないんだけどなぁ」　ブツブツひとり言を言いながら、ゴソゴソと裏に積み上げている、ガラクタの山に、頭を突っ込むようにして探しているオ…

daisysacky

戦う骨無し女

　　どこかで花火の上がる音が聞えている…さすが、最終日にふさわしく、やることもど派手だ。王様の王子に対するなみなみならぬ思いが、ここにも表れているのだろう。　…

daisysacky

戦う骨無し女

　「人間はホモ・ルーデンス(遊ぶ人)！」リンジュウさん改め本多さんは開口一番にそう言った。小さな優里さんに紹介されてベンチに腰かけると、どうしても聞きたかったことを直に訊いてみた。その返事がこれである。「えっ？」ここにいつも来ているのかを聞いたはず。「知らんかな？ホイジンガ！」「えーっ、はい…」「人間は面白い方を選ぶということだ」「おもしろいほう？」「きみは毎日来ているのかね？」「いいえ」「じゃあき...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

「いつもの？」　いつものって、なんだ？　たった1人、話についていけない裕太は、困った顔で2人を見ている。そんな裕太に気が付くと、オジサンはニヘッと笑う。そして…

daisysacky

戦う骨無し女

　　今度こそ、首尾よく帰って来よう…エラはそう勢い込んだものの、やはりそうは問屋が下ろさない！王子の方もさすがに、黙ってはいられない。今まで華麗に逃げ切られて…

daisysacky

戦う骨無し女

　リンジュウさんは日がな一日、海が見える高台の公園にいる。みんながひそひそとリンジュウと呼んでいるので、自分もそう呼んでいたが、リンジュウが臨終だと知った時、どきりとする以外に一抹の哀しみを覚えた。社会からは捨て置かれ、人からは亡くなった人のように扱われている老人がとても痛ましく思えたのだ。この人にも本当の名前があるというのに……いろいろと聞いていくうちに、リンジュウの前はアンジュウと呼ばれていたと...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

「オジサンは、天才だからさぁ！　自転車も、ドローンも、ちゃっちゃと直せるよぉ」のん気な声でジュンペイは言う。無茶苦茶な要求だけれど、ジュンペイはとても大真面目…

daisysacky

戦う骨無し女

　　カーンコーン、カンコーン、カンコーン　すっかり夢中になって、踊っていると…ついにどこかでまた、12時の鐘が鳴り始める…（えっ、もう時間？）さあ、大変！うま…

daisysacky

戦う骨無し女

白と黒とが互いを責め立て山々に死化粧の冬をつくる白い雪と黒い死体をつくる銀の呼吸と不死者をつくる魂魄の表と裏とをつくる八十の白と十五の黒と三の火色の玻璃球(ギヤマン)が飢えたオオカミを引き連れて稲荷の化生を先頭に雪舞う丘から下りて来る吹雪く銀の世界に　ぽつりぽつ木立に隠れて　ゆらりゆら語り継がれたヤマオロシ百また千とやってくる瀕死の山が吼えしきるかがりのがちりこ　じくじりこてだまのあつりこ　じりりん...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何？」を、科学的、文学的、ときどき叙情的（？）に解き明かす恋愛論ブログです。

シランケン・重松シュタイン

シランケンの不純愛講座

「そんなトコから来るから…空き巣かと思ったぞ」　その男は、先ほどとは打って変わって、にこやかな笑みを浮かべてこちらに近付いて来る。「オジサーン！お願いがあるん…

daisysacky

戦う骨無し女

「お姉さんばかり、踊ってずるいわぁ」　下の義姉が指摘すると…「あら、あなたが魅力がないのが、いけないのよ！」澄ました顔で言う。「何言ってんの！ママに泣きついて…

daisysacky

戦う骨無し女

春の日暮れは苦しげにぼくの町を焼いているぼくの体を焼いている春の日暮れの悲しさに血はぽろぽろとこぼれ落ちた日暮れの火の粉が空を染め見えない航路を屋根伝い山ももうすぐ燃え上がる炎は燐を吐き散らし流れる雲も燃えている空を覆った煙の上から名残の雪でも降りましょうか？春の一番の荒々しくも町のすべてを流していった地図のすべてを書き換えたいずこの隅を捜してもデンキもないよな夜だった凍える寒さの闇の底残骸を前に...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

