【書評】松井章『環境考古学への招待~発掘からわかる食・トイレ・戦争~』
小さなヒントから、昔の環境を浮き彫りにします。 環境考古学への招待―発掘からわかる食・トイレ・戦争 (岩波新書)作者: 松井 章出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/01/20メディア: 新書 考古学の進歩は目覚ましいです。 貝塚から発見された小さな骨から魚の種類を同定し、その大きさから漁獲方法の進化までたどることができます。 また平安時代のトイレの遺構では、発見された寄生虫の卵から寄生虫の種類を同定し、そこからウシかブタが食べられていたことを証明します。 驚いたのは、アメリカで行われた古戦場の発掘です。 1876年にインデアンとの戦いで騎兵隊が全滅した事件があったのですが、その古戦場から薬きょうを始めとする遺品を拾い、位置をおとし、さらには線状痕を分析することで銃器の数まで推定していきます。 その結果、インデアンの主要武器が弓ではなく銃器であったこ..
諦めるとか、 忘れるとか、 どうやったらできるんだっけ。 あの日から毎日を、日常を繰り返してきたくせに、 昨日までと明日からの、 区切り方がわからないんだ。 予定を分刻みで詰め込んで、 楽しいと思い込んで笑って燥いで、 くたくたになって泥の様に眠りに落ちても、 明け方に見る、淡い陽炎みたいな夢の欠片。 曖昧な、形にすらなっていない揺らぐそのカケラが、 頭の片隅にこびりついたまま拭えない。 ふとした瞬間に、 気配を感じて。 空白の刹那に、 過るなにかを、 全身全霊で、気配や色や音やにおいを、 探している。自覚のないまま。 未練。 きっとそうなんだろうでも、 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・手…
【公募情報】2023年度「井上円了が志したものとは」作品募集(作文・7/15)
井上円了は仏教哲学者であり、東洋大学の前身である哲学館を創設しました。 〔主催者HP〕 https://www.toyo.ac.jp/about/founder/iecp/edu/competition/ 井上円了は江戸時代末期(1858年安政5年)にお寺で生まれました。 その後明治維新となり、東京大学に入学。卒業後は叙述活動に従事し、1887(明治20年)に哲学館を創設、1918年(大正7年)に61歳で亡くなりました。 著作は160冊を越え『おばけの正体』など妖怪に関する論述もあります。 公募のテーマは「井上円了の教育理念を探求し、それをいかに自らの生き方に活かしていくか」をまとめた作文になります。 参加者全員にネットギフト(図書カード500円分)がプレゼントされるのも嬉しいところです。 制限文字数は2000字、応募締切は令和5年7月15日です! <募集要項..
← 山口 昌男【著】『「敗者」の精神史』(刊行年 1995.7 岩波書店) 「淡島椿岳・寒月,土田杏村らは明治維新以後の階層秩序から離れて独自の道を探究し,…
全局中継されるのは嬉しい限りです。 〔主催者HP〕 http://live.shogi.or.jp/oui/ [紅組] 優勝はと豊島将之九段と羽生善治九段に絞られていますが、負けるとリーグ陥落もある大一番です。永瀬王座は前局で羽生九段相手に最後の最後で逆転した星が大きく、石井健太郎六段に勝てば残留の目が出てきます。 徳田拳士四段と服部慎一郎六段のリーグ陥落決定同士の一戦は消化試合に見せて、実は残留者決定に関わってきます。 徳田四段が勝利した場合、仮に3勝2敗で3人が並んだとしてもリーグの規定で前期成績が優先されて羽生九段の残留、永瀬王座の陥落が決まります。 それぞれ影響のある対局結果は以下のようになりました。 ●豊島将之九段(残留) 対 (優勝)羽生善治九段○ http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/64/oui2023050..
夕景じゃなく曙…。画像は、「澄明なる時」(2010/05/17)より。 今日は休日。生憎、昨日からの雨がずっと降り続いていて、午後になって晴れてきた。書店…
頷いた、その顔を見ることができなかった。 ぼくは、 俯いたまま、背を向けたまま、 ドアが閉まる音を、全身で聴いた。 ドアが閉じる。それは、 終わりの音。 あれからぼくはずっと、 世界から遮断されているような気持ちでいる。 ずっと、 ずぅっと、ぼくは、 ぼくは見えない膜に包まれていて、 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・息ができないんだ。
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