ドーン!ドドーン!「お母さん、今の花火!?」「そだよ、運動会決定だね、頑張ってよ!」「やったぁ!兄ちゃん運動会やるよ」「うん、晴れて良かったな。亜夢は何に出るんだ?」「亜夢はね、徒競走とー、玉入れとー、レンタルファイトとー、ホークダンス!」「フォークダンスな、レンタルファイトはもしかしてまた飯杉先生の実況付き?」するとお弁当を作ってた母親が「いいじゃない!盛り上がって、亜夢は何をレンタルするのかな?」「何かね、物だけじゃなくて人もレンタルするんだよ、メガネの人とか、五年女子とか」「じゃ亜夢、六年男子だったらすぐ兄ちゃんのとこ行きなよ!」「うん!六年男子、六年男子、六年男子…」亜夢は呪文を唱える…
「はい、田口さんお茶どうぞ」「えっ!ありがとうございます!」順一君は恐縮しながら有り難く頂く。「安奈ちゃんじゃなくておばさんだからあまり美味しくないでしょうけど」「いえ!そんな」「おい!余計な事言うな、田口さん困ってるだろ。すいません、口数多いもんで 笑」「あぁ、ははぁ」順一君は曖昧に返事をしてお茶を一口飲んだ。「美味しいです!」「まあ、そう!?笑 良かった」確かに美味しい、美味しいけど…初めて石栗さんが淹れてくれたお茶は順一君にとって忘れられない味であった。 翌日順一君はまた病院に行った。ところが!「あら!石栗さんの彼氏さん、もう退院したわよ!」順一君達を少しからかった看護師さんが、そう言っ…
「こんばんは」「田口さん!いらっしゃいませ 笑」「あっ、ども」「昨日お見舞い行ってくれたんですってね!安奈ちゃん嬉しそうな声で電話してきましたよ 笑」「あ、そうですか。じ、実は今日も…」「えっ!今日も!?まぁ安奈ちゃん喜んでたでしょ?」「どかな ? 笑 あの、日替わり定食下さい」「はい、お待ち下さい。日替わり 1でーす!」順一君はいつもの席に座る。今日も石栗さんがいないのでここで緊張する事はなく落ち着いていた。もっともさっき病院で逢ってた時はかなりドキドキはしていたが、それでも以前よりはだいぶ良くなった。本当に順一さんが勇気を後押ししてるみたいで頑張って話が出来た。そんな順一君の様子を石栗夫妻…
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