　　コソコソと子供たちが言いあっていると、目の前の茂みがいきなり大きくガサリと揺れた。「おい！何してるんだ？」　いきなり背後から声がする。ビクリと肩を揺らし、…

daisysacky

戦う骨無し女

（こうなったんだ？）　エラにうながされ、王子はシブシブエラの義姉の手を取ると…義姉はすっかり舞い上がり、夢見心地の顔になり、頬を染めてうっとりと王子の顔を見上…

daisysacky

戦う骨無し女

こんばんは！暇人です。昨日に引き続き、本日も大雨が降りあらためて、熊本を襲った災害の恐ろしさを感じていました…昨晩はね、ダンナ徹夜で職場にいまして、朝になりよ…

daisysacky

戦う骨無し女

　はあ、はあ、はあ…荒くなった呼吸音が聞こえる。浮空と少年たちの動きで松明の炎は揺れ動き、影は幾重にも踊った。浮空の動きについていくのやっとの少年たちの動きがしばし止まった。「くそっ！あのキツネ女。なんてすばしっこい」息を切らして本多江(ごう)がつぶやく。「もう終わり！だったら帰るね」浮空は平然とそう述べた。「江。どうする？」汗を拭きながら少年の一人が訊いた。「ああ、今日は終わりだ」江はあっさりと引...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

「ね…誰か、いる！」　小声で裕太にささやくと…足元に落ちていた自転車のハンドルを拾い上げ、まるでバットのように握り締めると、ジュンペイはゆっくりと、音の方へと…

daisysacky

戦う骨無し女

「あなたは知らないの？」　お妃さまは、大臣の方を振り返ると、そこに居並ぶ男たちは一斉に、頭を振る。「まぁ」と呆れるけれど、「これで王子がその気になるのなら、ど…

daisysacky

戦う骨無し女

蝸牛はホルンを背負っている日がな一日きみは空気を吸って、記憶を吐いて、打ち震える空魚を脳骸の水槽に飼い、十分に豊かな音を餌として言葉の端にぶら下げるああ、そうだ私は雨を待っているきみにかける言葉の代わりに閉じた蝶は竪琴を模している星海を渡る帆船は蝶を模し、ふわりふわり静かな情念をメエルシュトレエムに向かい弾き語り、こころを星に忘れ、星の万象に託して、沈んでゆくきみは朝の黄昏もう、夕暮れを待つことも...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

「みんなはもう、慣れっこになっちゃって、何にも言わないよ！だけどあのオジサン、頼まれたらなんでも引き受けてくれるって、評判だよ！」　さも嬉しそうにそう言うと、…

daisysacky

戦う骨無し女

　　エラは内心（来た！）と思ったけれど、あえて口にはしない。「もちろん、喜んで」とニッコリとする。こうなったら…とことん楽しみましょ、と腹を決めたのだ。（私も…

daisysacky

戦う骨無し女

こんばんは！暇人です。昨日は夜に雨が止み…今日は１日曇り空でした。梅雨の中休み…的な。熊本の方が、とんでもないことになっているようですが…まだ今晩から、西日本…

daisysacky

戦う骨無し女

早朝、アララト山に量子の雲がかかれば夕方には電子の雨が降る。ポピーはハラソレーダーを片手にケントン・ブリッジに向かった。ブリッジの先はコークランド海。ときどきSolar Whale(陽光クジラ)が七色のバブルを噴き上げる。運がよければ婚礼の虹を見ることもできる。PM5:00。黄昏の頃。陽子の太陽(Proton-Sol)を量子雲(Quantum Cloud)が隠すと世界が琥珀色に染まる。空の琥珀は過去の時間を封じ込めている。いよいよ電子の雨(Ele...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

