(本話の分量は文庫本換算6ページ程です)或る夏の金曜日。時刻は深夜2時。俺(麦倉行・警察官・29歳)は、交番にて夜勤に臨んでいた。デスクに座って、書類を作成している。外は総じて静かだ。街なので全くシンとすることはない。車のエンジン音が遠く反響したり、時々近くで楽しげな話し声だってする。それでも、総じて静かだ。この交番は、市街地真っただ中の駅から一つ外れた駅の、真ん前に有る。周辺は住宅街だ。交番からの眺めは...
翌金曜日深夜。つまり、例の男が美女にお金を脅される日時だが、交番に助けを求めには現れなかった。気になった俺は、自転車パトロールの時に男のアパートに行ってみた。時刻は午前3時。アパートが見えて来た。男の部屋の前に、一人の女が立っているのが分かる。そのまま、アパートの前に到着。自転車をゆっくり停めるのと入れ違いに、女がアパート敷地からゆっくりと道路に出る。俺に正対している。髪艶や体型等、職業モデルのよ...
男はうんざりした表情になって続ける、「そう。その日だけじゃなかった。それからだいたい一か月くらい経つが、毎週金曜日深夜に、インターホンを鳴らしに来る。お金を払うと帰る。合計10万円程を取られた。」言い終えて溜息をついた。それから男は、警察官である俺からその美女に対して、もう男のアパートに近づかないよう警告をしてくれと言う。腕時計を見ると、美女がインターホンを押しに来る時間が迫っている。俺は同僚ととも...
ルドルフ・シュタイナー 「精神的な探求における真実の道と偽りの道」 (GA243) トーケイ、ディヴォン、1924年8月11日-22日 佐々木義之 訳 第八講:精神的な探求において陥る可能性のある過ち 既にお
山奥に住むBさんから聞いた、奇妙な体験談。 Bさんがまだ小学生だった頃、山裾の小さな村に住んでいた。 家のすぐ裏は森が広がり、少し歩けば山道が始まるような自然豊かな環境だった。 BさんにはF君とEちゃんという仲の良い友達がいて、よく3人で森の中で秘密基地を作ったり、探検ごっこをしたりして遊んでいた。 ある曇りの日、3人はいつものように森の中で特撮ヒーローごっこに夢中になっていた。 F君が怪獣役、Eちゃんがヒロイン役、そしてBさんが正義のヒーロー役だ。 段ボールで作った剣を振りかざし、F君を追いかけ回していると、突然空がゴロゴロと鳴り出した。
~ 追憶 津葦キリコ ~ いつものように仕事の時間より早く待ち合わせして 今… 送迎の人と車の中……… 私が上になって居て… 送迎の人に 「目を閉じて」 と 言った…… 送迎の人は目を閉じてから 「終わってからじゃダメかなぁ……」 と 目を閉じた自分の額に ゆっくりと動き続けながら銃口を向けて居る私に言った……… 「にげたりとか……」 と 私…… 「絶対に捕まるよ」 と 送迎の人…… 「そうだよね………」 一旦トカレフはダッシュボードに入れた………… 「おなかの中にプレゼント入れといたよ」 「…………ごめん………… 私…ピル……呑んでるから…………」 「違うよ… そんなの嬉しく無いだろ……」 …
6月初旬、Yと友人は気分転換に海辺の安いホテルを訪れた。 まだシーズンオフだったためか、ホテルは閑散としており、宿泊客の姿はほとんど見られなかった。 午前中にホテルに到着した二人は、荷物を部屋に置いてすぐに近くの海に出かけた。 曇り空ではあったが海風は心地よく、波の音を聞きながら砂浜を歩くのは楽しかった。 夕方になると二人はホテルに戻り、すぐそこの海で取れたという海鮮料理を堪能し、温泉で旅の疲れを癒した。
~ BARで 鯖戸 ~ 「ねえバーテンダー……」 「はい?」 「これって…… 何?」 「ああ… それは野蒜といって 野草の一種です 今回は舞茸と合わせて調理しました 因みに野蒜は このお店の周りに うんざりするくらい自生して居りますよ」 「雑草?……」 「間違いでは在りませんが 野草と呼んだほうがイケてますよ 雑草食べてるって言うと 貧困感がハンパ無いですが 野草食べてるって言うと ちょっとオサレかもって思う方々も居らっしゃいますからね」 「野蒜の調理って難しい?」 「簡単ですよ 先ずは収穫してキレイに洗浄してから 千切ってお鍋に投入します 次に少量のお水かお酒 或いはその両方を投入し 適量の…
ルドルフ・シュタイナー 「精神的な探求における真実の道と偽りの道」 (GA243) トーケイ、ディヴォン、1924年8月11日-22日 佐々木義之 訳 第七講 星の世界の認識、人類の歴史時代の区別とその精神的
創世新理論(世界創生の因/the cause of world genesi) Hiro Shim著-PLAN/03
創世新理論(世界創生の因/the cause of world genesi) Hiro Shim著-PLAN/03 「虚のハーモニー(ゆらぎ)-世界創世の因(*みなもと)」=Imaginary harmony (fluctuation)仮題 「SFファンタジー」-03 登場す
~ 追憶 津葦キリコ ~ お片付けの仕事は どうやら私に合って居るらしい…… 上の期待に応えられなかったのは 女に自殺されたあの一回だけで それ以降は 上からの要求以上に成果を上げ続け 今はかなり重要なお片付けも任されるようになった……… お金の面ではもうスプリング販売の必要は無い…… けれど私は… 今週三くらいで その仕事も入れて居る…… その仕事で…… と言ったほうが良いか…… 私には 送迎の人と逢うための口実が必要だった……… スプリング販売の日は いつも早めに待ち合わせして そういう感じになる…… お客さんを 絶対に待たせてはいけないという プロ意識が建前だ…… いつもそういう感じなの…
夏の終わり、大学生のグループが山奥のキャンプ場を訪れた。 そこは携帯電話の電波も届かないような秘境で、深い森に囲まれた静かな場所だった。 彼らは学生最後の思い出作りに、自然の中で羽を伸ばそうとやってきたのだ。 キャンプ場に着くと管理者のおじさんが出迎えてくれ、簡単な説明を受けてから彼らは森の中にテントを設営し始めた。 まだ夏と言っても森の中、日が暮れ始めると辺りは急速に暗くなっていった。
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