人工知能に自らの行動の補助をさせられるようになってから数年が経っている。色々と追加機能が増えてきたので私はこのところ陽気な人間を演じるようになっている。常に…
**************** 「着きました」「…ありがとう」 運転手の声に京介は目を開けた。「……真っ青ですよ」 もう降りるとわかった客だからか、相手が心配そうに声をかけてくるのに、ゆっくりと目を
港町の朝、石畳の広場に屋台がならぶ。目覚ましい色をみせるエメラルドフルーツ、氷と塩の上の赤い魚、新鮮な麦の袋、市場の子、駆けっこ、道の猫 あいだを往来する足、サンダルの足、コンフォートの足、裸足、ジャコメッティの石が歩く。港からの潮風がやわらかい、そちらにむかうしかない 船の巨大なマストは街の中心からでさえ建物の上にみえる。あれは外国航路、阿片の交通経路。マストをながめながら歩いて朝の海まで、あと数分、あと二分 貨物船から阿片の匂いがしてくる。潮風にまじって甘い。躊躇せずに吸い込み国民の義務を忘れる、というわけでいつまでもこの街を出られない。今朝の水平線は少し曲がっている
**************** 急に休むと言った美並に石塚は不審そうだった。『何があったの?』「えーと」 おばさんの旦那さんの義理のお父さんの妹さんが危篤なんですが。 そう伝えると沈黙した石塚が
**************** 拒まれちゃったんだ。 電車の中から遠ざかる真崎を見送りながら、美並はそのことばを頭で繰り返す。 拒まれちゃった。 また。 また、というのは違うか。 前は。 がたん
「小説ブログ」 カテゴリー一覧(参加人数順)
このブログをアプリでフォローする
XXXさん
ブログをみる無料アプリ
ブログみるはブログ村の姉妹アプリです