「見た目も性格も、普通のオジサンだよぉ」とジュンペイは言うけれど…それでも何かが違う、と直感で思う裕太だ。「だけど、ドローンを作ってくれたんでしょ？」すかさず…

daisysacky

戦う骨無し女

　　思い返すと…継母とお義姉さんたちの悔しそうな顔！帰ってくるなり、癇癪を起して、椅子をひっくり返し、ヒステリックにエラに、あたりちらしていたのだ…その屈辱に…

daisysacky

戦う骨無し女

ぼくの手がきみの手を引いて紫陽花の坂道をくだるどこへ行くというよりも今を共有したくて、ここそこと歩く少し濡れた梅雨の合間にそっと息づくのは紫陽花だけではない空に焦がれた露草静かに佇むネジバナ夏の息づかいは吐息も緑振り返っても過去はなく坂の向こうは空と海ただ広がる今の中に息をつき同じ空を吸って　同じ夢を吐いたぼくの手がきみの手を引いて島へと続く橋を渡る気持ちをつなぐというよりも思いを量る強さで、この...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

　　どうせなら、自転車に乗れば、もっと早くて　楽なんじゃないかと思うけれども…おそらくジュンペイは、自転車の前かごに、乗せているドローンに、なるべく振動を与え…

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戦う骨無し女

　　そうなのだ…王子様は結婚には興味がない、と言ってたわりに、エラがお城に到着するなり、「やぁ、待ってたよ！」たとえ他の女性と踊っていたとしても、手を振り払い…

daisysacky

戦う骨無し女

　今年の二月のこと、寒い朝だったことを覚えている。寒くなるとじいちゃんはあちこち痛いと言いはじめる。なんでも戦争の古傷が疼くのだそうだ。だからといって戦争の話だけは絶対にするな。そう父からは言われている。父にその理由を訊いたのは、封切られたばかりの戦争映画が大ヒットしていた頃のことで、強請って観た映画の面白いことに胸を躍らせ、始終友だちと英雄の話をしたり、銃を構えて戦争ごっこを始めたりしていた。思...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

　　窓にはまだ、小さな女の子が、こちらをにらみつけるようにして、見ている。おそらくは、一緒に遊んで欲しかったのだろう…じぃっとジュンペイに視線を向けて、放さな…

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戦う骨無し女

「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何？」を、科学的、文学的、ときどき叙情的（？）に解き明かす恋愛論ブログです。

シランケン・重松シュタイン

シランケンの不純愛講座

「危ないところでしたね」魔法使いは、エラに向かって言った。「約束は、キチンと守ってくださいよ」そう言うと…エラはガラスの靴を脱ぐと、古ぼけた布にくるむ。「だっ…

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戦う骨無し女

この街で過ごした十数年は僕を何者にもすることがなく僕は何者にもなれず変わり続ける街のように開発される傍ら、一方は寂れていく資本は街の上にも、人の上にも不公平な雨のように降った差し出した僕の傘は駅の忘れ物になっているかもしれず新しい傘を買おうともせず雨に打たれて走っている雨に追われて逃げているいつかふたりで夢見た街もそれぞれがそれぞれの道を行きまたそれぞれに孤独になって街に描いた未来の夢も書き上げら...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ

「あっ、しぃっ！」　ジュンペイはすぐさま顔をしかめると、妹の口を手でふさぐ。「にいちゃん…」モガモガと口を動かす。「いいか？兄ちゃんはなぁ、とっても忙しいんだ…

daisysacky

戦う骨無し女

　　このお話は、2018年3月～2019年3月末まで、1年かけてアルファポリスで連載していたお話です。実は時間切れで…尻切れトンボで終わってしまったので、とて…

daisysacky

戦う骨無し女

こんばんは！暇人です。今日はですね、曇りがちの空でした。風が強くて…ドアが重たい日傘が飛ばされそうな、そんな風の強い１日でした。お花の受け取りに行くと…トンボ…

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戦う骨無し女

たとえ君の失ったものが僕の失ったものと同じで希望という名の夢だったとしてもあるいは道だったとしても夢を現実にすることを現実に道を開くことを断念する心など持ちたくはないいつも巡る時の中でいつか季節が到来しようと僕の一歩に君の笑顔が見られるならそれだけで僕は幸せでいられるそんな僕は、君のことを考えていると言えるのだろうか？君が泣くようなことがあったら僕は道化師になるよ君が靴をなくしたらこの背に背負って...

上遠野世方

よも　言葉のアトリエ