賭弓のりゆみに、わななく/\久しうありて、はづしたる矢の、もて離れてことかたへ行きたる。 こんな話を聞いた。 たばこ屋の娘で、小さく、愛くるしいのがいた。男は、この娘のために、飲酒をやめようと決心した。娘は、男のその決意を聞き、「うれしい。
禅智内供ぜんちないぐの鼻と云えば、池いけの尾おで知らない者はない。長さは五六寸あって上唇うわくちびるの上から顋あごの下まで下っている。形は元も先も同じように太い。云わば細長い腸詰ちょうづめのような物が、ぶらりと顔のまん中からぶら下っているの
下村敦史著『そして誰かがいなくなる』(いつにもまして詳しすぎる感想です)覆面作家「御津島磨朱李(みつしまましゅり)」の新築お披露目パーティに作家、編集者、評論家が招かれた。森の中の「何かが起こりそうな」洋館。余興(?)としてスマホを隠され、天候が悪化し、雪の中に閉じ込められる。クローズドサークルの出来上がり。そして、悲鳴を残して消えた覆面作家。プロローグの文章の違和感が、被害者の正体につながる。途中で女性作家の一人がいかにも怪しい感じになるけど、その時点で彼女に感情移入してたので、犯人じゃなくてよかった。でも、子どもに自分が服用してた睡眠薬を盛るのはいただけない。本当にいただけない。それだけは許せない。他人が自分の3歳の子どもに大人用の睡眠薬盛るなんて絶対に許せなくない?どんな理由も正当化できない。ミステ...下村敦史『そして誰かがいなくなる』
リングの上に立つ直也は何かを祈るかのように深呼吸をしている。プロテスト前の康志は直也に言葉を掛けずに直也の姿を見つめるだけだ。リングサイドについたコーチと康志に直也は首を縦に振り笑顔を見せる。「え?直也が笑った?どうして」優子は直也は誰にも心を開く事がなかったのにと胸の内で思った。一時的なものだがルールのある戦いの中からから直也の成長が始まったのだ。「カーン!」とゴングが鳴ると直也の眼つきは変わった。眼(ガンツケ)を飛ばす眼ではなく冷静な覚めた目つきでリングの中央に向かう。ジム関係者によって勝利への策は作られる。あと直也がどう動いていくか試合をどう進めていくかである。さすがに2年目の選手がフットワークで直也の動きを崩そうとする。しかし直也は何かに取りつかれたように相手の動きに冷静についていく。相手の選手は...セイネンキレジェンド16話
「お前、最近どうなん?」と健吾が声を掛けてきた。彼の瞳には、俺が数年間抱えてきた悩みの愚痴を聞いてあげようとする優しさがあった。「こんなのがあるよ」と健吾から見せられたサイトには、予想もしていなかった解決策が映っていた。ここ数年、俺は妻との
Julietteは良い魔女でで、名前もJuliette Goodと名は体を表しているけれど、彼女はしばしば悪いタイミングで不適切な場所に居がちであることも事実。 Julietteが出身地のメイン州Charm Coveに戻ってきたその夜、願いの噴水にコインを投げ入れたそのタイミングで町のシンボルになっているバルサム樹が燃え上がった!! 第一発見者のJulietteがまずは怪しまれてしまいます。 バルサム樹炎上の時に、一緒にいたのが彼女の元同級生のDonovan Wick。彼は学校を卒業する前にCharm Coveを離れたのですが、亡くなった祖父母がCharm Coveに残した家屋敷をリフォームして暮らすために戻ってきたばかりでした。そして、彼も同じく容疑者の一人に... その後、John Corey とティーンの男の子数人が同じころにバルサム樹の近くで目撃したとの証言が出て..
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