日々の恐怖5月2日再会(5)激しく混乱しているのは明らかだった。話をしている最中も奇妙な仕草を取った。奴はバシバシ自分の頭を叩きながら、ごくごくお茶を飲んだりした。突然額の上の部分を押さえて、「また声が聞こえてきた。」などとうめいた。俺に耳を当てて聞いてくれと言うのでその通りにしたが、何も聞こえなかった。だがその間、奴は聞き取れないほどの早口で、時代がかった言葉を唱えたりした。支離滅裂な話に数時間付き合わされたせいで、こちらもひどく消耗してしまった。「俺はお前のことを覚えていない。」奴にそう言われて、かなり安堵したのは確かだ。こちらの手におえる話ではない。係わり合いになるのも嫌だと感じ始めていた。「お前もすぐに俺のことを見失うさ。」一瞬奴の表情が変わった。はっきりと悪意を感じた。「こいつは俺のもんだ。」背...日々の恐怖5月2日再会(5)
~ BARで 鯖戸 ~ 「ねえ棕櫚さん……」 「えっ?! そっちから来るパターンって在るの?!…… な……何?…………」 「おっきいキャベツって 見たこと在る?」 「なんだ…… そんなことか…… うん… かなりおっきいの 見たこと在るよ 直径30㎝超えの特大……」 「コレ見てよ」 「ごめん…… 私おっきいキャベツ 初めて見ました」 「今夜のメイン食材はキャベツです」 「勘弁してください」 「無理です」 「…………」 「安心して ちゃんと美味しくするから」 「絶対だよ?……」 「勿論 あ…… ごめん…… ちょっと手伝って」 「何したら良い?」 「キャベ葉芯を ぬか床へぶっ込んで欲しい」 「OK …
毎年夏になると、家族で山の別荘に行くのが恒例だった。 別荘の裏手には鬱蒼とした森が広がっており、子供の頃は少し不気味な感じがして近づかないようにしていた。 ある年の夏、好奇心に駆られて森の中に入ってみた。 木々の間を進んでいくと、小さな祠を見つけた。 祠の周りは枯れ葉や小枝が綺麗に掃き清められており、誰かが定期的に掃除をしているようだった。 祠の中が気になって遠目に覗いてみたのだが、遠目からでは何も見えない。 ただ、祠の奥に白い布が垂れ下がっているのが見えた。
ルドルフ・シュタイナー 「精神的な探求における真実の道と偽りの道」 (GA243) トーケイ、ディヴォン、1924年8月11日-22日 佐々木義之 訳 第五講:金属質の本性を通しての魂の内的な活性化 私は、
友人は子供の頃、山間の小さな村に住んでいた。 村の外れには鬱蒼とした森が広がる山があり、そこには「入ってはいけない」と村人たちに言い伝えられている場所があった。 理由は定かではないが、その場所は昔から何かがいると噂され近づく者はいなかった。 ある夏の暑い日、友人は幼馴染みと山に探検に出かけた。 好奇心旺盛な二人は、村の言い伝えを無視してその禁足地へと足を踏み入れてしまった。
~ BARで 鯖戸 ~ 私はアーモンドのお花が好きだ…… 可愛らしさと可憐さ…… その両方を持ち合わせながらも その花期は意外と長い…… けれど…… さすがに今期はもう終わりかな…… 始めの頃は若々しい濃いピンク色だった花びらも 随分白くなって来た…… アーモンドは毎年 そうやって終わって行くんだ………… 「へ~ そうなんだ…… バーテンダーが お花好きだなんて なんか意外………」 「そうかな?」 「そうだよ」 「はいどうぞ サラダとアペリティフ出来たよ」 「ありがと… ローズマリーの青紫も 随分と鮮やかになったよね……」 「うん…… 今が一年の中で 一番鮮やかで キレイな時期だよ」 「ねえバ…
2024/04/27 歴史散歩からの御華(おはな)で黒毛和牛の巻 その前に、鰭 、という漢字はどう読むでしょう。 ①しやちほこ ②ぶり ③サバ ④えいヒレ 答えは次の曲を聞いてね オープニングBGMは カラうたチャンネル さんの 美しい鰭 スピ
ルドルフ・シュタイナー 「精神的な探求における真実の道と偽りの道」 (GA243)トーケイ、ディヴォン、1924年8月11日-22日 佐々木義之 訳 第四講 意識の変容による別世界への探求の秘儀 人間の様々
~ BARで 東雲坂田鮫~ 懐かしい香りと息苦しさがとても心地良かったので 暫く目を閉じて居た……… ふと 息苦しさが無くなったので 目を開けてみると…… 目の前に 一粒の胡桃が在った…… 「店の裏に胡桃の木が在るんです」 そう言って 私に近付いてくるバーテンダー……… 好きな味だった…… 柔らかなくちあたりと 舌に吸い付く感じが…… 過去の記憶を呼び起こす………… ただ… いつ…… 何処で…………… そこまでは思い出すことが出来ない………… でも…… このバーテンダーの目には 見覚えが在る………… この目を見て居ると…… 私は 何もしなくても良いのだと思う………… 唯々軀の力を抜き…… 楽に…
私の友人はアウトドアが好きで、特にキャンプには目がなかった。 彼はゴールデンウィークの長期休みを利用して、一人で山奥へと向かった。 事前にキャンプ場を予約していなかった彼は、山道を車で走らせ良さそうな場所を探していた。しばらく走ると山道から少し入った場所に、ぽっかりと開けた広場を見つけた。 木々に囲まれていて地面は比較的平ら、テントを張るには絶好の場所だった。 友人は車を停め、早速テントの設営に取り掛かった。
(本話の分量は、文庫本換算3ページ程です。)大学の同窓会の帰りのこと、俺(葦笛明・32歳・精神神経科医)は友人の小田と二人で、府中駅南口の暗い路地に有る喫茶店にてきつめのウイスキーをゆっくりと飲んでいた。小田は「留年していた葦笛も、ちゃんと医者になっていて安心したけど、精神神経科医だなんて何かの縁だ」と言ってグラスを口に付けてから、またしゃべり出す「相談じゃなくて他愛無い話だから診察料は取らないでくれ」...
(他ページへは3-1|3-2|3-3)―「奇妙だろう?壁の向こうの声かこっち声か分からなくなるなんて」小田は下手くそな講談師のようなしゃべりを止めて、俺に同意を求めるようにしゃべりかけてくる。俺が適当に頷くと、「精神科医の先生としてはどう思う?」と言ってくる。俺は「疲れていて休もうとする神経と慣れない高級旅館に高ぶっている神経と混在していること等が原因で、ウトウトしつつ隣の部屋の話し声を過敏に感受したのではな...
(他ページへは3-1|3-2|3-3)俺(小田)は、冬休みを利用して、東北の田舎へと一人旅に来ていた。昼間は自然溢れる観光スポットを歩いて、夕方にこの高級旅館へ。部屋の時計は、深夜の1時半。重たい目をシパシパしつつ、歯を磨く。TVの音も耳に入るだけであって意味を得ない。ちょっとした憧れから奮発してこの高級旅館に宿泊したのだが、改めて部屋を見回すに、やはりビジネスホテルとは違う。落ち着いた色合いの畳、有名作家の手に...
元なんちゃって左翼の長谷川氏が応援したせいか(冗談)、ちょっと残念な結果に終わった補選。つる光百田氏が保守党を立ち上げたのも、LGBT法案に怒ったからだという…
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